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本編
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鳥のさえずりと大勢の人たちの声が外から聞こえる。
俺は窓枠に背を向けて、上を向いていた。そして、風が強く吹いたと同時に部屋のドアがノックされた。
「ルーク?リアムだ、入るぞ」
「!はい!」
リアムさんの声を聞いただけでこんなにも気持ちが上がるなんて初めてだった。
ドアをゆっくり開け、リアムさんが入ってくる。
「·····ぇ」
「ひ、久しぶり·····ルーク」
その後ろをおずおずとした態度で、兄様が入ってきた。
あの時も俺が兄様だと分かったのには、理由がある。
それは、"声"だ。
俺は小さい頃から、人一倍耳が良かった。どんなに小さな声でも、遠くにいる声でも聞きたいと願えば聞ける。
だから、たまに家の扉が雑に開けられる事があった時、誰かを探して家中を走っていた人にも気づいた。
そして、その人の声はこの人のものだった。
あの時聞いた時に、確信した。
優しい、温かい声。
でも、どこかからっぽな声。
それが、今、また、目の前にいる。
その事に嬉しくもあり、同時に悲しくもなった。
「······えっと·····」
兄様は言葉を詰まらせた。
少し下を向きながら、頭をかく。
その様子を見ていたリアムさんは、
「俺は1度抜けるよ。ちゃんと2人で話をしろ。」
と言って部屋から出ていった。
その後少し沈黙が続き、それを破ったのは兄様だった。
「ルーク····すまなかった····!」
「······な、んで·····」
兄様は、涙をぼろぼろと流しながら謝ってきた。
「俺が!もっと、ちゃんとしてればっ!」
違う。
「家に、居ればっ!」
違う。
「こんな事には、っならな、かった!」
そんな事を言わせたいんじゃない。
俺はこれ以上言わせてはいけない、聞きたくないと思って、兄様に近寄り、立っている兄様の腰に抱きついた。
「違う!」
「·····ル、ルーク?」
そう、違うんだよ。
「兄様·····俺は、こうやって····会いに、来てくれるだけで····嬉しい·····」
だから、どうか責めないで。
「お願い、だからっ、·····そんな事···言わ、ないで····」
ギュッと抱きついている俺の頭には冷たい水が降った。
きっと、兄様の涙。
「ご、めんっ·····」
うん。
「ありが、とう····」
うん。
無事仲直り?した俺と兄様は、2人仲良くこんな話をした。
「ルークはさ、リアムの事好き?」
「·······へ?」
一瞬思考が止まった。
「な、に言って·····」
「あ、いや····仮にそうだとしても、責めたりしないよ。ルークには、幸せになって欲しいからね。」
そう言う兄様の顔はどこかスッキリしていた。
「あ、のね····」
俺は兄様の耳元で
「·····リアムさんの事···好き?だよ」
と呟いた。
そして、ドアが開いた。
俺は窓枠に背を向けて、上を向いていた。そして、風が強く吹いたと同時に部屋のドアがノックされた。
「ルーク?リアムだ、入るぞ」
「!はい!」
リアムさんの声を聞いただけでこんなにも気持ちが上がるなんて初めてだった。
ドアをゆっくり開け、リアムさんが入ってくる。
「·····ぇ」
「ひ、久しぶり·····ルーク」
その後ろをおずおずとした態度で、兄様が入ってきた。
あの時も俺が兄様だと分かったのには、理由がある。
それは、"声"だ。
俺は小さい頃から、人一倍耳が良かった。どんなに小さな声でも、遠くにいる声でも聞きたいと願えば聞ける。
だから、たまに家の扉が雑に開けられる事があった時、誰かを探して家中を走っていた人にも気づいた。
そして、その人の声はこの人のものだった。
あの時聞いた時に、確信した。
優しい、温かい声。
でも、どこかからっぽな声。
それが、今、また、目の前にいる。
その事に嬉しくもあり、同時に悲しくもなった。
「······えっと·····」
兄様は言葉を詰まらせた。
少し下を向きながら、頭をかく。
その様子を見ていたリアムさんは、
「俺は1度抜けるよ。ちゃんと2人で話をしろ。」
と言って部屋から出ていった。
その後少し沈黙が続き、それを破ったのは兄様だった。
「ルーク····すまなかった····!」
「······な、んで·····」
兄様は、涙をぼろぼろと流しながら謝ってきた。
「俺が!もっと、ちゃんとしてればっ!」
違う。
「家に、居ればっ!」
違う。
「こんな事には、っならな、かった!」
そんな事を言わせたいんじゃない。
俺はこれ以上言わせてはいけない、聞きたくないと思って、兄様に近寄り、立っている兄様の腰に抱きついた。
「違う!」
「·····ル、ルーク?」
そう、違うんだよ。
「兄様·····俺は、こうやって····会いに、来てくれるだけで····嬉しい·····」
だから、どうか責めないで。
「お願い、だからっ、·····そんな事···言わ、ないで····」
ギュッと抱きついている俺の頭には冷たい水が降った。
きっと、兄様の涙。
「ご、めんっ·····」
うん。
「ありが、とう····」
うん。
無事仲直り?した俺と兄様は、2人仲良くこんな話をした。
「ルークはさ、リアムの事好き?」
「·······へ?」
一瞬思考が止まった。
「な、に言って·····」
「あ、いや····仮にそうだとしても、責めたりしないよ。ルークには、幸せになって欲しいからね。」
そう言う兄様の顔はどこかスッキリしていた。
「あ、のね····」
俺は兄様の耳元で
「·····リアムさんの事···好き?だよ」
と呟いた。
そして、ドアが開いた。
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