アーマード

高宮リク

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1章

第8話 【日】

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-----------------【レイ】----------------

俺とゼロは木の剣を選び広場で待機をしていると、スーツを身につけた青年が直利不動立ちで地面から飛び出してきた。
「やぁ、君たちが「模擬戦」希望者のレイ君とゼロ君だねっ!私の名前は『エリック・ノアード』だ、君たちの模擬戦の相手だ。以後よろしくっ!☆」
「「・・・・・・・・」」
「おやおや、僕の華麗な姿に見とれてしまったかな?いや、無理もないなんといっても私は、、美しいからだ!」
俺とゼロは「なんこのナルシストは、、」と怪しい人を見つめる目で見ていた。
「あ、あの、、」
「あぁ言わなくていいよ。言いたいことは分かるからね!模擬戦についてだろぅ?ルールは簡単だ!相手が戦闘不能になるか「参った」と降参するまで続ける。君たちの場合、僕を降参させるか戦闘不能にすればいいよ。あぁ、ちなみに僕は君たちをできるだけ怪我をさせないように戦うけど、君たちは殺す気でかかってきてね☆体術、魔法、魔道具なんでも使っていいからね☆」
どうやら随分自分の腕に自信があるようだった。そしてなにより会話が一方的過ぎて会話が成立しない、、
「さて!話はここら辺にしておいてそろそろ試験を始めようか!といっても僕が一方的に喋ってるんだけどねっ!そうだな~うーん」
エリックさんは何か考えているようだった。どちらから始めるかとか決めてるんだろうか?
「よしっ!決めた!二人共同時に相手をしてあげるよ!」
「「っ!」」
その言葉を聞いた時、俺達は完全に舐められていることに気づいた。
「いくらなんでも、俺達を舐めすぎなんじゃないですか?これでもそこそこ鍛えてる自身があるんですけど」
俺は少しイラつきながらそう答えると、エリックさんは笑いながら答えた。
「何をいってるんだい。君たち二人と僕じゃ力の差が大きすぎるってだけさ。さぁ、いつでも攻撃をしてもいいですよ!もう試合は始まっているのだからっ!」
ここまで言われて黙っているわけにはいかない。お言葉に甘えさせてもらって全力で行かせてもらうとしよう。俺とゼロはアイコンタクトを取り、俺とゼロは左右に分かれ歩き出した。エリックさんとの距離が7mほどになった瞬間に俺達は一気に距離を詰め左右から同時に木の剣を全力で振るった。
しかし、エリックさんは俺達の剣を指で詰まんで止めていた。
「「なっ!?」」
「良いコンビネーションですね。剣の重さも身体能力も素晴らしいっ!ですが、、遅いですね」
次の瞬間俺達の剣はエリックさんによって砕かれた。いくら木の剣といってもあんなに軽々と砕けるわけがない。
「あぁ、すいません。少し力を入れすぎてしまいました」
ゼロは一度距離を取ろうと、後ろに4mほど飛んだが気が付くとエリックさんはゼロの背後に回り、蹴りを入れていた。あまりに一瞬の出来事でゼロはガードが間に合わず蹴りで吹き飛ばされていた。
「ぐっ!」
「おや?意外と飛びましたね。」
ゼロの相手をしているうちに俺はエリックさんの背後に回り込み連続で打撃を放った。しかし、全て軽く体を捻ったりして躱されてしまった。
「くそっ!攻撃があたらない!」
「身体能力は素晴らしいですが、攻撃が単調なので読みやすいですよ」
次に俺は先ほどより距離を縮め攻撃し、スキを与えなかった。その瞬間ゼロの魔法が上空からエリックを襲った。俺はゼロが蹴り飛ばされながら放った魔法が来ていることが分かっていたでそのことを悟られないように足止めをしていた。着弾する直前で俺はギリギリで避けたのでダメージはない。
砂煙が晴れるとそこには無傷で"魔法を掴んで”立っているエリックさんの姿があった。
「嘘だろ、、魔法を掴んでやがる、、」
思わず俺は言葉を漏らした。あの連携攻撃に反応するだけでなく、魔法を爆発させず掴んでいるなんて、、
「いやぁ~凄い連携力ですね!時間差攻撃ですか、今回は少し驚きましたよ。魔法を使ったのは蹴り飛ばした時ですかね?あの状態からよく僕にバレず魔法を撃てましたね。」
エリックさんは少し考え頷いた後ゼロの方向を向き、
「ゼロ君、君は合格です。もう退場していいですよ」
そういうと掴んでいた魔法を俺の足元に投げてきた。爆発の衝撃で砂煙が立ち視界が遮られた。急いで砂煙から出ると地面にゼロが横たわっていた。
「ゼロ!」
「あぁ心配しないでください、気絶しているだけですよ。正直ね、僕は楽しみにしていたんですよ?18歳であれだけのステータスを持つ君たちに期待していたんですが、、少し残念です。これじゃ、二人とも宝の持ち腐れですね」
「なんだと、、?」
「君もゼロ君も素晴らしい判断能力を持っていますが、、才能を遊ばせているだけで、自分が保持する能力を生かし切れてないですね。かろうじてゼロ君はあれで合格にしましたが、、、君は何を見せてくれますか?あ、何を使ってくれても構いませんよ?どうせ何もできないですしね」
俺はここまで言われて黙っているわけにはいかないと思い、俺はアーマードを取り出した。
「おや?あまり見ない魔道具ですね。その感じは、、ようやく本気になったようですね」
『アームドデバイス』を腕につけ『ラーズド・アーマー』と赤いクリスタルを入れた。
「『アーマード ON』」
そして俺は【ラーズド・アーマー】を身に纏った。
「っ!?武具収納術!?いや、それよりももっと高度な物ですね。」
何か聞きなれない言葉があったが今はエリックさんを倒すことだけを考えろ。
俺は全力で正面に飛びエリックさんに打撃を放った。避けられることを覚悟して放ったが、エリックさんは避けずに腕を組んでガードしていた。いや、”避けられなかった”。
しかし、俺の打撃が命中する瞬間に後ろに飛び威力を殺していた様だった。
「結局これに頼ることになったか、、」
そう、俺は出来るだけ道具に頼らずに自分の力だけで戦いたかったのだ。
「これは、、ただの魔道具ではないですね、、使用者が恐ろしい程強化されている、、」
エリックさんからは、今まで見せていた余裕の笑みが少し消えていた。
「これは、、いつまでも遊んでいる場合じゃないですね。特別に少しだけ、僕の力を見せてあげますよ」
そういうとエリックさんは人差し指を立てた。そうすると、人差し指の先には緑色のオーラのようなものが集まり、次第に大きくなるとそこから風の弾のようなものが俺目掛けて飛んできた。
しかし、俺はその風の弾を避け再びエリックさんに接近し近接戦を仕掛けた。アーマードを装着していなかった時とは違い、俺の拳を横から叩いたりして攻撃を受け流していた。
「うーん、この距離は、、少し不味いですねっ」
エリックさんの反撃の蹴りが飛んできたがガードして受け止めた。気が付くとエリックさんは後ろに飛んで距離を取っていた。
「これ、使うと大体の人怪我しちゃうからあまり、使いたくないんですが、、もう少しあなたの力が見たいので使わせていたただきますよ」
そういうとエリックさんは、右手に魔力を集め始めていた。集め終わると、右手には先ほどとはケタ違いの魔力が集まっていた。
「期待、、してますよ?」
こちらに手を向けると大きな赤色の風の塊が飛んできた。
その瞬間、俺はデバイスから【ラーズド・アーマー】を抜き、別のアーマードを刺した。

-------------------------------------
風の塊はレイに直撃するととてつもない爆風を起こし大量の砂煙があがった。
「しまった!あまりにも楽しくて力を入れすぎてしま、、」
エリックが「やらかした」という顔をしていた。砂煙が晴れるとそこには居たのは、アーマードを入れ替え【ガーディエント・アーマー】という青い鎧を身につけたレイが無傷で立っていた。
【ラーズド・アーマー】とは違ってアーマードは青くなり、鎧も少しゴツくなっていた。
その姿をエリックが見ると驚きと嬉しさが混じったような顔をしていた。
「ハハハ、、ハハハハハハハ!!素晴らしいっ!まさかあの攻撃をまともに受けて無傷だなんてっ!最高ですよ!」
そういうとエリックは近接戦は苦手と言っておきながら、魔法を撃ち続けてながらレイとの距離を詰めていた。
レイは避けずにその攻撃を正面からガードして受け止めていた。
「おや?先ほどのように避けないんですか?『トランス』っ!」
リックが『トランス』と唱えるとエリックの体が一瞬光り身体能力が向上していた。
『トランス』は、使用者の身体能力を上げる魔法だ。
エリックはレイとの距離が3mほどまで縮まると魔法を撃つのをやめ近接の殴り合いを始めた。レイとエリックは互いに攻撃とガードを繰り返し殴り合っていた 。
「おや?攻撃がすこし重くなって少しスピードが遅くなりましたか?見た目が変わったことと関係があるんですか?」
そう、レイが換装した青い鎧【ガーディエント・アーマー】はスピードは【ラーズド・アーマー】に劣るが、攻撃力と防御力は【ラーズド・アーマー】よりも高い、攻撃と防御特化のアーマードだ。
「こんなに楽しいのは久しぶりですよっ!」
エリックは模擬戦ということを完全に忘れて戦いを楽しんでいた。
エリックは両手に魔力を貯め急に接近しレイに-魔法をゼロ距離で撃ってきた。レイはその攻撃を受けると後ろに吹き飛ばされた。
はずだった、
「おや!?これは、、、」
レイが魔法を受けた部分には透明なガラスのような物体である【ガーディエント・アーマー】の保有能力の『タクティカル・シールド』が展開されていた。
「あっぶねっ!『シールド』の展開が遅れてたらヤバかった、、おいあんた殺す気かよ!」
「あの距離からの攻撃に反応するだけでなく、まさか防がれるとは、、あぁ、、、どこまであ遊べるのか、気になってきましたよ!!」
そう言いエリックが指を鳴らすと頭上には、先ほど使った赤い風の塊が無数に生まれていた。
「おいおい、、、模擬戦じゃなかったのかよ、、」
「すいませんね、、もう楽しくて、楽しくて!」
レイはクリスタルの抜き刺しを4回行うと、レイの正面には炎を纏った『シールド』が4枚展開されていた。
「壊れないでくださいね?」
エリックが魔法を放とうとした瞬間。
「いい加減に『止めなさいーーー!!』」
ノエルがその言葉を口にするとエリックの魔法とレイのアーマードとシールドが霧散した。
そしてノエルはエリックに近づき説教をしていた。
「もうっ!何してるんですか!試験者を殺す気ですか!?」
「やだなぁ~冗談ですよ。本当は途中でやめる予定でしたよ」
「本当ですか?」
「あ!急に用事を思い出しました!急がないと!じゃっ!」
ノエルがエリックを疑いの目で見ていると、エリックは気まずくなったのか何処かに走って行った。レイはアーマードを解除するとその場に腰を座り込んだ。
「あ~、死ぬかと思った、、」
「すいませんね、彼悪い人じゃないんですけど戦いになると止まらないんですよ」
何故そんな人を試験官にしたのか、とレイは疑問に思っていたがどうやら今試験官はエリック以外出払っていて彼しかいなかったらしい。
「お疲れさんっ!ったく、お前だけ良い見せ場貰いやがって、、」
「あの、、レイ凄かったよ!」
ゼロは途中で目を覚ましてレイとエリックの戦いを観戦していた。そして、サナの試験も終わったようでゼロと同じ様にレイとエリックの戦いを観戦していた。
「では、レイさん、ゼロさんこれで試験は終わりです。お疲れさまでした」
「あ、あの、、俺は合格なんでしょうか?ゼロは合格って言われてましたけど、俺言われてなくて、、」
レイがそう聞くとノエルは少しクスッと笑い答えた。
「文句なしの合格ですよ。あれエリック相手にあれだけ戦えれば十分すぎる程ですよ」
その言葉を聞いてレイはホッとしていた。しかしレイ達は一つ疑問が生まれていた。
「あの、他の試験管の人もエリックさんくらい強いんですか?」
「あ、いえ彼は特別ですよ。他の職員は普通の人たちです。あんなエリックのはうちのギルドでは6人ほどしかいませんよ。さっ、ギルドに戻りましょうか」
レイ達はその言葉を聞いて「にはあんなのがまだ6人もいるのか、、」という顔をしながらギルドの受付まで歩いて戻っていた。
「なぁ、サナも合格したんだろ?どんな魔法を見せたんだ?」
「えっとね、、使える魔法を一通り見せてって言われたんだけど、1つ目で合格って言われて、、」
「え?1つ目で、、?」
1発目で即合格を貰うって、一体どんな魔法を使ったのか気になっていたのだが、その時ノエルさんに呼ばれた。受付に行くとカードのようなものが3つ用意されていた。
「はい、大変長らくお待たせいたしました。こちらが皆さんの『冒険者カード』になります。」
レイ達は順番に自分のカードを渡され説明を受けた。

【冒険者カード】
冒険者には、F~Sランクまでランク付けされており、そのランクによって受けられる依頼などが決まっており、ランクが低いうちは簡単で安全な依頼などしか受けることができないが、ランクが上がれば上がるにつれて受けれる依頼の種類などが増える。
ランクは依頼をこなしていくと上がっていき、Bから上のA、Sランクはギルドから直接認定されないと上がらない仕組みになっている。
そして冒険者カードにはリアルタイムで自分のステータスが表示されたり、個人情報なども記載されているため町などに入る時、身分証明書などとしても使用することができる。

ちなみに現在のレイ達三人のランクはFの一番下からのスタートだ。
「では、皆さん良い冒険者ライフを」
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