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第一章 僕たちの出会いとスキル〝農業機器〟
4. 世界樹の森で迎える初めての朝
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「う、うーん」
窓から漏れる日差しを受けて僕は目を覚ました。
そうか、そういえば世界樹の森にある小屋の中で寝たんだっけ。
がっしりとした木組みの小屋は多少のことで揺らがないだろう。
本当にいい場所が見つかったな。
……あれ、ホーフーンがいない。
どこに行ったんだろう?
「おや? 目を覚ましましたかにゃ?」
「あ、ホーフーン。どこに行ってたの?」
「食料を探しに行ってましたにゃ。いやはや、やはり世界樹の森は素材が豊富にゃ」
入り口から僕のそばまでやってきたホーフーンは持っていた袋の中身を見せてくれた。
中には昨日も見た果物の他に山菜やキノコが入っている。
果物はわかるけど山菜やキノコは……ああ、ホーフーンのスキルで毒がないかわかるんだっけ。
じゃあ、安心して食べられるな。
「とりあえず朝ごはんにしましょうにゃ。果物だけでは味気ないですから山菜とキノコも焼きましょうにゃ」
「焼くって……火はどうするの?」
「魔法でおこしますにゃ。薪は外にありましたにゃ。山菜とキノコを焼く準備をしておくのでバオアは薪を取ってきてほしいにゃ」
「うん、わかった」
ホーフーンに頼まれて外に出てみると、すがすがしい青空が広がっていた。
日は大分高くなっており、結構寝過ごしたことがわかる。
ホーフーンが言っていた薪は……ああ、小屋の横に薪置き場があった。
隣には古びた井戸もある。
薪はここから持っていけばいいのか。
でも、僕の背丈よりも高く、幅も僕が大股で数歩歩かないといけないほど幅広く積まれているけど、これ何十日分くらいの薪なんだろう?
そもそも使い切ったらどうすればいいのかな?
普通に薪を切り出しに行くにも斧がない。
生活用品がいろいろ足りないな……。
「バオア、薪はまだですかにゃ?」
「あ、うん、すぐに持っていく」
今後のことを考えていたらホーフーンに急かされてしまった。
先のことよりもいまのことだよね。
僕はすぐに薪を持って小屋の中に戻る。
小屋の中ではホーフーンがナイフで山菜とキノコを食べやすい大きさに切り分け、鉄串に刺して待っていた。
「薪は持ってきてくれましたかにゃ? こちらに竈があるので薪を入れてくださいにゃ」
ホーフーンが指し示した先には確かに竈がある。
僕がその中に薪を並べると入れ替わりにホーフーンがやってきて薪を指さす。
すると、竈の中の薪に一瞬で火が付いた。
すごい、これが魔法!
「にゃ? 魔法を見るのは初めてですかにゃ?」
「うん。僕は使えなかったし、家族も使用人も使っているところを見たことがなかったからね」
「そうですかにゃ? バオアにも魔法の才能はありそうですがにゃ」
「そんなこと言われても使えないよ」
「まあ、正式な使い方を知らないと使えないのかもしれませんにゃ。とりあえずいまは山菜とキノコを焼くにゃ」
ホーフーンは山菜とキノコの串を取りに行った。
僕にも魔法が使えるんだろうか?
魔法ってスキルとは関係ないのかな?
よくわからないけど、まずは朝ご飯にしよう。
山菜とキノコの焼ける匂いもたまらないしね。
窓から漏れる日差しを受けて僕は目を覚ました。
そうか、そういえば世界樹の森にある小屋の中で寝たんだっけ。
がっしりとした木組みの小屋は多少のことで揺らがないだろう。
本当にいい場所が見つかったな。
……あれ、ホーフーンがいない。
どこに行ったんだろう?
「おや? 目を覚ましましたかにゃ?」
「あ、ホーフーン。どこに行ってたの?」
「食料を探しに行ってましたにゃ。いやはや、やはり世界樹の森は素材が豊富にゃ」
入り口から僕のそばまでやってきたホーフーンは持っていた袋の中身を見せてくれた。
中には昨日も見た果物の他に山菜やキノコが入っている。
果物はわかるけど山菜やキノコは……ああ、ホーフーンのスキルで毒がないかわかるんだっけ。
じゃあ、安心して食べられるな。
「とりあえず朝ごはんにしましょうにゃ。果物だけでは味気ないですから山菜とキノコも焼きましょうにゃ」
「焼くって……火はどうするの?」
「魔法でおこしますにゃ。薪は外にありましたにゃ。山菜とキノコを焼く準備をしておくのでバオアは薪を取ってきてほしいにゃ」
「うん、わかった」
ホーフーンに頼まれて外に出てみると、すがすがしい青空が広がっていた。
日は大分高くなっており、結構寝過ごしたことがわかる。
ホーフーンが言っていた薪は……ああ、小屋の横に薪置き場があった。
隣には古びた井戸もある。
薪はここから持っていけばいいのか。
でも、僕の背丈よりも高く、幅も僕が大股で数歩歩かないといけないほど幅広く積まれているけど、これ何十日分くらいの薪なんだろう?
そもそも使い切ったらどうすればいいのかな?
普通に薪を切り出しに行くにも斧がない。
生活用品がいろいろ足りないな……。
「バオア、薪はまだですかにゃ?」
「あ、うん、すぐに持っていく」
今後のことを考えていたらホーフーンに急かされてしまった。
先のことよりもいまのことだよね。
僕はすぐに薪を持って小屋の中に戻る。
小屋の中ではホーフーンがナイフで山菜とキノコを食べやすい大きさに切り分け、鉄串に刺して待っていた。
「薪は持ってきてくれましたかにゃ? こちらに竈があるので薪を入れてくださいにゃ」
ホーフーンが指し示した先には確かに竈がある。
僕がその中に薪を並べると入れ替わりにホーフーンがやってきて薪を指さす。
すると、竈の中の薪に一瞬で火が付いた。
すごい、これが魔法!
「にゃ? 魔法を見るのは初めてですかにゃ?」
「うん。僕は使えなかったし、家族も使用人も使っているところを見たことがなかったからね」
「そうですかにゃ? バオアにも魔法の才能はありそうですがにゃ」
「そんなこと言われても使えないよ」
「まあ、正式な使い方を知らないと使えないのかもしれませんにゃ。とりあえずいまは山菜とキノコを焼くにゃ」
ホーフーンは山菜とキノコの串を取りに行った。
僕にも魔法が使えるんだろうか?
魔法ってスキルとは関係ないのかな?
よくわからないけど、まずは朝ご飯にしよう。
山菜とキノコの焼ける匂いもたまらないしね。
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