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~攻略対象(高原)目線~
今日は桜坂高校の入学式。
隣に居る緒川と桜井とは中学時代からの付き合い。
その中でも緒川と俺は俗に言う幼なじみだ。
「しっかし、男子校で良かったな。」
不意に俊介が聞いてきた。
「なんでだ?」
「だってほら、星吾って居るだけで目立つだろ?共学だったら毎日がバレンタインになるからさ。」
「····はぁ?それを言うなら俊介も愛希もモテるだろ。」
俊介はバスケ、愛希は剣道、と女子から凄く人気なのだ。
「俺はそれ程モテないよ。星吾と俊介とはレベルが違う。」
「それなら俺だって。」
こいつら···揃いも揃って。
でもこの雰囲気や空気が俺は好きだ。
「あ、そういえばさ星吾。お前男からも告られたことあったよな?」
「·····?」
男に?いつ?
「はいはい。分かりましたよ。····男子校でもそいうことが起きなければいいな。頑張れー。」
俺はまぁ、自慢ではないがモテる方だと思う。中学時代はそのせいで何かと先輩と揉め事になった。
(女はめんどくさい。)
沢山の顔を持っている。
別にしたい事もなかったから大学に有利なこの高校を選んだ。
男子校で良かった、とは思わないけど面倒な事が避けるなら良い。
3人で高校の正門を通った時俺たちの横を走って校舎に向かう1人の男子生徒の姿があった。
「···足速。」
愛希が呟く。
(別に時間はまだ余裕なのに。····?)
まぁいいか。と思い3人で教室に向かった。
俺の席は窓側の列で真ん中ら辺だ。
番号順という訳ではないらしい。
俺は自分の席に着くとさっきの男子生徒の隣だと分かった。
隣の子は眠ってしまったようだ。
寝音を立てながら寝ている姿は女の子と間違えるほどの美形だった。
絹のように白い肌、風が吹く度になびく黒髪。
第一印象は綺麗な子だった。
そろそろ時間になるので起こした。
「君。そろそろ起きた方が良いよ。」
声を掛けるとその子は目を擦りながら顔を上げて、
「ん····ん~···もう?」
不意に放った言葉と少し乱れた髪に愛しさを感じた。
「ッ!」
その子は「ありがとう」と笑顔で礼を言ってきた。
その言葉に自分が照れた事が分かった。
席を立つとその子は転びそうになった。
「っと。」
支えたのは愛希だった。
愛希にも礼を言ったその子は廊下に出ていった。
「···あ、愛希?」
俊介が聞いた。
「ほっそ····俺と身長あんま変わんないけど細い。···つか、可愛い。」
愛希がデレた。
「それは·····同感。」
「俊介もか。」
「もって事は星吾も?」
「あ、あぁ。」
俺は自分の心臓がトクンと跳ね上がるのが分かった。
恐らくこれは一目惚れ、というやつだろうか。
教室を見渡すとその子の話で盛り上がっていた。
(····皆彼に釘付けか。)
後、彼の名は園川春馬と言う。
春馬。君は絶対誰にも渡さない。
君に俺を選ばせてみせる。
今日は桜坂高校の入学式。
隣に居る緒川と桜井とは中学時代からの付き合い。
その中でも緒川と俺は俗に言う幼なじみだ。
「しっかし、男子校で良かったな。」
不意に俊介が聞いてきた。
「なんでだ?」
「だってほら、星吾って居るだけで目立つだろ?共学だったら毎日がバレンタインになるからさ。」
「····はぁ?それを言うなら俊介も愛希もモテるだろ。」
俊介はバスケ、愛希は剣道、と女子から凄く人気なのだ。
「俺はそれ程モテないよ。星吾と俊介とはレベルが違う。」
「それなら俺だって。」
こいつら···揃いも揃って。
でもこの雰囲気や空気が俺は好きだ。
「あ、そういえばさ星吾。お前男からも告られたことあったよな?」
「·····?」
男に?いつ?
「はいはい。分かりましたよ。····男子校でもそいうことが起きなければいいな。頑張れー。」
俺はまぁ、自慢ではないがモテる方だと思う。中学時代はそのせいで何かと先輩と揉め事になった。
(女はめんどくさい。)
沢山の顔を持っている。
別にしたい事もなかったから大学に有利なこの高校を選んだ。
男子校で良かった、とは思わないけど面倒な事が避けるなら良い。
3人で高校の正門を通った時俺たちの横を走って校舎に向かう1人の男子生徒の姿があった。
「···足速。」
愛希が呟く。
(別に時間はまだ余裕なのに。····?)
まぁいいか。と思い3人で教室に向かった。
俺の席は窓側の列で真ん中ら辺だ。
番号順という訳ではないらしい。
俺は自分の席に着くとさっきの男子生徒の隣だと分かった。
隣の子は眠ってしまったようだ。
寝音を立てながら寝ている姿は女の子と間違えるほどの美形だった。
絹のように白い肌、風が吹く度になびく黒髪。
第一印象は綺麗な子だった。
そろそろ時間になるので起こした。
「君。そろそろ起きた方が良いよ。」
声を掛けるとその子は目を擦りながら顔を上げて、
「ん····ん~···もう?」
不意に放った言葉と少し乱れた髪に愛しさを感じた。
「ッ!」
その子は「ありがとう」と笑顔で礼を言ってきた。
その言葉に自分が照れた事が分かった。
席を立つとその子は転びそうになった。
「っと。」
支えたのは愛希だった。
愛希にも礼を言ったその子は廊下に出ていった。
「···あ、愛希?」
俊介が聞いた。
「ほっそ····俺と身長あんま変わんないけど細い。···つか、可愛い。」
愛希がデレた。
「それは·····同感。」
「俊介もか。」
「もって事は星吾も?」
「あ、あぁ。」
俺は自分の心臓がトクンと跳ね上がるのが分かった。
恐らくこれは一目惚れ、というやつだろうか。
教室を見渡すとその子の話で盛り上がっていた。
(····皆彼に釘付けか。)
後、彼の名は園川春馬と言う。
春馬。君は絶対誰にも渡さない。
君に俺を選ばせてみせる。
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