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第一章 僕たちの出会いとスキル〝農業機器〟
13. 『小型ドローン』
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使える物が増えたことをホーフーンに伝え、僕たちは寝起きしている小屋のそばへと戻ってきた。
まずは使い方がはっきりしている『井戸掘り機(ポンプ付き)』を使うことにしたんだ。
井戸掘り機を取り出してみると、幅広い円状のかたまりが現れた。
あ、なんとなくだけど、使い方がわかる!
「井戸を掘りたい場所にこれを設置して起動すると井戸が出来るようだね」
「にゃ、吾輩の解析なしでも道具の使い方がわかるようになってきましたかにゃ?」
「うん。初めて見る道具だけど使い方がわかるよ」
「じゃあ、これを移動しましょうにゃ。どこに井戸を掘りましょうかにゃ?」
「うーん、薪置き場の裏側には既に井戸があるし、反対側に井戸を掘ろう」
「そうしましょうかにゃ。井戸がふたつもそばにあっても意味がないにゃ」
「この距離だとそもそもふたつ目を掘る理由がないけどね」
「それはそれ。スキルの検証にゃ」
ホーフーンとクーオにも手伝ってもらい井戸掘り機を移動する。
新しい井戸を作りたい場所まで来たら井戸掘り機を起動だ。
すると、なにかを削るガリガリというような音がしばらく聞こえ、その音が止むと井戸掘り機の上に屋根と取っ手みたいな物が現れた。
なるほど、これがポンプか。
「バオア、使い方はわかりますかにゃ?」
「あの取っ手を上げ下げすればいいんでしょ? 試してみるよ」
本当に井戸が出来たのかはまだわからないので試しに水を出してみる。
取っ手を上下に動かしているうちに透き通った綺麗な色の水が噴き出してきた。
うん、井戸掘り機は成功みたいだ!
「井戸掘りは成功したみたいだね」
「ですにゃ。次は『小型ドローン』? ですにゃ」
「ホーフーンも知らないの?」
「はい、聞いたことがありませんにゃ」
ホーフーンも知らない道具か……。
ちょっと慎重になるべきかな。
念のため小屋から離れた場所に移動して『小型ドローン』を取り出してみる。
出てきたのは黒い8本の足が付いた箱とバイザー付きの兜だ。
8本の足の先には輪で守られた風車のような物も付いている。
これが『小型ドローン』なのだろうか?
使い方は……ふむ、なるほど。
「バオア、これが『小型ドローン』ですかにゃ?」
「そうみたい。この箱が空を飛ぶみたいだよ」
「にゃんですと!?」
「この兜をかぶって操縦するようだね。これがあればある程度自由自在に空を飛ぶことが出来るらしい。あと、液体を箱の中に入れて飛び、空からまくことができるらしいから、水を入れて畑にまいてみよう」
「はいですにゃ!」
僕は小型ドローンの胴体部分に水を注ぎ込む。
胴体部分はかなり大きく、更に、水を詰めると膨らむ構造になっているみたいで結構な量が入った。
そして、小型ドローンの蓋を閉め、兜をかぶっていよいよ初めての使用だ。
バイザーを下ろすと、周囲にホーフーンとクーオの姿が見えた。
ただ、視点が低いので僕の視点じゃない。
おそらく小型ドローンの視点なんだろう。
あとは飛ぶように念じれば……飛んだ!
「おお!」
「すごいですニャ!」
小型ドローンは宙を舞い、畑の方へと飛んでいく。
畑の上まで来たら散水開始だ。
小型ドローンの中に詰められた水が霧状になってまかれる。
ドローンからの視点ではわからないけど、しっかりと水まきが出来ているようだ。
水の残量なども表示されていてすごくわかりやすい。
……あ、水がなくなった。
一度補充に戻らないと。
「にゃ? 戻ってきましたにゃ」
「故障ですかニャ?」
「水がなくなったんだ。補給しないと」
「にゃ。結構すぐになくなるのでにゃ」
「それでも畑への水まきがこんな簡単に終わるなら大発明ニャ! 次は私が操縦するニャ!」
「あ、クーオ! 吾輩が操縦するのにゃ!」
「ホーフーン様はいつでも使えるのニャ。普段は使えない私に譲るニャ!」
あはは……。
ふたりの間でケンカが始まってしまった。
でも、それくらい楽しかったし、すごい『農業機器』なんだろうな。
これから先もこんな『農業機器』が出てくるんだろうか?
少しワクワクしてきたかも。
このペースでいくと次の『農業機器』が出てくるのは麦の収穫をする頃だろう。
その時はどんな『農業機器』に出会えるのかな?
まずは使い方がはっきりしている『井戸掘り機(ポンプ付き)』を使うことにしたんだ。
井戸掘り機を取り出してみると、幅広い円状のかたまりが現れた。
あ、なんとなくだけど、使い方がわかる!
「井戸を掘りたい場所にこれを設置して起動すると井戸が出来るようだね」
「にゃ、吾輩の解析なしでも道具の使い方がわかるようになってきましたかにゃ?」
「うん。初めて見る道具だけど使い方がわかるよ」
「じゃあ、これを移動しましょうにゃ。どこに井戸を掘りましょうかにゃ?」
「うーん、薪置き場の裏側には既に井戸があるし、反対側に井戸を掘ろう」
「そうしましょうかにゃ。井戸がふたつもそばにあっても意味がないにゃ」
「この距離だとそもそもふたつ目を掘る理由がないけどね」
「それはそれ。スキルの検証にゃ」
ホーフーンとクーオにも手伝ってもらい井戸掘り機を移動する。
新しい井戸を作りたい場所まで来たら井戸掘り機を起動だ。
すると、なにかを削るガリガリというような音がしばらく聞こえ、その音が止むと井戸掘り機の上に屋根と取っ手みたいな物が現れた。
なるほど、これがポンプか。
「バオア、使い方はわかりますかにゃ?」
「あの取っ手を上げ下げすればいいんでしょ? 試してみるよ」
本当に井戸が出来たのかはまだわからないので試しに水を出してみる。
取っ手を上下に動かしているうちに透き通った綺麗な色の水が噴き出してきた。
うん、井戸掘り機は成功みたいだ!
「井戸掘りは成功したみたいだね」
「ですにゃ。次は『小型ドローン』? ですにゃ」
「ホーフーンも知らないの?」
「はい、聞いたことがありませんにゃ」
ホーフーンも知らない道具か……。
ちょっと慎重になるべきかな。
念のため小屋から離れた場所に移動して『小型ドローン』を取り出してみる。
出てきたのは黒い8本の足が付いた箱とバイザー付きの兜だ。
8本の足の先には輪で守られた風車のような物も付いている。
これが『小型ドローン』なのだろうか?
使い方は……ふむ、なるほど。
「バオア、これが『小型ドローン』ですかにゃ?」
「そうみたい。この箱が空を飛ぶみたいだよ」
「にゃんですと!?」
「この兜をかぶって操縦するようだね。これがあればある程度自由自在に空を飛ぶことが出来るらしい。あと、液体を箱の中に入れて飛び、空からまくことができるらしいから、水を入れて畑にまいてみよう」
「はいですにゃ!」
僕は小型ドローンの胴体部分に水を注ぎ込む。
胴体部分はかなり大きく、更に、水を詰めると膨らむ構造になっているみたいで結構な量が入った。
そして、小型ドローンの蓋を閉め、兜をかぶっていよいよ初めての使用だ。
バイザーを下ろすと、周囲にホーフーンとクーオの姿が見えた。
ただ、視点が低いので僕の視点じゃない。
おそらく小型ドローンの視点なんだろう。
あとは飛ぶように念じれば……飛んだ!
「おお!」
「すごいですニャ!」
小型ドローンは宙を舞い、畑の方へと飛んでいく。
畑の上まで来たら散水開始だ。
小型ドローンの中に詰められた水が霧状になってまかれる。
ドローンからの視点ではわからないけど、しっかりと水まきが出来ているようだ。
水の残量なども表示されていてすごくわかりやすい。
……あ、水がなくなった。
一度補充に戻らないと。
「にゃ? 戻ってきましたにゃ」
「故障ですかニャ?」
「水がなくなったんだ。補給しないと」
「にゃ。結構すぐになくなるのでにゃ」
「それでも畑への水まきがこんな簡単に終わるなら大発明ニャ! 次は私が操縦するニャ!」
「あ、クーオ! 吾輩が操縦するのにゃ!」
「ホーフーン様はいつでも使えるのニャ。普段は使えない私に譲るニャ!」
あはは……。
ふたりの間でケンカが始まってしまった。
でも、それくらい楽しかったし、すごい『農業機器』なんだろうな。
これから先もこんな『農業機器』が出てくるんだろうか?
少しワクワクしてきたかも。
このペースでいくと次の『農業機器』が出てくるのは麦の収穫をする頃だろう。
その時はどんな『農業機器』に出会えるのかな?
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