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第一章 僕たちの出会いとスキル〝農業機器〟
8. 『小型耕運機』
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小型トラクターの訓練だけで日が暮れ始めた。
なので、小型耕運機を使うのは翌日にすることにする。
新しい農業機器に胸が高鳴るけど、明日まではお預けだ。
見た限りだと使い方もわからないしね。
翌朝、朝食を食べて小型トラクターと小型耕運機を取り出す。
小型トラクターは昨日散々運転練習をしたから大丈夫だけど、小型耕運機はどうやって使うんだろう?
僕の不安を余所に、ホーフーンは既に解析済みなのか僕を小型トラクターの操縦席へと誘った。
「さて、小型耕運機の使い方ですにゃ。あれは小型トラクターに取り付けて使う農業機器ですにゃ」
「小型トラクターに取り付けて使う? どうやって?」
「小型耕運機には出っ張っている棒がありましたにゃろ? あそこを小型トラクターの後部にあるドッキング用の部分に重ねればいいにゃ。上手く重なったらハンドルの横にある赤いボタンが点滅するのでそれを押すのにゃ。そうすれば取り付け完了にゃ」
うーん、よくわからないけどやってみるしかないか。
確かにトラクターの後ろにはなにかが取り付けられそうな部分があったし、あそこにあの棒を重ねればいいんだろう。
それじゃあ、小型トラクターを操作して……っと、結構難しいな。
僕は何回か切り返しを繰り返し、なんとか赤いボタンを点滅させることに成功した。
あとはこれを押せば……。
うわっ!?
後ろでガコッて大きな音がした!?
「これで取り付け完了ですにゃ」
「いまので取り付け完了?」
「そのはずですにゃ。疑うなら見にいくといいにゃ」
僕は一度小型トラクターの運転席から降り、後ろを見にいく。
すると、小型耕運機の出っ張っていた棒が小型トラクターにつながっており、確かに接続されていた。
これで小型耕運機を使えるのだろうか?
半信半疑のまま運転席に戻り、ホーフーンから次になにをやればよいのか聞いてみる。
すると、耳を疑うようなことを言い出した。
「その赤いボタンの隣にある青いボタンを押せば小型耕運機が動くにゃ。小型耕運機を動かせば、小型耕運機が地面に触れている部分が掘り返されて畑が出来上がるにゃ!」
「ちょ、ちょっと待って!? それだけで畑が出来るの!?」
「小型耕運機を解析した限りではそうにゃ。試してみるにゃ」
「わ、わかった。小型耕運機を使う場所は草刈りをした場所の方がいいよね?」
「その方がいいですにゃ。変な場所を耕して小型耕運機が壊れでもしたら目も当てられませんにゃ」
「ははは……」
僕は小型トラクターを操作してここ数日間草刈りをしていた平野部へと向かう。
そこには刈られた状態の草がまだ放置されており、掃除しておけばよかったかなとも思った。
ちょっと掃除できるような広さじゃないんだけど。
「さあ、早速小型耕運機を動かすにゃ!」
「はいはい。……うわっ!? すごい音だ!」
「地面を削っている音ですにゃ。バオア、このまま前進にゃ」
「う、うん!」
ホーフーンの言う地面を削っている音はずっと続き、僕が草を刈っていた範囲の端まですぐにたどり着いた。
後ろを振り返れば、本当に土が耕されてむき出しの土が広がっている。
それも、かなりがっつりと耕された土だ。
たったこれだけで畑が出来るだなんて……。
農業機器ってすごい!
「感動していないで折り返すにゃ。吾輩たちが草を切り開いた土地すべてを耕すのにゃ」
「あ、そうだね。わかった」
この農業機器なら数日で20日くらいかけて草刈りをした範囲を耕し尽くせるだろう。
ああ、本当に農業機器って素晴らしい!
なので、小型耕運機を使うのは翌日にすることにする。
新しい農業機器に胸が高鳴るけど、明日まではお預けだ。
見た限りだと使い方もわからないしね。
翌朝、朝食を食べて小型トラクターと小型耕運機を取り出す。
小型トラクターは昨日散々運転練習をしたから大丈夫だけど、小型耕運機はどうやって使うんだろう?
僕の不安を余所に、ホーフーンは既に解析済みなのか僕を小型トラクターの操縦席へと誘った。
「さて、小型耕運機の使い方ですにゃ。あれは小型トラクターに取り付けて使う農業機器ですにゃ」
「小型トラクターに取り付けて使う? どうやって?」
「小型耕運機には出っ張っている棒がありましたにゃろ? あそこを小型トラクターの後部にあるドッキング用の部分に重ねればいいにゃ。上手く重なったらハンドルの横にある赤いボタンが点滅するのでそれを押すのにゃ。そうすれば取り付け完了にゃ」
うーん、よくわからないけどやってみるしかないか。
確かにトラクターの後ろにはなにかが取り付けられそうな部分があったし、あそこにあの棒を重ねればいいんだろう。
それじゃあ、小型トラクターを操作して……っと、結構難しいな。
僕は何回か切り返しを繰り返し、なんとか赤いボタンを点滅させることに成功した。
あとはこれを押せば……。
うわっ!?
後ろでガコッて大きな音がした!?
「これで取り付け完了ですにゃ」
「いまので取り付け完了?」
「そのはずですにゃ。疑うなら見にいくといいにゃ」
僕は一度小型トラクターの運転席から降り、後ろを見にいく。
すると、小型耕運機の出っ張っていた棒が小型トラクターにつながっており、確かに接続されていた。
これで小型耕運機を使えるのだろうか?
半信半疑のまま運転席に戻り、ホーフーンから次になにをやればよいのか聞いてみる。
すると、耳を疑うようなことを言い出した。
「その赤いボタンの隣にある青いボタンを押せば小型耕運機が動くにゃ。小型耕運機を動かせば、小型耕運機が地面に触れている部分が掘り返されて畑が出来上がるにゃ!」
「ちょ、ちょっと待って!? それだけで畑が出来るの!?」
「小型耕運機を解析した限りではそうにゃ。試してみるにゃ」
「わ、わかった。小型耕運機を使う場所は草刈りをした場所の方がいいよね?」
「その方がいいですにゃ。変な場所を耕して小型耕運機が壊れでもしたら目も当てられませんにゃ」
「ははは……」
僕は小型トラクターを操作してここ数日間草刈りをしていた平野部へと向かう。
そこには刈られた状態の草がまだ放置されており、掃除しておけばよかったかなとも思った。
ちょっと掃除できるような広さじゃないんだけど。
「さあ、早速小型耕運機を動かすにゃ!」
「はいはい。……うわっ!? すごい音だ!」
「地面を削っている音ですにゃ。バオア、このまま前進にゃ」
「う、うん!」
ホーフーンの言う地面を削っている音はずっと続き、僕が草を刈っていた範囲の端まですぐにたどり着いた。
後ろを振り返れば、本当に土が耕されてむき出しの土が広がっている。
それも、かなりがっつりと耕された土だ。
たったこれだけで畑が出来るだなんて……。
農業機器ってすごい!
「感動していないで折り返すにゃ。吾輩たちが草を切り開いた土地すべてを耕すのにゃ」
「あ、そうだね。わかった」
この農業機器なら数日で20日くらいかけて草刈りをした範囲を耕し尽くせるだろう。
ああ、本当に農業機器って素晴らしい!
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