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リアムside
ルークを保護して、約1週間が経った。
腕と足の骨折はメルベス医師の魔法によって治ったが、手足の傷やお腹の痣はまだくっきりと跡が残っている。
それを見る度、必ず怒りが湧いてくる。
そして今日も、いつものようにルークの部屋のドアをノックする。
「おはよう」
「コクン」
「痛む所はないか?」
「コクン」
「そうか。良かった」
彼のその返事が嬉しくて仕方がない。
食事は、まだ普通にとる事が出来ず、軽いスープなどをメインにしている。
「喉の調子はどうだ?」
日が経ち、首の炎症も恐らく引いてきた。
「すこ、し····い、たいです」
途切れ途切れになっているが、頑張って伝えようとしてくれている。
(····可愛い)
「そうか。·····すまないが、今日どうしても外せない仕事があって、今から少し抜けるが大丈夫か?」
「は、い」
「何かあったら直ぐにベルを鳴らすんだぞ?」
「分か、りまし、た」
「じゃあ、行ってくる」
「は、い」
そう言って彼の額にキスを落とす。
その度に顔を赤らめるのがすごく愛おしくて、顔がにやけそうになる。
静かにドアを閉め、長い王宮の廊下を歩く。
今日の外せない仕事とは、ルークについての事だ。
国王様と王妃様から、話がある、と呼び出されたのだ。
俺は、話がされる居間へと足を向けた。
「あ、リアム。」
「······何故お前がいる。アルベルト。」
「いや~、なんか呼び出された。」
「お前もか。」
「ってことは、リアムも?」
「あぁ。」
「あの子についてのことでしょ?めっちゃ美人だよな。」
「······そうだな。」
俺は、アルベルトと居間のドアを叩いた。中からは、どうぞ、と専属のデゥースの声が聞こえた。
「「失礼します」」
声が重なる。
「よく来てくれた。」
「急にごめんなさいね。」
貫禄ある椅子には、国王様と王妃様が座っていた。そして、王妃様はこの前とは違う、厳しい顔つきをしていた。
「あの、話とは····」
「あぁ、すまない。実はまだ一人足りなくての····」
「一人?他に誰か来るのですか?」
「あぁ。少し待ってくれ。」
「はい。」
その話をして5分後、遅れて1人の人物が入ってきた。
入って来たのは、
「遅れて申し訳ありません。」
どこか緊張した顔つきをしているニールだった。
「ニール!?」
「リアム···」
何故お前が?と聞きたかったが、聞ける雰囲気ではなくて聞くことが出来なかった。
「揃ったな。·····では、話を始めよう。」
国王様の声で、部屋はさっきよりも静かになった。
ルークを保護して、約1週間が経った。
腕と足の骨折はメルベス医師の魔法によって治ったが、手足の傷やお腹の痣はまだくっきりと跡が残っている。
それを見る度、必ず怒りが湧いてくる。
そして今日も、いつものようにルークの部屋のドアをノックする。
「おはよう」
「コクン」
「痛む所はないか?」
「コクン」
「そうか。良かった」
彼のその返事が嬉しくて仕方がない。
食事は、まだ普通にとる事が出来ず、軽いスープなどをメインにしている。
「喉の調子はどうだ?」
日が経ち、首の炎症も恐らく引いてきた。
「すこ、し····い、たいです」
途切れ途切れになっているが、頑張って伝えようとしてくれている。
(····可愛い)
「そうか。·····すまないが、今日どうしても外せない仕事があって、今から少し抜けるが大丈夫か?」
「は、い」
「何かあったら直ぐにベルを鳴らすんだぞ?」
「分か、りまし、た」
「じゃあ、行ってくる」
「は、い」
そう言って彼の額にキスを落とす。
その度に顔を赤らめるのがすごく愛おしくて、顔がにやけそうになる。
静かにドアを閉め、長い王宮の廊下を歩く。
今日の外せない仕事とは、ルークについての事だ。
国王様と王妃様から、話がある、と呼び出されたのだ。
俺は、話がされる居間へと足を向けた。
「あ、リアム。」
「······何故お前がいる。アルベルト。」
「いや~、なんか呼び出された。」
「お前もか。」
「ってことは、リアムも?」
「あぁ。」
「あの子についてのことでしょ?めっちゃ美人だよな。」
「······そうだな。」
俺は、アルベルトと居間のドアを叩いた。中からは、どうぞ、と専属のデゥースの声が聞こえた。
「「失礼します」」
声が重なる。
「よく来てくれた。」
「急にごめんなさいね。」
貫禄ある椅子には、国王様と王妃様が座っていた。そして、王妃様はこの前とは違う、厳しい顔つきをしていた。
「あの、話とは····」
「あぁ、すまない。実はまだ一人足りなくての····」
「一人?他に誰か来るのですか?」
「あぁ。少し待ってくれ。」
「はい。」
その話をして5分後、遅れて1人の人物が入ってきた。
入って来たのは、
「遅れて申し訳ありません。」
どこか緊張した顔つきをしているニールだった。
「ニール!?」
「リアム···」
何故お前が?と聞きたかったが、聞ける雰囲気ではなくて聞くことが出来なかった。
「揃ったな。·····では、話を始めよう。」
国王様の声で、部屋はさっきよりも静かになった。
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