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SIDE 謎の男
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彼に言われた通り18時に会合が開かれるホテルへやってきた
流石に西日本から有名なヤクザの組長達が集結するとあって、警備が凄い事になっている
受付で昼間に受け取った招待状を見せると席まで案内され、席に着くと注意事項を話された
会合中に会場の出入りを禁じる事、この席からは動かない事、他の方と話さない事
挨拶などはせずに大人しく座っていられない場合はすぐ別室へ連れて行かれるそうだ
私は会合が始まるギリギリの時間に到着したが、数席空いたままだ
既に別室へ連れて行かれた者がいるのだろう
案内してくれた男が去って少し経つと会場の照明が少し暗くなる
『皆様、大変お待たせいたしました。今から関西吾妻会の会合を始めます。本日は麒麟会から龍洞静流様がお越しくださっております。厳戒態勢を敷いてはおりますが、何事もなく終えれるよう皆様その場から立ち上がったり移動したりなさらないようご注意ください。それでは先ずは龍洞会長よりご挨拶を頂きます。龍洞会長、よろしくお願いします。』
司会進行を務める吾妻穂高は舞台袖に呼びかけた
屈強なボディーガードに四方を挟まれたまま現れた彼は穏やかな笑みをその顔に貼り付けていた
『ご紹介に預かりました麒麟会会長、龍洞静流です。本日は皆様の会合に参加させて頂きありがとうございます。
今日こうして参加させて頂いたのは2点皆様にご報告がございましたので、司会進行を務める我が親友の吾妻穂高に無理を言ってしまいました。
報告は後ほど時間を再度頂きさせて頂きます。
今日の会合が皆様にとって新たな飛躍のきっかけになる事を望んでおります。』
含みを持たせた言い方をわざとして、彼は壇上を降りていった
『では次に、今期引退される各組長並びに次期組長の紹介を行います。呼ばれた方は壇上にお上がりください。松下組松下秀俊さん……』
名前が呼ばれ始め次々に壇上へ上がっていく
6名が壇上に上がり次期組長となる者も名前を呼ばれた
各組の組長が次期組長へ代紋を譲り渡す
この時を持って新たな組長の誕生となる
東日本の組ではこのような事は行わないが、吾妻会では組長が引退する場合、会合の場で引退する事が決められている
『では次に西日本で起こっている抗争の件で各関係者からの報告と今後の吾妻会についてですが……その前に、もう一つ。今期我が橘組も当主が交代する運びとなりました。本日、組長である私の父がこの場にいないのは、現在警察にて取り調べを受けている為です。』
そう、昼に聞いた計画の一つは吾妻組長の身柄を拘束すること
この後のことを邪魔されない為にだ
会場内にざわめきが起きる
『今回の抗争は、吾妻会を分離させたい派閥ができそれを食い止める為その派閥を潰す事が目的なのではと警察は睨んでいるようです。
…ですが吾妻組長はそんな派閥が出来ていることさえ気づいていませんでしたので、すぐに釈放されるでしょう。
ですが吾妻会長の耳に今回の事が入ってしまい、急ではありますが当主の交代を決定された次第です。
会長は今後の吾妻会の全権限を私にお譲りくださり、本人も責任を取る形で会長を辞するとおっしゃいました。
ですので今後吾妻会には会長は不在とお考えください』
吾妻組若頭改め、組長となった穂高さんの言葉に喜ぶ者と焦りを見せる者が顕著に表情に現れる
『その証拠として、皆様へ会長からDVDを預かっています』
壇上の照明が落とされ映像が流れ出す
映っているのは会長と会長秘書の2人
今回の抗争への怒気が映像からも伝わってくる
穂高さんに全権限を譲ると言う言葉に否と言える者は少ないだろう
流石吾妻会を創り上げた男である
歳を取った分貫禄が増している
映像が終わり壇上が明るくなる
『会長のお言葉により、今この時を持って私が吾妻会のトップとならせて頂きます。反論のある方はどうぞ挙手なさってください。』
その言葉に、先程焦りを見せていたものが目配せし手を上げだす
…………本当に罠に掛かった
彼が描いた絵の通りに……
『では挙手なさった皆さん、どうぞ壇上に。』
穂高さんに促され壇上に上がって行く面々
それを見ている者達からはざわめきが聞こえる
その隙に私の部下が持ち場に着く
壇上に上がり終わり穂高さんと向かい合うように並ぶ面々はニヤニヤした顔を隠そうともしていない
『では、反対意見をどうぞ。』
穂高さんはにこやかに相手を促した
「今迄、吾妻会組長がしてきた事の責任は誰がとる?」
「まだ若造の若頭がこの巨大な組織の親なんぞ務まるわけがない」
「組長だけでなく、末娘も色々と問題を起こしている。そんな組がトップに立つのは如何なものか。」
「吾妻会は会長が居てこその吾妻会。会長が引退されるなら、吾妻会も解散するべきだ!」
「そうだ!俺達は会長がいたからこそ吾妻会に入っているんだ!若造の下になんぞつけるか!」
我先にと口々に喋りだす彼らを穂高さんは面白そうに見ていた
『……言いたい事はそれだけか?』
「何?!」
穂高さんの言葉に壇上の者達は怒りを顕にする
『会長が居たから吾妻会に入っている、吾妻会も解散すべき。まぁ真っ当な意見に聞こえるが……残念だがお前達は既に吾妻会の人間ではない。』
「…は?」
「何を言っている?」
壇上の奴らは理解できず首をかしげる
『この会場に居る他の者達は周知の事実だぞ?お前達が既に破門されている事。
お前達がした事を俺が知ら無いとでも思っていたか。本当に滑られたもんだな。お前達は吾妻組の古株と手を組み警察にマークされる様な事を吾妻会に黙って何件もやっているな?お前等がやってきた事を一つ一つ上げてやろうか?
先ずは薬の密売、ミナミで外人に売り捌かせて懐を温めてるよなぁ。そして金融業の裏での売春斡旋。借金で首が回らなくなった奴を会員制のクラブで働かせて無理矢理売春をやらせてるだろ。そこから逃げ出そうとした奴は海外へ売り飛ばしている。
それから………』
次々に彼らが犯した罪が暴露されていく
「あ………吾妻会もやってるじゃないか!!」
耐えきれなくなったのか、一人の男が叫んだ
『吾妻会が?証拠は?』
馬鹿にするようにフッと笑った穂高さん
そう、吾妻会は黒に近い灰色
実際吾妻会も同じ事…いや、それよりもエゲツない事を裏の世界の者に行っている
だが証拠など一切痕跡を残さないし、法律で裁けない者達にしか基本手を出していないようなので警察は手を出す事はないのだ
たまに正義感を振りかざした青二才の刑事が吾妻会を調べたりしているが無駄骨を折る
だが彼らは違った
後ろ盾が無いとここ迄違うのか、セイさんから渡された書類に事細かに書かれた証拠類
勿論その証拠品が何処に有るのかまで鮮明に書かれていた
あれだけ証拠品が揃っていたので直ぐに逮捕状が準備できた
『お前達は吾妻会を潰し新しく関西連合会を創ろうと計画した。そこで邪魔になるであろう組に痛手を負わせる為に吾妻組の直傘の組を次々に襲った。顔を隠していても無駄だったんだよ。気づかなかったか?お前達の組には元々俺の部下がスパイとして入り込んでいたことを。』
彼等焦りを見せ後ずさる
だが彼らを囲うように舞台袖から数人の男達が出て来た
きっと彼らがそのスパイの穂高さんの部下なのだろう
彼らは男達を見ると真っ青になった
『コイツらから報告は受けていた。吾妻組長へ裏切り者が居ると助言もしたが、聞く耳を持たなかった。だがお前達が色々と仕出かしてくれたお陰で吾妻会の大掃除が今回できる。礼を言うよ。』
穂高さんはそう言ってニッコリと笑った
『さて、お前達はもう吾妻会の人間ではないからこちらで罪を裁く事が出来ない。だがそれでは襲撃された組もお前達に陥れられた人達も納得できないだろう。と言うことで、カタギになったお前達は法によって裁かれるよう手配してやった。』
その言葉に会場の明かりが全て付いた
ざわつく会場を見回してから立ち上がる
「警視庁特別捜査犯罪組織課だ。罪状は十数個にも及ぶお前達を連行しに来た。大人しく身柄を受け渡せば手錠をかけるだけだが、大人しく出来ない場合は刑法130条に置いて生命に危険が及ばない程度に取り押さえる事になる。」
日本が傾きかけた時この国の憲法が見直された
103条迄しか無かった憲法も時代と共に増え、内容も大分変わった
これも麒麟会が有ってこその事だ
この期に及んで逃げ出そうとする彼らを私の部下が力尽くで取り押さえる
連行中に暴れない様フルボッコにし、ぐったりした彼らに手錠と猿轡を咬ませ連行した
昔は犯罪者にも人権云々あったが、今は犯罪の種類や頻度等に応じて人権が適用されない場合がある
「吾妻さんこの度はご協力頂きありがとうございました。皆様も、お騒がせいたしまして誠に申し訳ございません。私共はこれにて失礼致します。」
一礼してから会場を後にした
さぁ、これから彼らを締め上げなければ
私は緩む口元を手の平で隠しながら署へ向かった
流石に西日本から有名なヤクザの組長達が集結するとあって、警備が凄い事になっている
受付で昼間に受け取った招待状を見せると席まで案内され、席に着くと注意事項を話された
会合中に会場の出入りを禁じる事、この席からは動かない事、他の方と話さない事
挨拶などはせずに大人しく座っていられない場合はすぐ別室へ連れて行かれるそうだ
私は会合が始まるギリギリの時間に到着したが、数席空いたままだ
既に別室へ連れて行かれた者がいるのだろう
案内してくれた男が去って少し経つと会場の照明が少し暗くなる
『皆様、大変お待たせいたしました。今から関西吾妻会の会合を始めます。本日は麒麟会から龍洞静流様がお越しくださっております。厳戒態勢を敷いてはおりますが、何事もなく終えれるよう皆様その場から立ち上がったり移動したりなさらないようご注意ください。それでは先ずは龍洞会長よりご挨拶を頂きます。龍洞会長、よろしくお願いします。』
司会進行を務める吾妻穂高は舞台袖に呼びかけた
屈強なボディーガードに四方を挟まれたまま現れた彼は穏やかな笑みをその顔に貼り付けていた
『ご紹介に預かりました麒麟会会長、龍洞静流です。本日は皆様の会合に参加させて頂きありがとうございます。
今日こうして参加させて頂いたのは2点皆様にご報告がございましたので、司会進行を務める我が親友の吾妻穂高に無理を言ってしまいました。
報告は後ほど時間を再度頂きさせて頂きます。
今日の会合が皆様にとって新たな飛躍のきっかけになる事を望んでおります。』
含みを持たせた言い方をわざとして、彼は壇上を降りていった
『では次に、今期引退される各組長並びに次期組長の紹介を行います。呼ばれた方は壇上にお上がりください。松下組松下秀俊さん……』
名前が呼ばれ始め次々に壇上へ上がっていく
6名が壇上に上がり次期組長となる者も名前を呼ばれた
各組の組長が次期組長へ代紋を譲り渡す
この時を持って新たな組長の誕生となる
東日本の組ではこのような事は行わないが、吾妻会では組長が引退する場合、会合の場で引退する事が決められている
『では次に西日本で起こっている抗争の件で各関係者からの報告と今後の吾妻会についてですが……その前に、もう一つ。今期我が橘組も当主が交代する運びとなりました。本日、組長である私の父がこの場にいないのは、現在警察にて取り調べを受けている為です。』
そう、昼に聞いた計画の一つは吾妻組長の身柄を拘束すること
この後のことを邪魔されない為にだ
会場内にざわめきが起きる
『今回の抗争は、吾妻会を分離させたい派閥ができそれを食い止める為その派閥を潰す事が目的なのではと警察は睨んでいるようです。
…ですが吾妻組長はそんな派閥が出来ていることさえ気づいていませんでしたので、すぐに釈放されるでしょう。
ですが吾妻会長の耳に今回の事が入ってしまい、急ではありますが当主の交代を決定された次第です。
会長は今後の吾妻会の全権限を私にお譲りくださり、本人も責任を取る形で会長を辞するとおっしゃいました。
ですので今後吾妻会には会長は不在とお考えください』
吾妻組若頭改め、組長となった穂高さんの言葉に喜ぶ者と焦りを見せる者が顕著に表情に現れる
『その証拠として、皆様へ会長からDVDを預かっています』
壇上の照明が落とされ映像が流れ出す
映っているのは会長と会長秘書の2人
今回の抗争への怒気が映像からも伝わってくる
穂高さんに全権限を譲ると言う言葉に否と言える者は少ないだろう
流石吾妻会を創り上げた男である
歳を取った分貫禄が増している
映像が終わり壇上が明るくなる
『会長のお言葉により、今この時を持って私が吾妻会のトップとならせて頂きます。反論のある方はどうぞ挙手なさってください。』
その言葉に、先程焦りを見せていたものが目配せし手を上げだす
…………本当に罠に掛かった
彼が描いた絵の通りに……
『では挙手なさった皆さん、どうぞ壇上に。』
穂高さんに促され壇上に上がって行く面々
それを見ている者達からはざわめきが聞こえる
その隙に私の部下が持ち場に着く
壇上に上がり終わり穂高さんと向かい合うように並ぶ面々はニヤニヤした顔を隠そうともしていない
『では、反対意見をどうぞ。』
穂高さんはにこやかに相手を促した
「今迄、吾妻会組長がしてきた事の責任は誰がとる?」
「まだ若造の若頭がこの巨大な組織の親なんぞ務まるわけがない」
「組長だけでなく、末娘も色々と問題を起こしている。そんな組がトップに立つのは如何なものか。」
「吾妻会は会長が居てこその吾妻会。会長が引退されるなら、吾妻会も解散するべきだ!」
「そうだ!俺達は会長がいたからこそ吾妻会に入っているんだ!若造の下になんぞつけるか!」
我先にと口々に喋りだす彼らを穂高さんは面白そうに見ていた
『……言いたい事はそれだけか?』
「何?!」
穂高さんの言葉に壇上の者達は怒りを顕にする
『会長が居たから吾妻会に入っている、吾妻会も解散すべき。まぁ真っ当な意見に聞こえるが……残念だがお前達は既に吾妻会の人間ではない。』
「…は?」
「何を言っている?」
壇上の奴らは理解できず首をかしげる
『この会場に居る他の者達は周知の事実だぞ?お前達が既に破門されている事。
お前達がした事を俺が知ら無いとでも思っていたか。本当に滑られたもんだな。お前達は吾妻組の古株と手を組み警察にマークされる様な事を吾妻会に黙って何件もやっているな?お前等がやってきた事を一つ一つ上げてやろうか?
先ずは薬の密売、ミナミで外人に売り捌かせて懐を温めてるよなぁ。そして金融業の裏での売春斡旋。借金で首が回らなくなった奴を会員制のクラブで働かせて無理矢理売春をやらせてるだろ。そこから逃げ出そうとした奴は海外へ売り飛ばしている。
それから………』
次々に彼らが犯した罪が暴露されていく
「あ………吾妻会もやってるじゃないか!!」
耐えきれなくなったのか、一人の男が叫んだ
『吾妻会が?証拠は?』
馬鹿にするようにフッと笑った穂高さん
そう、吾妻会は黒に近い灰色
実際吾妻会も同じ事…いや、それよりもエゲツない事を裏の世界の者に行っている
だが証拠など一切痕跡を残さないし、法律で裁けない者達にしか基本手を出していないようなので警察は手を出す事はないのだ
たまに正義感を振りかざした青二才の刑事が吾妻会を調べたりしているが無駄骨を折る
だが彼らは違った
後ろ盾が無いとここ迄違うのか、セイさんから渡された書類に事細かに書かれた証拠類
勿論その証拠品が何処に有るのかまで鮮明に書かれていた
あれだけ証拠品が揃っていたので直ぐに逮捕状が準備できた
『お前達は吾妻会を潰し新しく関西連合会を創ろうと計画した。そこで邪魔になるであろう組に痛手を負わせる為に吾妻組の直傘の組を次々に襲った。顔を隠していても無駄だったんだよ。気づかなかったか?お前達の組には元々俺の部下がスパイとして入り込んでいたことを。』
彼等焦りを見せ後ずさる
だが彼らを囲うように舞台袖から数人の男達が出て来た
きっと彼らがそのスパイの穂高さんの部下なのだろう
彼らは男達を見ると真っ青になった
『コイツらから報告は受けていた。吾妻組長へ裏切り者が居ると助言もしたが、聞く耳を持たなかった。だがお前達が色々と仕出かしてくれたお陰で吾妻会の大掃除が今回できる。礼を言うよ。』
穂高さんはそう言ってニッコリと笑った
『さて、お前達はもう吾妻会の人間ではないからこちらで罪を裁く事が出来ない。だがそれでは襲撃された組もお前達に陥れられた人達も納得できないだろう。と言うことで、カタギになったお前達は法によって裁かれるよう手配してやった。』
その言葉に会場の明かりが全て付いた
ざわつく会場を見回してから立ち上がる
「警視庁特別捜査犯罪組織課だ。罪状は十数個にも及ぶお前達を連行しに来た。大人しく身柄を受け渡せば手錠をかけるだけだが、大人しく出来ない場合は刑法130条に置いて生命に危険が及ばない程度に取り押さえる事になる。」
日本が傾きかけた時この国の憲法が見直された
103条迄しか無かった憲法も時代と共に増え、内容も大分変わった
これも麒麟会が有ってこその事だ
この期に及んで逃げ出そうとする彼らを私の部下が力尽くで取り押さえる
連行中に暴れない様フルボッコにし、ぐったりした彼らに手錠と猿轡を咬ませ連行した
昔は犯罪者にも人権云々あったが、今は犯罪の種類や頻度等に応じて人権が適用されない場合がある
「吾妻さんこの度はご協力頂きありがとうございました。皆様も、お騒がせいたしまして誠に申し訳ございません。私共はこれにて失礼致します。」
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