人気者達に何故か俺が構われすぎてます。

どらやき

文字の大きさ
上 下
16 / 45

16

しおりを挟む
 「春馬。猫見るか?」

「う、うん。」


恐る恐る子猫の方へ行くと綺麗になった白色の子猫が居た。


今はスヤスヤと寝ている。


「······し、死なないよね?」


俺は怖くて俊介に聞いた。


「大丈夫だよ。俺の親すごいから。」


俊介が言うと不思議とそんな気がした。


「春馬さん。この子猫の事なのですが···」


俊介のお父さんは俺に向けて話し始めた。


子猫は体が弱いらしい。その上子猫な為そう永くは生きられないかもしれない。


と、言われた。


「すみません。こんな時に·····。」


俊介のお父さんは申し訳ないという顔で俺に謝ってきた。


「いえ。それが普通です。」


(違ってたらごめん。)


「そこで春馬さんに相談があります。この子猫についてです。この子の体だと引き取り手は恐らくないと、思われます。」


話を聞いても、聞かなくても俺の意思は固まっていた。


「俺が責任をもって最期まで一緒に生活します。」


「····そうですか。分かりました。」


子猫は今日を含めて最低4日の入院をするらしい。


今日は帰ることにした。


家に帰るなり、夕飯を食べる気にはなれなかった。


(引き取るって言っちゃったけど、母さん達なんて言うんだろう·····。)


急に不安が俺を襲った。


(でも、俺は····納得させる。) 


その日俺はお風呂に入ってすぐにベットに入った。


*****


学校につくなり、俺は子猫の事で頭がいっぱいだった。


(死んだらどうしよう。····元気にならなかったら?あのまま······)


だめだ。よからぬ事を考えてしまう。


すると、ポンと頭を叩かれた。


「あんま考え過ぎんな。」


俊介だった。


「·····うん。ありがと。」 


(ほんと、俊介は優しいな·····。)


そんな俺らの様子を見て主人公と王子が声をかけてきた。


「何かあったの?」


「春馬、大丈夫?」


心配してくれるのが嬉しくて、つい笑顔がこぼれる。


「ん。大丈夫。····ありがと、高原、桜井。」


微笑むと2人は赤く染った。


「おい。お前は天然タラシだな。」


「む。俊介だってそうだろ?」


"俊介"というワードに反応したのか高原と桜井は、


「俊介だけ、名前呼びってずるい····」


「俺の事星吾って呼んで?」


「俺の事も愛希って。」


(·····確かに仲間はずれって良くないよな。)


「ん。分かった。」


「「ありがとう。」」


(·········)


イケメンの笑顔は計り知れないな。

女子が見たら即死だろうな。




その日の放課後俺は見学を休んで子猫の様子を見に行く事にした。


二階堂先生は許可してくれた。


走って病院に行くと、ミャアミャアと元気な声が聞こえてきた。


子猫の所へ行くと、一人の女性が声をかけてきた。


「春馬さん、ですよね?この子猫びっくりするほど回復が早いんですよ。」


「·····でも、人に懐いていなくて今誰もこの子猫に触れていないんですよ。」


看護師さんの話を聞くと、人に虐められたことがあるのかな。と思った。


俺は子猫へ近づいた。


手を差し出してみるとシャーと威嚇してきた。


(怖いよね·····。)


「大丈夫だよ。····大丈夫。」


そう言うと子猫はペロと俺の手の甲を舐めてきた。


それに物凄く愛しさを覚えた。


「す、凄いですね春馬さん。」


「いえ。そんな事ないですよ。」


早く、元気になるといいな。



しおりを挟む
感想 77

あなたにおすすめの小説

BLゲームのモブに転生したので壁になろうと思います

BL
前世の記憶を持ったまま異世界に転生! しかも転生先が前世で死ぬ直前に買ったBLゲームの世界で....!? モブだったので安心して壁になろうとしたのだが....? ゆっくり更新です。

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️ 第12回BL小説大賞に参加中! よろしくお願いします🙇‍♀️

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

ボスルートがあるなんて聞いてない!

BL
夜寝て、朝起きたらサブ垢の姿でゲームの世界に!? キャラメイクを終え、明日から早速遊ぼうとベッドに入ったはず。 それがどうして外に!?しかも森!?ここどこだよ! ゲームとは違う動きをするも、なんだかんだゲーム通りに進んでしまい....? あれ?お前ボスキャラじゃなかったっけ? 不器用イケメン×楽観的イケメン(中身モブ) ※更新遅め

処理中です...