裏切りの蜜は甘く 【完結】

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SIDE 旬

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折角気持ち良く呑んでたのに!

こーに瓶を奪われ残りを飲み干された

そのまま肩に担がれコテージに連れ戻された

酷い………


「ほら、風呂入るぞ」


「僕はまだ呑むの!」


「明日二日酔いで動けなくなるぞ」


「別にいいもん。明日は一日中コテージで寝とく」


「なぁ…何か怒ってるのか?」


冷蔵庫を開けようとして後ろからドアを閉められる


「そりゃ怒ってるよ!勝手に僕のお酒呑んだくせに!」


振り返ると思ったよりもこーの顔が近くて驚く


あと少しでキスできそうな距離…………


「そうじゃなくて、その前から。夕飯前に起きた時から怒ってるだろ?一緒に寝てたのが嫌だったか?」


は?何それ……


「一緒に寝るのが嫌なのはこーじゃん……」


ボソッと口から飛び出した


「え?俺が何って??くぐもってて聞き取れなかった」


「何もないよ。早くどいて」


大きな体を腕で押す


「………逃げんなよ。」


そのまま抱き込まれ動けなくなった


「こー…離して……」


「…そんなに俺のこと嫌いか?」


「は?」


「あの後から、俺の事避けてるだろ。わかってるよ、俺の事軽蔑してるのくらい…」


何いってんだこいつ…


「静流と相談して、鬼畜キャラつくって、どんどん俺を頼らなくなったくせに………
薬に頼らないと寝れないはずなのに、今日は俺の腕の中でグッスリ眠りやがって…
期待させんなよ…勘違いしたくなるだろ…」


「………こー?」


何を言ってるんだよ………期待って……勘違いって………


「ごめん…あの時お前は苦しんでたのに無理矢理抱いて…その後はお前が何も言わない事を良い事になかった事にした…」


分かってた事だけど改めてこーの言葉で言われると胸が痛い………


「けど一度気づいた気持ちに蓋をするのは難しくて…お前を見るだけでムラムラするもんだから、手当り次第遊ぼうとしたんだけど、俺EDになったみたいにピクリともしなくてさ。」


はぁ!?

ちょっ……あ、駄目だまだ動けない
って言うか、さっきより力こもってる…


「でも相手はしつこいからとにかくイカすだけイカしてお前の家に帰ってた。
でもお前の顔見た途端EDなはずのアレが一瞬でガチガチになっちまってさ、襲い掛かりたい衝動に襲われて…でもそんな事できる訳ないから必死で抑えてて…」


「ちょっと……待って…………」


「ん?」


「僕の家に帰ってくるの、どんどん遅くなってたのは………」


「密室でお前と顔合わすといつ襲っちまうかわかんなかったから。」


「………僕……ずっと……こーに気持ち悪いから避けられてるんだと思ってた…」


「はぁ?何でお前が気持ち悪いんだよ?………泣いてんのか?」


腕の力を緩め顔を覗き込まれた


「……って……だって……僕…ストーカー男に……ぉ…襲われ…て………こーの…優しさに…漬け込んで…抱いてもらって……」


こんな汚れた自分をこーは優しく抱いてくれた

こーはノンケで男なんて対象じゃなかっただろうに、俺がショックを受けてこーから離れなかったから…


「何言ってんだお前…お前を抱いたのは泣いてるお前に欲情して、ストーカー男の感触を俺のに塗り替えたかったんだよ。
俺は優しさから男を抱くなんてできねーぞ。俺は、お前を抱きたくて抱いたんだよ」



「…でも…………」



「今もだ」


「え?」


「今もお前以外には勃たねぇ。隣に立つだけで他の人がいても、お前を攫って抱き潰したくなるくらいなんだよ」


こーの爆弾発言に開いた口が塞がらない


「俺は旬をずっと愛してるんだ。旬は…俺の事どう思ってんだ?」


「…………僕は……」



伝えるなら今しかない


ずっと蓋をし続けたこの気持ち



「…僕は、大学でこーに出会った時から好きだった……一目惚れだった………一緒に居るようになって、こーがノンケだって理解して……この気持ちは墓場まで持ってくって………っきめ……たのに………あの日……こーが…助けに来て…くれて………嬉しくて………同情でも…抱いてもらえて…嬉しくて……僕………けど、こーが知らない…香水………つけて…帰ってきて………僕を見る……目がいつも……軽蔑してる…ように見えて………」


こんな年齢になって、子供みたいに泣くなんてみっともないけど、なかなか止まってくれない


「やっぱり……僕……汚いんだ……って………もぅ…これ以上…こーに…迷惑か…けないよう………しなきゃって……静流と……相談して………」



「そっか……悪かった。全部俺が悪いわ…お前を軽蔑した事なんて一度もない。ただ欲情してそれを抑えてただけ。香水も、お前を襲わないようにって他の奴で発散しようとしたオレが悪い。」


こーは優しく頭を撫でてから腕を離した


「おいで」



手を差し出され、戸惑いながらも握ると凄い力で引き揚げられバランスを崩す


そのままこーの胸にダイブして鼻を打った


「いたい………」


「大丈夫か?」


クスクス笑う声が頭上から落ちてくる


この野郎…と見上げると、すっごく優しい笑顔で見られていてメチャクチャ恥ずかしくなった



「旬、傷つけてごめん。もう間違ったりしないから、俺と結婚してくれないか?」


………結婚?



「へ??結婚………?」


「今更付き合う必要はないだろ?何年一緒に過ごしてきたと思ってるんだ。
もう薬に頼らず眠って欲しいし、鬼畜キャラなんて演じて自分を守るんじゃなく、俺に守らせてほしい。
死ぬ時は一緒に死んでくれないか?」



…凄いプロポーズだ

でもそれが嬉しいと思う僕も相当なのかもしれない


「うん。もう僕以外の匂い付けないでね?」


「勿論。愛してる旬。」 


「僕も、コーを愛してる」



まさかこの旅行で、コーからプロポーズして貰えるなんて思いもしなかった

愛されてるなんて思ってもいなかった




「ベッド、行こうか」


「え……お風呂……」


「どうせドロドロになる。昼でいい。」


僕をヒョイっと抱っこしてベッドルームへ向かうこーに慌てる


「何で昼なんだよ!?」


「何年お預け食らってたと思ってんだ?1回や2回で終わるとは思ってないよな?」


「ヒッ!!!」


獲物を得た獣の様なギラついた目でニヤリと笑われた



「何だったら、お前の大好きな機械様も使ってやろうか?」


「絶対ダメ!!」


「じゃあ、俺自身で何度もイかしてやるよ。」



鼻歌まで口遊みだし、上機嫌なこーにいつ開放されるのだろうと不安を覚えた










目が覚めたのは13時


体がとても痛いです


結局何回したのかわかりません


意識を飛ばせば、強い快感で意識を戻され、また意識を飛ばす


その繰り返しでした


「起きたか?ほら、水」


光一が水を持って来てくれました

けど腰が抜けて動けません


モゴモゴしていると、またあの優しい笑顔を向けられ固まります


ヒョイっと起き上がらせてくれ、水も飲ませてくれました


「静流の所も晶の所も虎の所も、嫁さんがまだベッドから出れないみたいだから昼は各自って事になった。
何か食べたいものはあるか?」


…それって、皆自重しなかったって事ですか


「…フレンチトースト」


大学の時、よくこーが作ってくれた思い出の料理です


「わかった。でもその前に風呂入るか?」


「立てない」


ジトッと睨むと何が嬉しいのか凄く幸せそうな顔をされました

心臓がドキドキして苦しいので、そんな顔しないで欲しいです


「一緒に入ろうな。何でもしてやるから、してほしい事は俺に言えよ?」


「…うん」


そう言えば昔からこーは世話焼きでした

私が甘えると小言を言いながらも嬉しそうに世話を焼いてくれてました

何故忘れていたのでしょう?


「こー…いっぱい甘えていいですか?」


「当たり前だろ?俺だけに甘えろ。俺が居ないと生きていけないくらいに。」


「ふふふっ…はい!」


ギューっと抱きつけば、キスの雨が降ってきました



「後もう一回してから風呂な」


「え!?いや、もう無理…」


「夜しない分今しないとな?」


「いやいや………」


「ほら、ここは準備万端だ」


上掛けを剥がされスルリと秘部に指を這わせられる


「あっ……待って…………」


「ん?痛い?」


「痛くない………んぁ………」


ゆっくり入ってくる指が気持ちの良い所を掠めました

昨日散々教え込まれた快感を思い出し身体が疼き出します


「ここ、気持いい?」


グリっと指を回し的確に感じる所を攻めてきます


「んっ…気持ちぃ……ぁん………」


結局そのまま流されて2回ほど致してしまったのでした








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