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10話 特訓
しおりを挟むあれ? 俺何でここに。
目が覚めると俺は医務室のベットに居た。
「ダイス? 目が覚めた?」
「うん。俺なにしてたんだっけ」
「試験に向けて特訓だ!って言って私の身体強化を受けたらバランスが取れなくなって頭を打ったんだよ」
「あぁ。そうだ。特訓しないと」
起きあがろうとするダイスをカナはすぐに止めた。
「ダメだよ! まだ先生から許可もらってないから」
「でも時間がないんだぞ!」
「でも休憩も大切だよ。練習で取り返しのつかない事になっちゃったら元も子も無くなっちゃうんだよ」
「わかった。今日は休もう」
「うん!」
そして俺は、なにが原因でバランスが取れなくなったのかをカナに聞いてみた。
「多分だけど、初めてで体が慣れてなかったから感覚が分からなくて転んだんだと思うよ」
「でも、馬車の時の馬は特に問題なかったよ?」
「それは多分四足歩行でバランスが取りやすいからかな」
「なるほど」
「人間は二足歩行だから横のバランスは取れても、前後のバランスが取れなかったから頭から転んじゃったんじゃないかな」
「そうゆうことだったのか」
俺には課題がたくさんある。身体強化の体になれなければいけないし、剣術も覚えなければいけない。早く体調を治して、練習を再開しなければいけない。
翌日……
「カナ! 頼む!」
「うん!」
俺は壁を使いながら身体強化した体に慣れる練習をしていた。身体強化を受けた時の感覚は、いきなり竹馬に乗ったような感覚で、気を抜くとすぐにバランスが崩れてしまう。
これだけでも大変なのに、さらにこの状態で剣術を使えるようにならないと意味がない。
やってみて分かったが、1ヶ月で習得するようなものじゃないが、これを乗り越えてこそ大学院生になれるんだ。
俺は自分の心が折れそうになっても、自分に応援や慰めの言葉を言い聞かせた。
3日後……
「よっしゃ! 立てたぞ!」
「すごい! おめでとう!」
「次は腕も頼む!」
「わかった!」
腕の身体強化を受けた。
「腕は思ったよりも、変わらないな」
「それなら早速、刀持ってみる?」
「そうだな」
剣術は全て我流で習得する予定だ。というより教えてもらえる人がいないので我流でしか習得が出来ない。
正直、身体強化した体で振った刀に切れないものはないだろう。刃こぼれなどの刀の消耗などは早くなるかもしれないが、とりあえずは転入試験までに剣術が使えれば良いので気にしない事にした。
……転入試験まで残り3週間……
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