18 / 51
1章
fourteen
しおりを挟む
「ただいま~」
(あ、楓兄だ!)
「おかえり!」
俺がそう言って迎えると楓兄は手で顔を覆いはぁああぁぁと息をついた。
(······あ、俺の顔やばかったってこと?)
············はい!切り替え!切り替え!
「朔はさ今日何してた?」
「ん~これといってやってないけど···あ!珀兄と秋兄と映画見てたよ!」
「映画?」
「うん!ス〇イダーマン!」
「いいな~俺も見たかった!!」
こんな風に楓兄と極普通の話をしていると尚兄と葵兄が帰ってきた。
「ただいま。」
「おかえり。尚兄。」
尚兄は荷物を置くと俺の所へやってきて頭を差し出してきた。
(?·········あ!分かった!)
「おつかれ!尚兄!お仕事よく頑張りました!」
そう言って人気俳優の頭を撫でた。
この猫っ毛がたまらん!
「ちょ!尚ばっかズリぃぞ!俺も!」
尚兄につれられて葵兄も頭を差し出してきた。
(流石双子だな。)
「んへぇ~、お迎えおつかれ!葵兄偉い!」
「ん。」
頭をなでなでしたら葵兄は俺の腰に腕を回して俺のお腹に頭をグリグリしてきた。
(······今日は甘えたさんだな。)
葵兄をギュッと抱きしめ返した。
それがいけなかったのか、秋兄がチラシで葵兄の頭をバンッて叩いた。
あ!勿論優しくね。
「何すんだよ。秋兄。」
「そんな事してると朔も疲れるだろ。」
「え!?俺?全然!寧ろ俺に出来ることはこれくらいだから力になれるならこれくらいなんて事ないよ!」
「·······だとよ。秋兄?」
秋兄は顔をしかめっ面にして、
「じゃあ俺は今日朔と一緒に寝る。」
(ふぇ?)
「「「「「はぁ!?」」」」」
「いいだろ?朔?」
「え?あーうん。まぁ。」
俺がそう答えると口論になった。
(········みんな秋兄と寝たいんだ。)
チンッ
口喧嘩をしているとトースターの音が鳴った。
「やば。忘れてた。」
珀兄はトースターからラザニアを出した。
「ラザニア!?」
「おう。」
その後は珀兄特製のラザニアを腹いっぱい食って風呂に入った。
*****
「出たよ~」
そう言ってリビングに入るとさっきとは違った緊張感が部屋に流れていた。
(·····え。何。)
「朔。こっち座って。」
俺は珀兄に言われるがままイスに座った。
そして、秋兄が口を開いて、
「······朔。この間の泣いてたやつ。何があった?」
と、聞いてきた。
兄達といつも通り楽しく過ごしていたから忘れていたのに、今になって鳥肌がたった。
「······あ、え、っと········」
楓兄、葵兄、尚兄、秋兄、珀兄がこっちを見てくる。
(·····言ったら。もし言ったらなんて言う?嫌われる?汚物扱いされる?軽蔑される?·············家族じゃいられなくなる?)
思えば思うほど良くないことが頭に浮かぶ。
(··········でも、言わなかったら、)
「·····あ、の人にグス、き、キスされてっ、····それで、········逃げようと、うっ、したっけ、ど、おしっ、倒さ、っれて、··お、お尻に、指、いれらっ、れた。」
(後悔する。)
涙が俺の頬を伝う。
下を向いて話したから、床には俺の涙がポツポツと垂れていた。
俺の言ったことに対して驚いたのか、はたまた俺が泣いたことに罪悪感を覚えたのか·······よく分からないが珀兄が俺を抱き寄せて、
「よく頑張った。もう大丈夫。」
と頭を撫でながら優しくかけてくれた。
涙でぼやけて見えるが周りを見ると兄達が俺を宥めるのと同時にとても怒っていることが分かった。
一瞬だけだったけど。
珀兄は俺を膝の上に乗せて抱き締めた。
「は、くにぃ····うぅ····い、たかっ、たグス
こわ、かった······あんな事され、たなんて······誰にも、い、っえなくて、言った、らグス、····き、らわれちゃうかも、っておも、った····うぅ、」
ポンポンと背中を叩いて優しく語りかけてくれた。
「俺らはそんな事で朔を嫌いになんかならない。」
「そうだよ。珀の言う通り朔を嫌いになんてなれない。」
その言葉を最後に俺は2度目。
秋兄ではないけど珀兄の胸の中で眠りに落ちた。
*****
兄弟side
「さて、どうするか。」
珀兄が口を開く。
「つかあの人って誰?」
疑問を抱いていると、楓が言った。
「朔はさ昴と遊んだんでしょ?俺が今日昴の所に聞きに行った。そしたら·······」
そう言って全てを話してくれた。
「······つまりあの時あった人が昴の兄貴の有真翔月で朔に一目惚れしたってことか。」
秋が簡単に解釈する。
すると、
「·······は?」
尚からは今まで聞いた事のないよう低い声が出た。
「朔を泣かせたんだ。どうする?」
秋の言葉に全員がそろった。
「社会的に抹殺?」
「それは流石に······。」
「じゃあせめてもの救いで朔と今後一切関わるの禁止で行こう。」
「そんな簡単でいいの?」
「破ったら社会的に抹殺する。」
「「「了解。」」」
そして俺らはそれを明日、決行する。
(あ、楓兄だ!)
「おかえり!」
俺がそう言って迎えると楓兄は手で顔を覆いはぁああぁぁと息をついた。
(······あ、俺の顔やばかったってこと?)
············はい!切り替え!切り替え!
「朔はさ今日何してた?」
「ん~これといってやってないけど···あ!珀兄と秋兄と映画見てたよ!」
「映画?」
「うん!ス〇イダーマン!」
「いいな~俺も見たかった!!」
こんな風に楓兄と極普通の話をしていると尚兄と葵兄が帰ってきた。
「ただいま。」
「おかえり。尚兄。」
尚兄は荷物を置くと俺の所へやってきて頭を差し出してきた。
(?·········あ!分かった!)
「おつかれ!尚兄!お仕事よく頑張りました!」
そう言って人気俳優の頭を撫でた。
この猫っ毛がたまらん!
「ちょ!尚ばっかズリぃぞ!俺も!」
尚兄につれられて葵兄も頭を差し出してきた。
(流石双子だな。)
「んへぇ~、お迎えおつかれ!葵兄偉い!」
「ん。」
頭をなでなでしたら葵兄は俺の腰に腕を回して俺のお腹に頭をグリグリしてきた。
(······今日は甘えたさんだな。)
葵兄をギュッと抱きしめ返した。
それがいけなかったのか、秋兄がチラシで葵兄の頭をバンッて叩いた。
あ!勿論優しくね。
「何すんだよ。秋兄。」
「そんな事してると朔も疲れるだろ。」
「え!?俺?全然!寧ろ俺に出来ることはこれくらいだから力になれるならこれくらいなんて事ないよ!」
「·······だとよ。秋兄?」
秋兄は顔をしかめっ面にして、
「じゃあ俺は今日朔と一緒に寝る。」
(ふぇ?)
「「「「「はぁ!?」」」」」
「いいだろ?朔?」
「え?あーうん。まぁ。」
俺がそう答えると口論になった。
(········みんな秋兄と寝たいんだ。)
チンッ
口喧嘩をしているとトースターの音が鳴った。
「やば。忘れてた。」
珀兄はトースターからラザニアを出した。
「ラザニア!?」
「おう。」
その後は珀兄特製のラザニアを腹いっぱい食って風呂に入った。
*****
「出たよ~」
そう言ってリビングに入るとさっきとは違った緊張感が部屋に流れていた。
(·····え。何。)
「朔。こっち座って。」
俺は珀兄に言われるがままイスに座った。
そして、秋兄が口を開いて、
「······朔。この間の泣いてたやつ。何があった?」
と、聞いてきた。
兄達といつも通り楽しく過ごしていたから忘れていたのに、今になって鳥肌がたった。
「······あ、え、っと········」
楓兄、葵兄、尚兄、秋兄、珀兄がこっちを見てくる。
(·····言ったら。もし言ったらなんて言う?嫌われる?汚物扱いされる?軽蔑される?·············家族じゃいられなくなる?)
思えば思うほど良くないことが頭に浮かぶ。
(··········でも、言わなかったら、)
「·····あ、の人にグス、き、キスされてっ、····それで、········逃げようと、うっ、したっけ、ど、おしっ、倒さ、っれて、··お、お尻に、指、いれらっ、れた。」
(後悔する。)
涙が俺の頬を伝う。
下を向いて話したから、床には俺の涙がポツポツと垂れていた。
俺の言ったことに対して驚いたのか、はたまた俺が泣いたことに罪悪感を覚えたのか·······よく分からないが珀兄が俺を抱き寄せて、
「よく頑張った。もう大丈夫。」
と頭を撫でながら優しくかけてくれた。
涙でぼやけて見えるが周りを見ると兄達が俺を宥めるのと同時にとても怒っていることが分かった。
一瞬だけだったけど。
珀兄は俺を膝の上に乗せて抱き締めた。
「は、くにぃ····うぅ····い、たかっ、たグス
こわ、かった······あんな事され、たなんて······誰にも、い、っえなくて、言った、らグス、····き、らわれちゃうかも、っておも、った····うぅ、」
ポンポンと背中を叩いて優しく語りかけてくれた。
「俺らはそんな事で朔を嫌いになんかならない。」
「そうだよ。珀の言う通り朔を嫌いになんてなれない。」
その言葉を最後に俺は2度目。
秋兄ではないけど珀兄の胸の中で眠りに落ちた。
*****
兄弟side
「さて、どうするか。」
珀兄が口を開く。
「つかあの人って誰?」
疑問を抱いていると、楓が言った。
「朔はさ昴と遊んだんでしょ?俺が今日昴の所に聞きに行った。そしたら·······」
そう言って全てを話してくれた。
「······つまりあの時あった人が昴の兄貴の有真翔月で朔に一目惚れしたってことか。」
秋が簡単に解釈する。
すると、
「·······は?」
尚からは今まで聞いた事のないよう低い声が出た。
「朔を泣かせたんだ。どうする?」
秋の言葉に全員がそろった。
「社会的に抹殺?」
「それは流石に······。」
「じゃあせめてもの救いで朔と今後一切関わるの禁止で行こう。」
「そんな簡単でいいの?」
「破ったら社会的に抹殺する。」
「「「了解。」」」
そして俺らはそれを明日、決行する。
150
お気に入りに追加
2,937
あなたにおすすめの小説

愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア

地味で冴えない俺の最高なポディション。
どらやき
BL
前髪は目までかかり、身長は160cm台。
オマケに丸い伊達メガネ。
高校2年生になった今でも俺は立派な陰キャとしてクラスの片隅にいる。
そして、今日も相変わらずクラスのイケメン男子達は尊い。
あぁ。やばい。イケメン×イケメンって最高。
俺のポディションは片隅に限るな。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

なんで俺の周りはイケメン高身長が多いんだ!!!!
柑橘
BL
王道詰め合わせ。
ジャンルをお確かめの上お進み下さい。
7/7以降、サブストーリー(土谷虹の隣は決まってる!!!!)を公開しました!!読んでいただけると嬉しいです!
※目線が度々変わります。
※登場人物の紹介が途中から増えるかもです。
※火曜日20:00
金曜日19:00
日曜日17:00更新

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

最弱伝説俺
京香
BL
元柔道家の父と元モデルの母から生まれた葵は、四兄弟の一番下。三人の兄からは「最弱」だと物理的愛のムチでしごかれる日々。その上、高校は寮に住めと一人放り込まれてしまった!
有名柔道道場の実家で鍛えられ、その辺のやんちゃな連中なんぞ片手で潰せる強さなのに、最弱だと思い込んでいる葵。兄作成のマニュアルにより高校で不良認定されるは不良のトップには求婚されるはで、はたして無事高校を卒業出来るのか!?

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる