【完結】妹が子供2人置いて失踪した

帰郷

あれからと言うもの母から連絡は無かった。

俺は心配になり、今度の休みに実家に帰郷する事にした。

ーーー

土曜日、午後1時。

新幹線と電車で向かうと2時間半の距離だった。
俺は久しぶりの帰郷になんだか懐かしい気持ちになっていた。

最寄の駅から徒歩5分。

立地の良い場所に我が家はあった。

「ただいま～」

するとすぐに声がした。

「お久しぶりです。お義兄さん」

妹の旦那の洋介ようすけ君だった。

あらかじめ、今日、帰宅することは母に伝えてあったので知っていたようだ。

それにしても……

一時はゴミ屋敷状態だった我が家を綺麗に整頓してくれたのもこの洋介君のお陰だった。

「実咲はまだ見つからない？」

「ええ。実咲の行きそうな場所は全てあたってみたんですが見つからなくて」

「そうか……。居なくなる前に何か前兆とかはあったの？」

「いえ……特には」

「そうか……」

そこで会話は途切れてしまった。

すると部屋の奥から母がやって来た。

「実咲、スマホも置いて居なくなったの。ほらこれ」

「スマホ！じゃあそこに何か手掛かりが」

すると洋介君が首を横に振った。

「俺達もそう思ったんですけどパスワードがついていて開けれないんですよ」

「え？パスワード」

「何か心当たりありませんか？お義兄さん」

俺はスマホを片手に考え込んでしまった。