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本編

医務室の先生

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「衛生へ~い(兵)!」「あ、頭が~っ。」「先生~負傷兵ですっ。」「お邪魔します。軍医殿。」

つい、調子に乗ってしまい医務室に入るときに4人でそう言ってた。すぐに、影響、受けすぎだろう。オレサマたち。いや、俺達。俺はム○カか?

「どうしました?」

 ん、この先生、不思議な格好だな?白衣じゃなくて黒衣だ。中のシャツは白いけど?詰め襟で書生さんみたいでもある。下がこれ吊り上げズボン? 

特注の白い学ランなんかは、実際には、見たことないけどそれみたいにレアな服装だ。

「すみません。ちょっと、おもいっきり机に頭を打って、このできたたんこぶを冷やしたいんです。」

「俺(私)たちは、付き添いです。」

「そうですか。ちょっと、見せて…。」

手でこいこいとジェスチャーされたので、寄っていった。

うわぁー、またしても、タイプはだいぶ違うけど綺麗な先生。
男だけど。ちょっと、狐っぽい顔だなぁ。
でも、優しそうな先生で良かった。

普通は、騒いだら、怒られたりするだろ。

もしくは、具合が本当に悪いのに、ズル休みか、ただの夜更かしで寝たいだけだと決めつけられたりな。

「あぁ、本当におでこに見事なたんこぶが出来てますね…。いま、冷やすものを持ってきますね?」

まず、濡らして軽く絞ったタオルで冷やしてくれたあと、丸っこい感じの何かを渡してくれた。冷却用のゼリータイプのが入ったものらしい。

 「湿布も出しますね。引っ込んだあとで今度はアザになると思うので2~3日ほどこれで様子をみたらまたここに経過を見せに来てください。まぁ、冗談をいえるほど意識がはっきりしてるなら。まず、大丈夫でしょう。」

「同室かな?付き添いの人は、万一、容態が急変したら、連絡してください。車を出します。当直室か、寮内の教員棟に居住してますのでそちらへ。」

「はい、かしこまりました。」ヤマトが答えた。

「ありがとうございました。」

「お大事に。あ、名簿に名前と症状と怪我の原因をこの用紙に記入してから帰ってね。お友だちの同行者の名前も代表して一人分だけ署名よろしくね。もう少し休んでいってもいいよ?」

俺は、手が冷やすために塞がってたし休むように言われたから長椅子に腰掛けて書いて、途中、ヤマトに渡した。
ヤマトが、部屋番号と一緒に名前も書いて先生に渡した。


「えっと、ざ、いや、ごめん。さこた ようた君だね」

思わず、ザコタと呼びたくなりますよね…。でも、この先生の場合は、悪口というよりは、○まさきをは○ざきと、言いたくなるのに近いのかもな?

「もう、ザコタでもかまいませんよ…。慣れてますからね。」

「いや、いや、そんなことをしたら、あまり可愛くない私の甥っこに軽蔑されてしまう。」

「可愛いの間違いじゃ?」

「いや、これも失言だったな。生徒会の副会長は、私の姉の息子なんでね。私の名前は、篠田 なずなというんだ。だから、気軽にペンギン先生と呼ばれたいのに、彼は頭が少しだけ固いからね。特にペンペン草先生とか死に神先生と私が呼ばれたら、ものすごく怒りだすんだよ。」

「ペンギン先生ですか、俺なら稲荷先生とか晴明先生って呼びたくなりますね。」

篠田→信太→キツネの子といわれた安倍晴明だな。

「あぁ、そういう感じのアダ名なら、あの子も怒らないかもね。陰陽師なら、格好いいですよね。」

「グレ○ム先生も良いと思います!」

ネタ元がわからないな?なんで?外国人風?

「君、ずいぶんと古い少女漫画を知っていますね?姉に、借りて読んでなかったらわからなかったよ。」

「母が、その時代の漫画が、大好きなんです。このザコター伯爵さまは、ちょっとだけ、その漫画にでるア○ジーに似てると思うんですよね。たまにですがね。まぁ、あのキャラは別にドジっこでもないですけど。」

「天使って意味だね。良いんじゃないかな?よく似合ってるよ。ザコタくんよりもそのほうが。」

て、照れるな。天使っていうのは兄貴しかいままで、言わなかったのにな…。

そして、やわらかい氷のう?みたいのを返して、医務室をあとにしたのだった。










この時代は、まだ冷○ピタみたいな便利なものがなかったんですよね。湿布に関しても規制がゆるいのかもしれません。民間療法ならば、私の家では、軽い火傷や打ち身を冷やすためにはじゃが芋をすりおろしたのをのせられたりしました。おばぁちゃんの知恵袋です。
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