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第一章 僕たちの出会いとスキル〝農業機器〟
5. 初めてのスキル使用と初めての『農業機器』
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朝食を食べ終わったら外に出て僕のスキルを試してみることにした。
ホーフーンにも調べてもらったんだけど、このスキルはなにかを呼び出すスキルらしい。
召喚系のスキルは危険なものもあると聞いたけど、大丈夫なんだろうか?
ホーフーンが大丈夫だと太鼓判を押してくれているから問題ないと信じたいけど。
「さて、初めてのスキル使用にゃ。張り切って行くにゃ」
「張り切って行くって……スキルってどうやって使えばいいの?」
「『剣術』や『料理』、『農業』のような常動型スキルでない場合、スキル名を言葉に出すことで発動することが多いにゃ。試してみるにゃ」
「わかった。『農業機器』発動!」
僕がスキル名を唱えると目の前に半透明な板が浮かび上がった。
そこには文字が書かれている。
えーと、〝農業機器レベル1 使用可能機器 小型草刈り機〟?
農業機器レベルっていうのはなんとなくわかる。
一部のスキルにはレベルという物があってこれが高くなるほどより効果が高くなるらしい。
でも、『小型草刈り機』ってなんだろう?
「おや、それは珍しいですにゃ。『叡智の石板』そっくりですにゃ」
「『叡智の石板』って?」
「一種の魔道装置ですにゃ。様々なものをコントロールするための制御装置であることが一般的ですにゃ。とりあえず、その浮かび上がっている文字に触ってみるにゃ」
「うん。……うわっ!? なにか出てきた!?」
僕がスキルで呼び出した板の『小型草刈り機』の部分に触れると、目の前が輝きなにかが姿を現した。
それは肩掛け紐と握り棒が付いた棹状の道具の先端に円盤がくっついている道具である。
円盤の棹側の部分はなにかで覆われており、棹側から見て外側の方しか円盤は露出していない。
これが『小型草刈り機』なんだろうか?
「ふむ。それが『小型草刈り機』のようですにゃ」
「え? ホーフーンにはわかるの?」
「吾輩のスキルをお忘れですかにゃ?」
「あ、そっか。『解析』で調べたんだ」
「もっと詳しいことを調べるために持ってみますにゃ。……ふむ、これは」
ホーフーンが『小型草刈り機』を持って『解析』を使う。
それから肩掛け紐をたすき掛けにしてハンドルを握り、『小型草刈り機』を担ぎ上げた。
その次の瞬間、先端に着いていた円盤部分が高速で回転を始め、うなり声を上げる。
ホーフーンはその状態のまま草原へと近づいていき、生えている草に円盤部分を押しつけた。
すると、円盤に触れた草が切り飛ばされて吹き飛んでいく。
これが『小型草刈り機』の使い方なんだ。
「……と、まあ、これが『小型草刈り機』の使い方ですにゃ」
「すごいよ、ホーフーン! 触るだけで使い方がわかるだなんて!」
「普通は召喚主も使い方がわかるものなんですがにゃ。まだスキルレベルが低くて上手く伝わっていないのかもしれませんにゃ」
「そうなんだ。スキルレベルを上げるにはどうしたらいいの?」
「スキルをガンガン使うのが一番の近道ですにゃ。『農業機器』の場合、道具を使うことでしょうにゃ」
「道具を使う……草を刈ればいいの?」
「だと思いますにゃ。では、あとのことはバオアに任せますにゃ」
「うん、わかった。ホーフーンはどうするの?」
「周辺を調べてきますにゃ。ついでにお昼ご飯も集めてきますにゃ」
「わかったよ。気をつけて行ってきてね」
「バオアも気をつけるにゃよ」
森の中にはいっていくホーフーンを見送り、僕は小型草刈り機を担ぎ上げる。
さあ、スキルレベルを上げるためにガンガン草を刈るぞ!
ホーフーンにも調べてもらったんだけど、このスキルはなにかを呼び出すスキルらしい。
召喚系のスキルは危険なものもあると聞いたけど、大丈夫なんだろうか?
ホーフーンが大丈夫だと太鼓判を押してくれているから問題ないと信じたいけど。
「さて、初めてのスキル使用にゃ。張り切って行くにゃ」
「張り切って行くって……スキルってどうやって使えばいいの?」
「『剣術』や『料理』、『農業』のような常動型スキルでない場合、スキル名を言葉に出すことで発動することが多いにゃ。試してみるにゃ」
「わかった。『農業機器』発動!」
僕がスキル名を唱えると目の前に半透明な板が浮かび上がった。
そこには文字が書かれている。
えーと、〝農業機器レベル1 使用可能機器 小型草刈り機〟?
農業機器レベルっていうのはなんとなくわかる。
一部のスキルにはレベルという物があってこれが高くなるほどより効果が高くなるらしい。
でも、『小型草刈り機』ってなんだろう?
「おや、それは珍しいですにゃ。『叡智の石板』そっくりですにゃ」
「『叡智の石板』って?」
「一種の魔道装置ですにゃ。様々なものをコントロールするための制御装置であることが一般的ですにゃ。とりあえず、その浮かび上がっている文字に触ってみるにゃ」
「うん。……うわっ!? なにか出てきた!?」
僕がスキルで呼び出した板の『小型草刈り機』の部分に触れると、目の前が輝きなにかが姿を現した。
それは肩掛け紐と握り棒が付いた棹状の道具の先端に円盤がくっついている道具である。
円盤の棹側の部分はなにかで覆われており、棹側から見て外側の方しか円盤は露出していない。
これが『小型草刈り機』なんだろうか?
「ふむ。それが『小型草刈り機』のようですにゃ」
「え? ホーフーンにはわかるの?」
「吾輩のスキルをお忘れですかにゃ?」
「あ、そっか。『解析』で調べたんだ」
「もっと詳しいことを調べるために持ってみますにゃ。……ふむ、これは」
ホーフーンが『小型草刈り機』を持って『解析』を使う。
それから肩掛け紐をたすき掛けにしてハンドルを握り、『小型草刈り機』を担ぎ上げた。
その次の瞬間、先端に着いていた円盤部分が高速で回転を始め、うなり声を上げる。
ホーフーンはその状態のまま草原へと近づいていき、生えている草に円盤部分を押しつけた。
すると、円盤に触れた草が切り飛ばされて吹き飛んでいく。
これが『小型草刈り機』の使い方なんだ。
「……と、まあ、これが『小型草刈り機』の使い方ですにゃ」
「すごいよ、ホーフーン! 触るだけで使い方がわかるだなんて!」
「普通は召喚主も使い方がわかるものなんですがにゃ。まだスキルレベルが低くて上手く伝わっていないのかもしれませんにゃ」
「そうなんだ。スキルレベルを上げるにはどうしたらいいの?」
「スキルをガンガン使うのが一番の近道ですにゃ。『農業機器』の場合、道具を使うことでしょうにゃ」
「道具を使う……草を刈ればいいの?」
「だと思いますにゃ。では、あとのことはバオアに任せますにゃ」
「うん、わかった。ホーフーンはどうするの?」
「周辺を調べてきますにゃ。ついでにお昼ご飯も集めてきますにゃ」
「わかったよ。気をつけて行ってきてね」
「バオアも気をつけるにゃよ」
森の中にはいっていくホーフーンを見送り、僕は小型草刈り機を担ぎ上げる。
さあ、スキルレベルを上げるためにガンガン草を刈るぞ!
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