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本編
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何もすることがなくて、できる事がなくて、ただ部屋の一点を見つめている。
この時間は何となく好きだ。
ボーッとしてる時は何も考えなくていい。だから、好き。
俺がこの前逃げてしまってからというもの、メイドはこの部屋には必要以上に入ってこない。
それは、それで、嫌。
なんてね。
俺は、ひとりが好きだ。
でも、リアムさんといる時間はもっと好き。
1人でご飯を食べるのもいいけど、誰かと一緒に食べる方がもっと好き。
静かに一日を過ごす日々は、今では当たり前ではなくなっていて、それが凄く嬉しい。
でも、同時に失ったらどうなるのか、という不安に襲われる。
そして、ふと、外が騒がしいことに気づいた。
気になって、足を運ぶ。
ドタドタと忙しそうな足音がいくつも聞こえ、メイドの人達が何やら楽しげに走っていった。
俺も少しソワソワしていて、前を走りかかったメイドに話をかけた。
「····あ、の!」
「はい?」
「えっと····何か、····あるんで、すか?」
「今日はスプロンドゥ王国の開国記念日何ですよ!!」
「開国···?」
「はい!だから、沢山の人達は色んなお店を出したり、宴をしたりして、まる2日楽しむ日なんですよ!」
「そう、なんだ····」
「あ!私もう行きますね!」
「あ、·····行っちゃった····」
俺みたいな部外者が行ってもいいのか、聞きたくて話しかけたけど聞けずじまいになってしまった。
開国記念日······か。
俺はあの国に居た時、そういう類のものに一切出させて貰えなかった。
だから、正直行きたくて仕方がない。
リアムさんから、この国の人達は俺の見た目に対して批判的な意見を持っていないと聞いた。
初めは信じられなかった。
それもそのはず。常にあんな事をされていたら信じられるはずがない。
でも、俺は自分の目で確認できた。
ご飯を運んできてくれるメイドさんや、俺の話し相手になってくれるメイドさん···など、沢山の人達とお話をしてきた。
みんな俺に普通に接してくれて、笑顔を見せてくれる。
それが、その顔が証拠だと思った。
それは、メイドさんに限った話ではない。
街で会った人達もだ。
すっかり俺は心を許しているんだと思う。
窓枠に体重をかけて、外の風景を見つめる。
時折吹く冷たい風が気持ちいい。
ここから見る景色は、俺のお気に入りだ。
街が繁栄しているにも関わらず、綺麗に整備された畑や湖。
畑の緑がとても綺麗で、親子が畑を仲良く耕している。
······良いな。
家族団欒、と言えばいいのか分からないけど、他家族が仲良くしてるのを見るとどうしても羨ましいと思ってしまう。
······あ、ダメだ····
思わず目に涙が溜まる。
俺は少しグズグズした気持ちになりながらも窓から目を背けた。
この時間は何となく好きだ。
ボーッとしてる時は何も考えなくていい。だから、好き。
俺がこの前逃げてしまってからというもの、メイドはこの部屋には必要以上に入ってこない。
それは、それで、嫌。
なんてね。
俺は、ひとりが好きだ。
でも、リアムさんといる時間はもっと好き。
1人でご飯を食べるのもいいけど、誰かと一緒に食べる方がもっと好き。
静かに一日を過ごす日々は、今では当たり前ではなくなっていて、それが凄く嬉しい。
でも、同時に失ったらどうなるのか、という不安に襲われる。
そして、ふと、外が騒がしいことに気づいた。
気になって、足を運ぶ。
ドタドタと忙しそうな足音がいくつも聞こえ、メイドの人達が何やら楽しげに走っていった。
俺も少しソワソワしていて、前を走りかかったメイドに話をかけた。
「····あ、の!」
「はい?」
「えっと····何か、····あるんで、すか?」
「今日はスプロンドゥ王国の開国記念日何ですよ!!」
「開国···?」
「はい!だから、沢山の人達は色んなお店を出したり、宴をしたりして、まる2日楽しむ日なんですよ!」
「そう、なんだ····」
「あ!私もう行きますね!」
「あ、·····行っちゃった····」
俺みたいな部外者が行ってもいいのか、聞きたくて話しかけたけど聞けずじまいになってしまった。
開国記念日······か。
俺はあの国に居た時、そういう類のものに一切出させて貰えなかった。
だから、正直行きたくて仕方がない。
リアムさんから、この国の人達は俺の見た目に対して批判的な意見を持っていないと聞いた。
初めは信じられなかった。
それもそのはず。常にあんな事をされていたら信じられるはずがない。
でも、俺は自分の目で確認できた。
ご飯を運んできてくれるメイドさんや、俺の話し相手になってくれるメイドさん···など、沢山の人達とお話をしてきた。
みんな俺に普通に接してくれて、笑顔を見せてくれる。
それが、その顔が証拠だと思った。
それは、メイドさんに限った話ではない。
街で会った人達もだ。
すっかり俺は心を許しているんだと思う。
窓枠に体重をかけて、外の風景を見つめる。
時折吹く冷たい風が気持ちいい。
ここから見る景色は、俺のお気に入りだ。
街が繁栄しているにも関わらず、綺麗に整備された畑や湖。
畑の緑がとても綺麗で、親子が畑を仲良く耕している。
······良いな。
家族団欒、と言えばいいのか分からないけど、他家族が仲良くしてるのを見るとどうしても羨ましいと思ってしまう。
······あ、ダメだ····
思わず目に涙が溜まる。
俺は少しグズグズした気持ちになりながらも窓から目を背けた。
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