33 / 91
第2部 『神樹の里』環境整備と不満の解決 第2章 お酒が飲みたい
33.神樹の里で食物栽培
しおりを挟む
野外ステージや音楽堂の建設で春はほとんどの時間が過ぎてしまいました。
この長い間に染みついてしまった僕のリンに対する甘え癖とリンの僕に対する甘やかし癖は治らず、今日もリンはご機嫌で朝食に向かいます。
途中で合流したディーヴァとミンストレルも先日の公演が成功したことでウキウキ笑顔ですし、女性3人は明るく僕ひとりが沈んだ表情を浮かべていました。
そして、そのままメイヤの待つ神樹の元へとたどり着いてしまいます。
『おはよう、4人とも。シント以外は元気そうね。シント、なにかあったの?』
「音楽堂を建築していた間に染みついてしまったリンへの甘え癖が抜けません……」
「えー、いいじゃない。私はシントが甘えてくれて嬉しいよ?」
『だそうよ? 私としても契約者と守護者のふたりが仲良く過ごしているのは都合がいいわ。そのまま甘え続けなさいな。リンも甘えられるのは嫌じゃないのでしょう?』
「もちろんです、メイヤ様。毎日甘えてくれてとっても嬉しいです」
『じゃあ、シントが我慢なさい。あなただってリンに甘えられて嬉しいでしょう?』
「嬉しいことは嬉しいのですが……成人したというのにいつまでも甘えたままというのは恥ずかしいです」
『あなただって、今年で14歳だもの。……そう言えばリンの歳って何歳?』
「わかりません。物心ついたときにはすでに檻の中にいました。わかるのは神樹の里までたどり着くまで5年かかったくらいですね。季節の移り変わりだけは数えていましたから。……その、食べられるものを探すために」
「リンの年齢なら私が知っています。今年で16歳ですよ。シントとはそんなに離れていません」
「そうなの? ディーヴァ」
「はい。あなたのことは生まれたときから知っていますので。ちなみにミンストレルは今年で7歳です」
『そうなのね。ディーヴァは相応に長く生きているのだろうけれど、それ以外はみんな若いわ。とりあえずシントとリンはそのまま仲良くなりなさい。悪いことなんてひとつもないのだから』
「……そうします」
「はい!」
今日もメイヤの美味しい木の実を食べたあと、午前中は訓練へ……向かおうとしたのですがメイヤに引き留められました。
なにかあったのでしょうか?
『シント、リン。あなた方ふたりはドワーフの鉱山に行ってもらいたいの。そこでドワーフのまとめ役と話をしてきて頂戴』
「ドワーフのまとめ役ですか?」
「メイヤ様、ドワーフたちの間で何かトラブルでも?」
『ドワーフたちの間でトラブルがあったわけじゃないのだけれど……〝王都〟の問題も片付いて肥沃な土地に住めるようになったことで種族としての我慢ができなくなり始めているというか……』
「種族としての我慢?」
『まあ、話を聞いてきて。その上で可否を判断してきて上げて頂戴。神域の契約者と守護者の判断なら従うでしょうから』
「とりあえず、わかりました。話を聞いてみます」
「なんだろうね、シント?」
「さあ……?」
よく意味はわかりませんが僕たちと相談したいというのであれば行くのが役目でしょう。
いまでは出番がなくなったので訓練の時に身につけるだけですが、〝王都〟と戦っていたときは助けられていましたから、そのご恩は返さねば。
そうしてやってきたマインとドワーフの鉱山では相変わらず鉱石や宝石掘りと鍛冶や宝飾品作りが活発に行われていました。
……やってきたのはいいのですがドワーフのまとめ役ってどなたでしょう?
『ん? 契約者と守護者か。今日はなんのようじゃ? なにかほしい装備やアクセサリーができたか?』
「ああ、マイン。そうではなく、ドワーフのまとめ役という方と話をしにきました」
「はい。メイヤ様から頼まれて」
『ああ、あいつか。平和になったもんだから我慢できなくなっちまったんだな。ちょっと待ってろ、すぐに呼んでくる』
「ありがとうございます、マイン」
マインが坑道の奥に消えていき、戻ってきたときにはひとりの男性ドワーフを連れてきていました。
この方がドワーフたちのまとめ役?
『待たせたな。こいつが今回メイヤ様に話を持っていった連中の代表、ベニャトだ』
「初めましてだな。契約者様、守護者様。ベニャトと申します」
「初めまして。シントといいます。あと、丁寧な言葉遣いでなくても大丈夫ですよ? 僕の言葉遣いは習い性のようなもので染みついてしまったものですから」
「私はリンよ。私も丁寧な言葉遣いなんて気にしないから自由に話して。今回の用件はなんなのかしら?」
「では、砕けた話し方をさせてもらうぜ。今回の用件なんだが、神樹の里に畑を作っても構わないか? 世話は俺たちで行う」
神樹の里で畑作り?
僕とリンも去年話したような気がしますがなんのために?
「ええと、食事に不満でもありますか? ドワーフたちにもメイヤの実が支給されているはずですが……」
「ああ、いや。食事に不満はない。神樹様のお恵みも毎日美味しく頂いている。それとは別に畑を作りたいんだ」
食事に不満はないのに畑作り?
それも鉱石や宝石掘りと鍛冶やアクセサリー作りが生きがいのようなドワーフたちが?
まったく話が繋がらないのですが……。
「ねえ、どうして畑を作りたいの? 土地はたくさん余っているから問題ないけれど、ドワーフって畑を耕して作物を育てる種族っていうイメージがないんだけど……」
「まあ、そうんなだが……」
『はっきりしろ、ベニャト。目的を明確に告げないと話が進まんぞ』
「……それもそうでございますな、ノーム様。その……酒がほしいんだ。その原料として作物を育てたいんだよ」
「お酒の原料のための作物?」
「そうなる。聖霊様に酒の素材になるような実が作れないか伺っんだが、無理だといわれてしまってよ。それならば作物を作り育てるしかないと言う結論にいたったんだ」
「いや、いたったんだって……お酒造りの知識はあるの? あと設備とか。私も知らないけどお酒を造るのだって簡単なことじゃないんでしょう?」
「酒造りの知識はある。外界で平和に暮らしていた頃は人間と取引し酒も買っていたし、原材料も買って自分たちでも作っていた。設備さえ作れば魔法のアクセサリーを作るのと同じ要領で数日待てば酒にできるんだよ」
……そんなこともできたのですね、ドワーフたちって。
でも、ここで一番の問題があるのですが。
「作物を育てるにも種などが必要ですよね? それらはどうするつもりだったのですか?」
「そこでおふたりの力を借りたかったんだ。別の国にまで出かけていって儂らの作ったアクセサリーを売り、その金を元手に種や苗を買う。そうすればあとは畑を作るだけなんだよなぁ」
……僕たちの力を借りる前提とはいえ計画は立てていたんですね。
そこまでしてお酒を飲みたいのでしょうか?
「アクセサリーを売ったお金でお酒を買っちゃだめなの?」
「それではすぐに飲み干しちまう。継続的に酒を飲むためにも種や苗を買うんだ」
「……そんなにお酒が飲みたいんだ」
「ドワーフにとって酒は命の水だからな!」
「ええと、マイン様?」
『あながち間違いでもない。この里が平和になったことで欲求がたまったということじゃ。あとはお前たちの判断次第。どうする?』
「いや、どうすると言われましても……」
「ちょっと困っちゃうよね……」
「なんとかならねえか?」
「うーん。僕らが人里に出るのはあまりよくないことでしょうし、メイヤの判断次第ですね……」
「そうだね。メイヤ様と相談だね」
「そうなるよなぁ。色よい返事を待ってるぜ」
色よい返事ですか……。
今回ばかりはどうなるかわかりませんよ……。
この長い間に染みついてしまった僕のリンに対する甘え癖とリンの僕に対する甘やかし癖は治らず、今日もリンはご機嫌で朝食に向かいます。
途中で合流したディーヴァとミンストレルも先日の公演が成功したことでウキウキ笑顔ですし、女性3人は明るく僕ひとりが沈んだ表情を浮かべていました。
そして、そのままメイヤの待つ神樹の元へとたどり着いてしまいます。
『おはよう、4人とも。シント以外は元気そうね。シント、なにかあったの?』
「音楽堂を建築していた間に染みついてしまったリンへの甘え癖が抜けません……」
「えー、いいじゃない。私はシントが甘えてくれて嬉しいよ?」
『だそうよ? 私としても契約者と守護者のふたりが仲良く過ごしているのは都合がいいわ。そのまま甘え続けなさいな。リンも甘えられるのは嫌じゃないのでしょう?』
「もちろんです、メイヤ様。毎日甘えてくれてとっても嬉しいです」
『じゃあ、シントが我慢なさい。あなただってリンに甘えられて嬉しいでしょう?』
「嬉しいことは嬉しいのですが……成人したというのにいつまでも甘えたままというのは恥ずかしいです」
『あなただって、今年で14歳だもの。……そう言えばリンの歳って何歳?』
「わかりません。物心ついたときにはすでに檻の中にいました。わかるのは神樹の里までたどり着くまで5年かかったくらいですね。季節の移り変わりだけは数えていましたから。……その、食べられるものを探すために」
「リンの年齢なら私が知っています。今年で16歳ですよ。シントとはそんなに離れていません」
「そうなの? ディーヴァ」
「はい。あなたのことは生まれたときから知っていますので。ちなみにミンストレルは今年で7歳です」
『そうなのね。ディーヴァは相応に長く生きているのだろうけれど、それ以外はみんな若いわ。とりあえずシントとリンはそのまま仲良くなりなさい。悪いことなんてひとつもないのだから』
「……そうします」
「はい!」
今日もメイヤの美味しい木の実を食べたあと、午前中は訓練へ……向かおうとしたのですがメイヤに引き留められました。
なにかあったのでしょうか?
『シント、リン。あなた方ふたりはドワーフの鉱山に行ってもらいたいの。そこでドワーフのまとめ役と話をしてきて頂戴』
「ドワーフのまとめ役ですか?」
「メイヤ様、ドワーフたちの間で何かトラブルでも?」
『ドワーフたちの間でトラブルがあったわけじゃないのだけれど……〝王都〟の問題も片付いて肥沃な土地に住めるようになったことで種族としての我慢ができなくなり始めているというか……』
「種族としての我慢?」
『まあ、話を聞いてきて。その上で可否を判断してきて上げて頂戴。神域の契約者と守護者の判断なら従うでしょうから』
「とりあえず、わかりました。話を聞いてみます」
「なんだろうね、シント?」
「さあ……?」
よく意味はわかりませんが僕たちと相談したいというのであれば行くのが役目でしょう。
いまでは出番がなくなったので訓練の時に身につけるだけですが、〝王都〟と戦っていたときは助けられていましたから、そのご恩は返さねば。
そうしてやってきたマインとドワーフの鉱山では相変わらず鉱石や宝石掘りと鍛冶や宝飾品作りが活発に行われていました。
……やってきたのはいいのですがドワーフのまとめ役ってどなたでしょう?
『ん? 契約者と守護者か。今日はなんのようじゃ? なにかほしい装備やアクセサリーができたか?』
「ああ、マイン。そうではなく、ドワーフのまとめ役という方と話をしにきました」
「はい。メイヤ様から頼まれて」
『ああ、あいつか。平和になったもんだから我慢できなくなっちまったんだな。ちょっと待ってろ、すぐに呼んでくる』
「ありがとうございます、マイン」
マインが坑道の奥に消えていき、戻ってきたときにはひとりの男性ドワーフを連れてきていました。
この方がドワーフたちのまとめ役?
『待たせたな。こいつが今回メイヤ様に話を持っていった連中の代表、ベニャトだ』
「初めましてだな。契約者様、守護者様。ベニャトと申します」
「初めまして。シントといいます。あと、丁寧な言葉遣いでなくても大丈夫ですよ? 僕の言葉遣いは習い性のようなもので染みついてしまったものですから」
「私はリンよ。私も丁寧な言葉遣いなんて気にしないから自由に話して。今回の用件はなんなのかしら?」
「では、砕けた話し方をさせてもらうぜ。今回の用件なんだが、神樹の里に畑を作っても構わないか? 世話は俺たちで行う」
神樹の里で畑作り?
僕とリンも去年話したような気がしますがなんのために?
「ええと、食事に不満でもありますか? ドワーフたちにもメイヤの実が支給されているはずですが……」
「ああ、いや。食事に不満はない。神樹様のお恵みも毎日美味しく頂いている。それとは別に畑を作りたいんだ」
食事に不満はないのに畑作り?
それも鉱石や宝石掘りと鍛冶やアクセサリー作りが生きがいのようなドワーフたちが?
まったく話が繋がらないのですが……。
「ねえ、どうして畑を作りたいの? 土地はたくさん余っているから問題ないけれど、ドワーフって畑を耕して作物を育てる種族っていうイメージがないんだけど……」
「まあ、そうんなだが……」
『はっきりしろ、ベニャト。目的を明確に告げないと話が進まんぞ』
「……それもそうでございますな、ノーム様。その……酒がほしいんだ。その原料として作物を育てたいんだよ」
「お酒の原料のための作物?」
「そうなる。聖霊様に酒の素材になるような実が作れないか伺っんだが、無理だといわれてしまってよ。それならば作物を作り育てるしかないと言う結論にいたったんだ」
「いや、いたったんだって……お酒造りの知識はあるの? あと設備とか。私も知らないけどお酒を造るのだって簡単なことじゃないんでしょう?」
「酒造りの知識はある。外界で平和に暮らしていた頃は人間と取引し酒も買っていたし、原材料も買って自分たちでも作っていた。設備さえ作れば魔法のアクセサリーを作るのと同じ要領で数日待てば酒にできるんだよ」
……そんなこともできたのですね、ドワーフたちって。
でも、ここで一番の問題があるのですが。
「作物を育てるにも種などが必要ですよね? それらはどうするつもりだったのですか?」
「そこでおふたりの力を借りたかったんだ。別の国にまで出かけていって儂らの作ったアクセサリーを売り、その金を元手に種や苗を買う。そうすればあとは畑を作るだけなんだよなぁ」
……僕たちの力を借りる前提とはいえ計画は立てていたんですね。
そこまでしてお酒を飲みたいのでしょうか?
「アクセサリーを売ったお金でお酒を買っちゃだめなの?」
「それではすぐに飲み干しちまう。継続的に酒を飲むためにも種や苗を買うんだ」
「……そんなにお酒が飲みたいんだ」
「ドワーフにとって酒は命の水だからな!」
「ええと、マイン様?」
『あながち間違いでもない。この里が平和になったことで欲求がたまったということじゃ。あとはお前たちの判断次第。どうする?』
「いや、どうすると言われましても……」
「ちょっと困っちゃうよね……」
「なんとかならねえか?」
「うーん。僕らが人里に出るのはあまりよくないことでしょうし、メイヤの判断次第ですね……」
「そうだね。メイヤ様と相談だね」
「そうなるよなぁ。色よい返事を待ってるぜ」
色よい返事ですか……。
今回ばかりはどうなるかわかりませんよ……。
10
お気に入りに追加
2,211
あなたにおすすめの小説
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結24万pt感謝】子息の廃嫡? そんなことは家でやれ! 国には関係ないぞ!
宇水涼麻
ファンタジー
貴族達が会する場で、四人の青年が高らかに婚約解消を宣った。
そこに国王陛下が登場し、有無を言わさずそれを認めた。
慌てて否定した青年たちの親に、国王陛下は騒ぎを起こした責任として罰金を課した。その金額があまりに高額で、親たちは青年たちの廃嫡することで免れようとする。
貴族家として、これまで後継者として育ててきた者を廃嫡するのは大変な決断である。
しかし、国王陛下はそれを意味なしと袖にした。それは今回の集会に理由がある。
〰️ 〰️ 〰️
中世ヨーロッパ風の婚約破棄物語です。
完結しました。いつもありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる