4 / 7
悔しい ラウラSide
しおりを挟む
時は昨晩までさかのぼる。
シャーリーが倒れた瞬間だった。
後ろに居た長身の男性がシャーリーをお姫様抱っこしたのだ。
ラウラはその人物を見て驚いた。
「ロ……ロビン王太子殿下」
艶のある黒髪に、黒曜石のような瞳。
整った顔立ちに服の上からでも分かる屈強な体つき。
どこを取ってもジェイクよりも上の人物だった。
ロビンが叫ぶ。
「この者を居室まで運ぶ!誰か道案内してくれ!」
すると慌てた様子でロイ子爵が出ていく。
「それは私めが」
「頼む」
会場の視線はラウラからシャーリーに完全に移った。
そして、ロビン王太子殿下が会場を後にすると会場はまたもざわつく。
「ロビン王太子殿下が」
「シャーリー子爵令嬢何かに」
「羨ましい」
「私もお姫様抱っこされた~い」
「ちょっと何なのあの子」
悲喜こもごもと言った感じである。
これでは主役はシャーリーに渡ったと言っても過言ではない。
「ちょっとちょっと皆様!今夜は私とジェイク子爵令息の婚約発表ですよ!」
ラウラが叫ぶ。
しかし、会場の注目はラウラではなく、シャーリーとロビンだった。
会場はざわついている。
「ロビン王太子殿下は女好き」
「きっと今日だけの事よ」
「ロビン王太子殿下が本気になる訳がないわ」
「そうよ」
「そうよ」
会場の反応を受けてラウラが顔を真っ赤にして怒る。
「何だって言うの?!お姉様がロビン王太子殿下とだなんて」
これに頭を抱えたのがジェイクだった。
「ラウラ、お腹の子に障るから怒りをどうか静めて」
そう言うとジェイクはラウラのお腹に手を当てた。
ラウラはジェイクの手を払いのけた。
バチンッ!
「ちょっと辞めて」
「え……」
青天の霹靂の如く、ジェイクが固まる。
「私、ちょっと行ってくる」
のしのしとラウラが壇上を降りて行く。
「待って」
その言葉を聞きもせず、ラウラはシャーリーの居室へと向かった。
何なの?!一体!お姉様の分際で!
ラウラは怒りで胸が一杯になっていた。
有り得ないわ。ロビン王太子殿下がお姉様を抱えて居室にまで行くなんて。
のしのしとラウラが廊下を歩いていく。
ラウラは途中でロイ子爵に会った。
そう言えば、お父様はロビン王太子殿下の道案内をしていたはず、1人で戻ってくるという事は。
不思議な目をしてロイ子爵を見ているとロイ子爵が言う。
「シャーリーはロビン王太子殿下と2人きりにしておいた」
「何ですって?!」
それを聞いてちゃ黙ってられない。
一夜限りでも万が一という事がある。
現にジェイクとの子も一夜限りという約束の元で出来た子だった。
走ってシャーリーの居室へと向かう。
とうとうシャーリーの部屋までたどり着いた。
ノックをする。
コンコンッ
「お姉様、私よ。ラウラよ。どうか開けて下さいまし」
シーンとしている。
こうしちゃいられない。
シャーリーが起きていようがいまいが、おっぱじまるものがおっぱじまれば、ラウラの思惑とは外れたものになってしまう。
ドンドン!
「お姉様!開けてください!」
扉はシーンとしている。
最早居るのか居ないのかすら分からない。
ドアをガチャガチャと捻ってみる。
開かない。
つまりは2人は中に居るのだ。
ドンドン!
「お姉様開けてください!」
シーン。
すると後ろから声を掛けてくる人が居た。
「ラウラ!」
ジェイクだ。
「どうしたんだい?急に居なくなって」
ラウラは怒りの表情で振り返る。
「邪魔しないでくれる!!」
そして、ジェイクの胸を押した。
「ぐっ!」
「お姉様とロビン王太子殿下が中に居るの。
万が一の事があったら」
「万が一ってなんだよ……僕は君の体を心配して……」
「私は大丈夫よ」
「さっき吐いてたじゃないか」
「一回吐くくらいどうって事はないわ」
「さっきまでの弱々しいラウラはどこにいったんだ」
「さぁね。知らないわ。そんな事よりもこのドア蹴破れないかしら」
「はぁ?!」
「出来ないのならいいわ。どっか行って!早く!」
「どうしたんだい?ラウラ、いつものラウラらしくないじゃないか。
あのか弱くて守ってあげたくなるラウラはどこにいったんだ」
「これが本当の私よ!役に立たないならどっか行ってって言ってるでしょ!」
「ラウラ……」
「早くパーティー会場に戻って!」
「わか……分かったよ」
ジェイクはパーティー会場へと戻った。
この後、2時間半以上ラウラはこの場所に居座ったのだった。
シャーリーが倒れた瞬間だった。
後ろに居た長身の男性がシャーリーをお姫様抱っこしたのだ。
ラウラはその人物を見て驚いた。
「ロ……ロビン王太子殿下」
艶のある黒髪に、黒曜石のような瞳。
整った顔立ちに服の上からでも分かる屈強な体つき。
どこを取ってもジェイクよりも上の人物だった。
ロビンが叫ぶ。
「この者を居室まで運ぶ!誰か道案内してくれ!」
すると慌てた様子でロイ子爵が出ていく。
「それは私めが」
「頼む」
会場の視線はラウラからシャーリーに完全に移った。
そして、ロビン王太子殿下が会場を後にすると会場はまたもざわつく。
「ロビン王太子殿下が」
「シャーリー子爵令嬢何かに」
「羨ましい」
「私もお姫様抱っこされた~い」
「ちょっと何なのあの子」
悲喜こもごもと言った感じである。
これでは主役はシャーリーに渡ったと言っても過言ではない。
「ちょっとちょっと皆様!今夜は私とジェイク子爵令息の婚約発表ですよ!」
ラウラが叫ぶ。
しかし、会場の注目はラウラではなく、シャーリーとロビンだった。
会場はざわついている。
「ロビン王太子殿下は女好き」
「きっと今日だけの事よ」
「ロビン王太子殿下が本気になる訳がないわ」
「そうよ」
「そうよ」
会場の反応を受けてラウラが顔を真っ赤にして怒る。
「何だって言うの?!お姉様がロビン王太子殿下とだなんて」
これに頭を抱えたのがジェイクだった。
「ラウラ、お腹の子に障るから怒りをどうか静めて」
そう言うとジェイクはラウラのお腹に手を当てた。
ラウラはジェイクの手を払いのけた。
バチンッ!
「ちょっと辞めて」
「え……」
青天の霹靂の如く、ジェイクが固まる。
「私、ちょっと行ってくる」
のしのしとラウラが壇上を降りて行く。
「待って」
その言葉を聞きもせず、ラウラはシャーリーの居室へと向かった。
何なの?!一体!お姉様の分際で!
ラウラは怒りで胸が一杯になっていた。
有り得ないわ。ロビン王太子殿下がお姉様を抱えて居室にまで行くなんて。
のしのしとラウラが廊下を歩いていく。
ラウラは途中でロイ子爵に会った。
そう言えば、お父様はロビン王太子殿下の道案内をしていたはず、1人で戻ってくるという事は。
不思議な目をしてロイ子爵を見ているとロイ子爵が言う。
「シャーリーはロビン王太子殿下と2人きりにしておいた」
「何ですって?!」
それを聞いてちゃ黙ってられない。
一夜限りでも万が一という事がある。
現にジェイクとの子も一夜限りという約束の元で出来た子だった。
走ってシャーリーの居室へと向かう。
とうとうシャーリーの部屋までたどり着いた。
ノックをする。
コンコンッ
「お姉様、私よ。ラウラよ。どうか開けて下さいまし」
シーンとしている。
こうしちゃいられない。
シャーリーが起きていようがいまいが、おっぱじまるものがおっぱじまれば、ラウラの思惑とは外れたものになってしまう。
ドンドン!
「お姉様!開けてください!」
扉はシーンとしている。
最早居るのか居ないのかすら分からない。
ドアをガチャガチャと捻ってみる。
開かない。
つまりは2人は中に居るのだ。
ドンドン!
「お姉様開けてください!」
シーン。
すると後ろから声を掛けてくる人が居た。
「ラウラ!」
ジェイクだ。
「どうしたんだい?急に居なくなって」
ラウラは怒りの表情で振り返る。
「邪魔しないでくれる!!」
そして、ジェイクの胸を押した。
「ぐっ!」
「お姉様とロビン王太子殿下が中に居るの。
万が一の事があったら」
「万が一ってなんだよ……僕は君の体を心配して……」
「私は大丈夫よ」
「さっき吐いてたじゃないか」
「一回吐くくらいどうって事はないわ」
「さっきまでの弱々しいラウラはどこにいったんだ」
「さぁね。知らないわ。そんな事よりもこのドア蹴破れないかしら」
「はぁ?!」
「出来ないのならいいわ。どっか行って!早く!」
「どうしたんだい?ラウラ、いつものラウラらしくないじゃないか。
あのか弱くて守ってあげたくなるラウラはどこにいったんだ」
「これが本当の私よ!役に立たないならどっか行ってって言ってるでしょ!」
「ラウラ……」
「早くパーティー会場に戻って!」
「わか……分かったよ」
ジェイクはパーティー会場へと戻った。
この後、2時間半以上ラウラはこの場所に居座ったのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
212
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる