兄弟がイケメンな件について。

どらやき

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1章

thirteen

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目が覚めるとそこは自分の部屋の天井が見えた。

(あ、れ?俺、昨日······)

俺は秋兄の傍で泣いたことを思い出した。

現時刻は6時半で、今日は学校登校日。

(行きなくないな······昴、なんで····)

今まで仲良くしてた友人に裏切られた気分で昴のことを今は信じられない。

ましてや、学校で顔を合わせるのもキツイ。珀兄に言って、休もうかな·····。

グゥ

(昨日、昼以降食べてないっけ······)

とりあえずベットから降りて洗面所に行くことにした。

「うわ·······」

鏡で自分の顔を見ると、目がものすごく腫れてる。

(こんなに泣いたんだ·······)

「う···おぇ········」

を思い出すとまた吐き気がしてきた。

歯磨きをして顔を洗って·····いつものルーティーンをやるけど気持ちが晴れない。

リビングに行くとが珀兄、秋兄、葵兄、楓兄が居た。

俺が入ると、珀兄が、

「朔。学校、どうする?」

(あ······行かなきゃ、だよね。)

"行く"と言いたいけど喉が詰まって言葉が出ない。

「え、っと······あの、···」

(なん、か·····みんなが怖い·······。)

分かってる。みんなは、兄達は優しい人だって。でも、怖い·······。

俺が下を向いて戸惑っていると、

「朔、無理しなくていいよ。」

珀兄が俺の目線に合わせてしゃがんでくれた。

「なん、で········」

「俺も今日は教師じゃないんだ。だから朔も学校休んじゃう?」

珀兄と兄達の表情から俺を心配してくれてるって分かった。

(その言葉に甘えたい·····でも、甘えたら迷惑かける·······)

「うぅ········ヒック··ご、めんっ、なさい······」

昨日嫌という程流したのにまだ涙が出てくる。

俺が泣いていると珀兄が優しく抱きしめてきた。秋兄も葵兄も楓兄も俺の傍に来てくれた。

「朔はもっと甘えろ。俺ら兄弟と違って何もお強請りしないし、もっと思ってること言っていいんだよ?」

楓兄がそう言うと

「楓の言う通りだ。俺はたまにしか帰って来れないけど朔に甘えて欲しい。」

秋兄の言葉に続いて

「朔はひとりで何でも抱えちゃうからでしょ?無理しないで。」

葵兄が言った。

そして俺は今生で2度目の大泣きをした。

*****

「ごめん····見苦しい所見せちゃった······」

「ん。大丈夫。」

秋兄は相変わらず俺にベッタリ。
楓兄は学校へ行った。葵兄は尚兄を迎えに行った。

「朔。ココア飲む?」

「飲む。」

珀兄はホントに学校を休むらしい。

今の季節は春。でも、例年より肌寒い。

「朔寒い?」

「ううん。大丈夫。」

「はい。ココア。」

「珀兄ありがとう。」

その日は1日ダラッと過ごした。

誰も俺が泣いた理由を聞いてこなかった。きっとみんなの優しさなんだろう。

(俺は、大切にされてるんだな········)

養子で来た俺を今でも大切にしてくれてるってことに俺は温かみを覚えた。



そして、その日の夜。俺は初めて兄弟が人を殺す勢いで怒っている顔を見ることになる。

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