11 / 71
第一章 僕たちの出会いとスキル〝農業機器〟
11. 『小型種まき機』の性能
しおりを挟む
僕たちは行商人のクーオからたくさんの種麦をもらうことが出来た。
なんでこんなに持ち歩いていたのかを聞いたところ、どこも不作で種麦にすら困っているところが多いそうだ。
そういったところで売るために持ち歩いていたのだとか。
それを譲ってくれるだなんてありがたいな。
「さて『小型種まき機』の使い方にゃ。まずは、この上にある箱に種となる麦を入れるにゃ」
「うん。でも、不思議な材質の箱だね。薄いのに頑丈そう。それに、鉄とかじゃなさそうだ」
「そこはスキルの力で出来た不思議物質ということで片付けましょうにゃ。早く麦を入れるにゃ」
ホーフーンとクーオに補助してもらいながら種麦を箱の中に入れる。
もらった種麦をいっぱいになるまで詰め、箱の蓋をした。
これで準備出来たのかな?
「はいですにゃ。準備完了ですにゃ。あとは小型トラクターに小型種まき機をつなぎ、耕した畑の端で小型種まき機を起動させるにゃ。そうすれば種が蒔かれるはずにゃ」
「わかった。早速行ってくる」
僕は小型トラクターに乗り込み小型種まき機をドッキングさせる。
そして、畑の方まで行ったら小型種まき機を起動させた。
すると、小型種まき機の方からものすごい音と振動が伝わってくる。
本当に大丈夫なのかな?
心配しても仕方がないと判断して畑の上を小型トラクターで進んでいく。
これだけで種まきが進んでいくらしいけど、本当なんだろうか。
ある程度進むと、後ろの方でホーフーンとクーオが小型トラクターの通ったあとを確認しているのが見えた。
僕も行ってみるとしよう。
「おや、バオアも来ましたかにゃ」
「うん。どうなってるか気になったからね」
「それなら問題ないと思いますにゃ。小型種まき機の通ったあとはしっかりと種まきがされていますにゃ」
「種まきって……どこに?」
小型種まき機が通ったあとの地面はでこぼこに盛り上がっている部分と引っ込んでいる部分に分かれている。
出っ張っている部分はなにか濡れたようなあとがあるんだけど、どういうことなんだろう?
「種はこの出っ張った部分の中に埋め込まれていますにゃ」
「埋め込まれている? そんなことまでしていたの?」
「はいですにゃ。おそらくですが、小型種まき機の仕組みはこうにゃ」
ホーフーンの説明によると、小型種まき機が通ったとき、地面に穴を開けてそこに種を落とす。
種を落としたあと薄く土をかぶせ更に肥料となる液体をかけているのだそうな。
そこまでやってくれるんだ、小型種まき機って。
そして、その横で頭を悩ましているのはクーオだ。
仕組みは説明されたけど、実際どうやって実現するかを悩んでいるらしい。
結局はホーフーンが絵におこしてそれを持ち帰ることで決着したようだ。
技術を持ち帰るというのも楽じゃないね。
なんでこんなに持ち歩いていたのかを聞いたところ、どこも不作で種麦にすら困っているところが多いそうだ。
そういったところで売るために持ち歩いていたのだとか。
それを譲ってくれるだなんてありがたいな。
「さて『小型種まき機』の使い方にゃ。まずは、この上にある箱に種となる麦を入れるにゃ」
「うん。でも、不思議な材質の箱だね。薄いのに頑丈そう。それに、鉄とかじゃなさそうだ」
「そこはスキルの力で出来た不思議物質ということで片付けましょうにゃ。早く麦を入れるにゃ」
ホーフーンとクーオに補助してもらいながら種麦を箱の中に入れる。
もらった種麦をいっぱいになるまで詰め、箱の蓋をした。
これで準備出来たのかな?
「はいですにゃ。準備完了ですにゃ。あとは小型トラクターに小型種まき機をつなぎ、耕した畑の端で小型種まき機を起動させるにゃ。そうすれば種が蒔かれるはずにゃ」
「わかった。早速行ってくる」
僕は小型トラクターに乗り込み小型種まき機をドッキングさせる。
そして、畑の方まで行ったら小型種まき機を起動させた。
すると、小型種まき機の方からものすごい音と振動が伝わってくる。
本当に大丈夫なのかな?
心配しても仕方がないと判断して畑の上を小型トラクターで進んでいく。
これだけで種まきが進んでいくらしいけど、本当なんだろうか。
ある程度進むと、後ろの方でホーフーンとクーオが小型トラクターの通ったあとを確認しているのが見えた。
僕も行ってみるとしよう。
「おや、バオアも来ましたかにゃ」
「うん。どうなってるか気になったからね」
「それなら問題ないと思いますにゃ。小型種まき機の通ったあとはしっかりと種まきがされていますにゃ」
「種まきって……どこに?」
小型種まき機が通ったあとの地面はでこぼこに盛り上がっている部分と引っ込んでいる部分に分かれている。
出っ張っている部分はなにか濡れたようなあとがあるんだけど、どういうことなんだろう?
「種はこの出っ張った部分の中に埋め込まれていますにゃ」
「埋め込まれている? そんなことまでしていたの?」
「はいですにゃ。おそらくですが、小型種まき機の仕組みはこうにゃ」
ホーフーンの説明によると、小型種まき機が通ったとき、地面に穴を開けてそこに種を落とす。
種を落としたあと薄く土をかぶせ更に肥料となる液体をかけているのだそうな。
そこまでやってくれるんだ、小型種まき機って。
そして、その横で頭を悩ましているのはクーオだ。
仕組みは説明されたけど、実際どうやって実現するかを悩んでいるらしい。
結局はホーフーンが絵におこしてそれを持ち帰ることで決着したようだ。
技術を持ち帰るというのも楽じゃないね。
0
お気に入りに追加
411
あなたにおすすめの小説
えっ、じいちゃん昔勇者だったのっ!?〜祖父の遺品整理をしてたら異世界に飛ばされ、行方不明だった父に魔王の心臓を要求されたので逃げる事にした〜
楠ノ木雫
ファンタジー
まだ16歳の奥村留衣は、ずっと一人で育ててくれていた祖父を亡くした。親戚も両親もいないため、一人で遺品整理をしていた時に偶然見つけた腕輪。ふとそれを嵌めてみたら、いきなり違う世界に飛ばされてしまった。
目の前に浮かんでいた、よくあるシステムウィンドウというものに書かれていたものは『勇者の孫』。そう、亡くなった祖父はこの世界の勇者だったのだ。
そして、行方不明だと言われていた両親に会う事に。だが、祖父が以前討伐した魔王の心臓を渡すよう要求されたのでドラゴンを召喚して逃げた!
追われつつも、故郷らしい異世界での楽しい(?)セカンドライフが今始まる!
※他の投稿サイトにも掲載しています。
キャンピングカーで異世界の旅
モルモット
ファンタジー
主人公と天女の二人がキャンピングカーで異世界を旅する物語。
紹介文
夢のキャンピングカーを手に入れた主人公でしたが 目が覚めると異世界に飛ばされていました。戻れるのでしょうか?そんなとき主人公の前に自分を天女だと名乗る使者が現れるのです。
彼女は内気な性格ですが実は神様から命を受けた刺客だったのです。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる