騎士団長の溺愛計画。

どらやき

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リアムside

彼の世話をし始めてはや3日が経った。
名前はルークというらしい。どうやら、王妃様と関わりがあるそうだ。

そして、今日も朝から付きっきりで彼の傍にいる。

白く細い腕、痛々しい傷跡····本当に今までよく頑張ったと思う。

(·····なんで、彼がこんな目に·······)

俺が思う限り、彼が黒髪黒目で生まれてきたからこうなったのだろう。
それにしてもあまりに酷すぎる。

(これが、幼い子に対して行うべき事なのか?)

彼の家族には勿論、アシタナ王国に対しても腹が立った。

どの国でも、必ず子が生まれたら王宮へ紙を出すことになっている。そして、住民として認められる。

恐らく、周りの反応を怖がって彼の容姿を書かなかったのだろう。

俺は、自分の手を彼の頬に添える。

彼は時々魘されている。それも苦しそうに。そして、最後には必ず涙を流す。

見ているだけで苦しくなる。

彼の頬はヒンヤリとしており、生きている気がしなかった。

このまま死んでしまうのではないのか。

このまま目を覚まさなかったら?

(ダメだ、·····悪い方に考えてしまう···)

彼の寝顔はとても綺麗で、いや、可愛くて、いつまでも見ていられる。

髪の毛だけは、綺麗に保たれており、黒色がとても鮮やかで綺麗。

(目は、どんな色なんだろう·····)

俺はいつしか、彼に興味を持つようになっていた。

水分が足りていない、乾いた頬。

寒さで切れたのか、カサついた唇。

(·····早く、早く目を覚ましてくれ·····)

彼の頬から、手を離し、彼の手を握る。

すると、ピクリと手が動いた。

「·····ん、·····ぅ」 

微かに掠れた声が聞こえた。思わず顔を上げる。

「·········ケホッ····ぁ、の···ゴホッ」

声が出ないのか、必死に喉を抑える。

「っ、手を離して!」
「·····ゲホッ····ゲホッゲホッ···っ」
「大丈夫。ゆっくり息を吸って。そう。吐いて。」

ヒューと音が響いた。

「大丈夫?」
「コクン」

頭で返事をしてくれた。
たったそれ、その行動がとても嬉しかった。

そして、もう一度彼の頬に手を添える。

(······温かい。)

その温もりに安心する。

思わず涙目になってしまった。それに驚いたのか彼はオロオロしてしまった。

「すまない。少し、取り乱してしまって·······」 

彼はそんな事ない、と言わんばかりに首を横に激しく振った。

(····あぁ、愛しいな······)

俺は自分のこの胸の高鳴りの答えをもう、とっくの昔から知っている。
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