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4話 初めての任務
しおりを挟む今回受けた任務は、この王都から3キロほど東に向かったところにある草原でマテ草を一定数納品するというものだった。
マテ草は味付け調味料として王都では必要とされている。マテ草から発されてる香りは魔物よけとも言われていて、採取がとてもしやすい。
その分もらえるポイントは少ないが受けやすい任務となっている。
なので俺たちみたいな組み立てのパーティーにはもってこいな任務である。だが油断しているわけではない。2人で少しでも連携を取れるように、当日の朝俺とカナは話していた。
「カナはどうして大学院に行きたいの?」
「私は家系がみんな大学院卒業だから親に大学院を卒業しなさいって言われてるんだ。」
カナの話によると、家系全員が医者な為小さい頃から医者になるように躾けてこられたようだ。
だがカナは治癒魔法が使えず、後継ぎを妹に取られてしまいそうな状態になって焦って任務を受ける事にしたとのことだった。
なるほど。大変な人なんだなと思った俺は、カナのためにも必ず4万ポイントまで貯めて2人で大学院に入ると心に誓った。
「ダイスはみんなのレベルが低いから大学院に行きたいんでしょ?」
「わかるの?」
「だって《全再生》って医者1000人分の実力がある治癒魔法だよ?私と組んでもらうのは勿体無いくらいだよ。」
「そうかな。でも俺もし魔物が出ても治癒魔法しか使えないから戦えないけどね。」
俺は自分の弱点をカナに話した。
「大丈夫。私が攻撃するから。それにこの任務は魔物が出づらいって書いてあったし。」
カナの攻撃魔法は充分優秀だと俺は見込んでいる。
俺とカナはそれぞれ攻撃魔法と治癒魔法を持っていて初対面でパーティーを組んだ。
これは運命なのではないだろうか。
「結構話したことだしそろそろ出発しようか。」
「そうだね。とりあえずはやってみないとだね。」
「うん。あと草原にはマテ草が生えているから魔物は来ないかもしれないが、道中は魔物が出る可能性がある。充分気をつけながらいこう。」
「わかった!」
俺とカナは、マテ草の生えている草原へと向かった。
1キロほど歩いたところで俺は何か走っているものの魔力を感じた。
「カナ! 後ろだ!」
そこに現れたのは、猫の魔物だった。どうやら威嚇をしているようではないらしい。
「ビックリした。可愛いこの猫。」
「一応魔物だから気をつけて。」
「うん。この子は逃がしてあげようよ。」
「そうだね。攻撃的ではないしね。」
猫の魔物に別れを告げ、無事1時間ほどで草原へと到着した。後はマテ草を採取して持ち替えれば任務完了になる。
「思ったより近かったし、あまり危ないこともなくて良かった。」
「そうだけど、まだ帰りがあるから気を緩めてはダメだよ。」
その後も順調ににマテ草採取することができ、束にまとめて王都に向かい始めた。
2人で採取したマテ草を納品し無事安全に王都に戻ることができ、
そして報酬の10ポイントを獲得した。
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