騎士団長の溺愛計画。

どらやき

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リアムside

王宮医師として働いてくれている、メルベス医師がその子の体を見て声を上げた。

「これは酷い。」

服を脱がし、体が露になる。
お腹には、黄色い痣と青黒い痣など、痣で埋め尽くされていた。

メルベス医師は一つ一つ丁寧に説明をし始めた。

「これは、恐らく2週間前のもの。そして、これは1週間前のもの。····これは、昨日のもの。」

出来ている痣の数は、見ているだけでも悲痛だった。

その事実に国王様は更に顔を青くした。

思わず声が出てしまう。

「それって·····」
「はい。古いのが消える前に直ぐに新しいものを付けられていることになります。つまり、日常的に暴力を受けていたことになります。」
「あぁ·····そんな······」

国王様は、弱々しく声を上げた。
すると、ドアが勢いよく開いた。

「あなたっ!」
「あぁ、サシャ!」

王妃様は、肩を上下に揺らしていた。
そして、ベットに近づくなり、涙を流した。

「······ルーク·····どうして····」
「サシャ······」

国王様は王妃様を、とても優しい手つきで抱きしめた。そして、王妃様は泣き崩れた。

「失礼申し上げますが、しっかり聞いていた方がいいかと。」

メルベス医師が真剣な顔付きで言った。

「あぁ」
「分かりましたわ。 」

鼻水を啜り、鼻を真っ赤にした王妃様。
そして、メルベス医師は声を一段と低くして言った。

「まず分かることは、身体的虐待による、頭蓋内出血や火傷。そして、腕足、肋などが骨折しています。その為、腫脹と皮下出血を起こしています。恐らく彼は、十分に食事を与えられていません。その為、胃が正常に動ききれていません。」
「そんな·······」
「酷すぎる····あんまりですわ·····」

俺は、驚きと怒りのあまり声を出すことを忘れた。

それと同時に俺は、一つ決意した。

「国王様、王妃様、どうか私にお世話をさせて貰えませんか。」

この子を守りたい。

自然とそう思うようになっていた。

俺は今まで人に干渉することがなかった。その為、俺が言ったことに対して2人ともとても驚いている。

それは、メルベス医師も同じだった。

2人は互いに顔を合わせると、頷いて俺の方を向いた。

「良かろう。リアムなら安心じゃ。」
「えぇ。リアムさんならルークを任せられるわ。よろしく頼むわね。」

涙で赤くなった目で俺を見て言ってきた。

「はい。ありがとうございます。」

こうして俺は新たな生活を始めた。



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