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四 : 根張 - (14) 久通の意思
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「金吾殿はよろしいのですか!? このままでは松永家は滅んでしまいますぞ!!」
茶室から出て先導しようとする久通の腕を掴まえ、信忠は久秀に聞こえないよう声を落として迫る。
嫡男で現当主の久通から説得してもらえれば、意思の固い久秀は一考するかも知れない。一縷の望みを久通に見出した信忠は必至だった。
すると、久通は信忠の掴んだ手にそっと片方の手を覆いながら、静かに返した。
「……もし、仮に織田家が存亡の瀬戸際に立たされたとして、上様は勘九郎様の意見で考えを変えて下さると思われますか?」
その一言で、信忠は全てを悟った。そして、自らの視野が狭まっていた事を恥じた。
一代で家名を全国に轟かせる程に押し上げた非凡の才能を発揮した父に、平凡な子が意見など出来ようか。意見したとしても耳を傾けてくれるとは、到底思えない。久秀の判断が間違っていたと久通が思っても、父の意思や判断を変えられるだけの力を持っていない。久通が久秀の決定を受け入れるのか正しくないと考えているのか分からないが、偉大な父の前に無力である事に違いはなかった。
掴んでいた手が緩み、だらんと下がる腕。唇を噛む信忠へ、穏やかな表情で久通は語り掛ける。
「私は父に感謝しています。私一人だけなら松永の家はここまで大きく出来ませんでしたし、今日まで家名を保たせる事は出来なかったでしょう。父が上様の要求を呑めないならば、私もそれに従うまでです。松永家も小なれど意地があります故」
「……父君と袂を分かって、松永家を残そうとはお考えになられなかったのですか?」
信忠の提案に、久通は黙って首を振る。
「上様に刃向かったのは父ですが、それに従うと決めたのは私です。謀叛の起こした段階で行動を共にした時点で、上様は私も敵と認識しておられるでしょう。それに、父より才で劣る私を、上様がお認め下さるとは思えません」
淡々と答える久通。それに反論したい信忠だが、喉から言葉が出なかった。
久通の言う通りだ。父が欲しているのは“久秀が居る松永家”であり、“久通の居る松永家”ではない。松永家は大和国の北部を領有する程度で、今の織田家に同じくらいの規模の国人は数多存在する。久秀という稀有な存在が居たからこそ特別扱いを受けていたのであり、悲しいが久秀の居ない松永家を存続させるだけの魅力が無いのだ。
何も言い返せず俯く信忠の肩に手を置いた久通は、優しい笑みを浮かべながら言った。
「父の所為で巻き込まれたとは、これっぽっちも思っておりません。父のお蔭で良い思いをさせてもらいました。私の人生に悔いはありません」
真っ直ぐに語る久通。その姿は、信忠の目には久秀と瓜二つに映った。
悔いはありませんと言い切られた以上、久通を説得しようという気持ちは信忠の中から消えていた。「自分の力で何とかなるかも」と考えていた自分を、今は烏滸がましいと思えた。
「ささ、参りましょう。宗久殿がお待ちです」
「……はい」
内からこみ上げてくる涙をグッと堪えながら、信忠は一歩を踏み出した。先を行く久通の背中が、先程よりも大きく感じた。
茶室の周りを散策していた宗久と合流した後、来た時と同じように久通の先導で正門まで案内された。無事に城外へ送り出した久通は、門が完全に閉まるその時まで宗久一行に頭を下げ続けた。
極秘任務を終えた三人は信忠の本陣へ戻り、宗久を粗茶で持て成した。陣中なので近習が煎れた煎茶という簡素な形だったが、一服した事でひと心地ついた感じだ。
信忠は今回の件で多大な貢献をしてくれた宗久にまず感謝を伝え、会談が不首尾に終わった事を報告し、自らの力不足を詫びた。
宗久は黙って話を聞いていたが、事の顛末を知るとポツリと漏らした。
「……上様も酷なことを仰られましたなぁ」
誰に言うでもない言葉が、ふわふわと宙を漂う。信忠は茶碗の中の水面をじっと見つめる。宗久が茶を啜る音が、思いの外大きく響いた。
さらに、宗久は独り言を呟くように続ける。
「弾正様も、古天明平蜘蛛以外でしたら喜んで差し出したでしょうに。その点では、上様も読み違われたのかも知れません」
一つ間違えれば天下人である信長批判とも捉えられかねない発言だが、この場には共に行動した三人しか居ない。本来であれば咎めるべき立場にある信忠も、宗久と同意見だったので何も言えなかった。
ふと湧いた疑問を、信忠は宗久にぶつけてみる。
「……宗久殿も、命と同等の価値を持つ逸品はありますか?」
「そうですなぁ。私でしたら師匠・紹鴎から譲り受けた茶器ですかねぇ。価値だけでなく想い出も詰まっておりますから、幾ら大金を積まれても他人に渡したくありませんな」
宗久は紹鴎の娘婿という間柄から、師である紹鴎の死後は家財茶器等を全て引き取っている(尚、紹鴎の遺産については所有権を巡って紹鴎の息子・宗瓦と裁判で争っていたが、信長の裁定で宗久の勝利となっている)。天下の名品と名高い紹鴎茄子茶入を始めとした品々は茶人達から垂涎の的となっているが、宗久に譲る気は更々無かった。
「そういった意味では、弾正様の御気持ちが分からなくもありません。されど……如何なる脅しにも屈せずに自らの矜持を貫き通すのは生半な覚悟がないと出来ません。誰だって命の危険が差し迫っていれば、我が身可愛さで転ぶものです」
久秀の心境に同調しながら、自分には無理だと言わんばかりに深い溜め息を吐く宗久。
平蜘蛛の釜を“某の命同然”と公言していた久秀にとって、それを失う事は魂を奪われるに等しい扱いだっただろう。生命や財産が脅かされれば泣く泣く手放す選択をする者が大多数の中、久秀は意地を貫く事を決めた。宗久の指摘した通り、生半な覚悟では出来ない。信忠が同じ立場に立たされた時、潔く命を差し出す決断をしただろうか。……否、無理だ。
「弾正様をよく存じない人からすれば『たかが茶釜一つで命を捨てるとは愚かだ、狂ってる』と仰るでしょうが……私は、あの御方がとても羨ましい」
宗久は漆黒に染まる天を仰ぎながら、呟いた。信忠もこれから対峙しなければならない敵である久秀に、同じような思いを抱いていた。
十月五日の攻防では勝利を収めた松永方だったが、翌日に再開された戦では数で大きく上回る織田方が徐々に押し始めた。『多聞山日記』の十月九日付で“夕六ツ過ヨリ信貴山城猛火天ニ耀テ見了”とする記載があり、城が燃えているのが見られるなどかなり追い詰められた状況となっているのが推察出来る。あと一押しだと判断した信忠は翌十日に全軍で総攻めを命じた。
松永勢も弓や鉄砲を放つなど必死の抵抗を見せるも、衆寡敵にせず。信貴山城は火に包まれた。久秀・久通は自害。久秀、享年六十八。久通、享年三十五。奇しくも、十年前に東大寺を焼き討ちにした日と重なった。
信長が欲していた平蜘蛛の釜は、落城後の捜索でも見つからなかった。一説では久秀が自害直前に叩き割ったとも、火薬を詰めた釜を抱えた久秀が自ら火を放ち爆発四散したともされるが、真相は定かでない。
勝ち鬨を挙げる中、炎上する信貴山城を信忠は寂し気に見つめていた。何を思っていたかまでは、誰にも分からなかった。
世間にその悪名を轟かせた“梟雄”松永久秀は、戦国乱世を生き抜いてきた者に相応しい最期だった。
茶室から出て先導しようとする久通の腕を掴まえ、信忠は久秀に聞こえないよう声を落として迫る。
嫡男で現当主の久通から説得してもらえれば、意思の固い久秀は一考するかも知れない。一縷の望みを久通に見出した信忠は必至だった。
すると、久通は信忠の掴んだ手にそっと片方の手を覆いながら、静かに返した。
「……もし、仮に織田家が存亡の瀬戸際に立たされたとして、上様は勘九郎様の意見で考えを変えて下さると思われますか?」
その一言で、信忠は全てを悟った。そして、自らの視野が狭まっていた事を恥じた。
一代で家名を全国に轟かせる程に押し上げた非凡の才能を発揮した父に、平凡な子が意見など出来ようか。意見したとしても耳を傾けてくれるとは、到底思えない。久秀の判断が間違っていたと久通が思っても、父の意思や判断を変えられるだけの力を持っていない。久通が久秀の決定を受け入れるのか正しくないと考えているのか分からないが、偉大な父の前に無力である事に違いはなかった。
掴んでいた手が緩み、だらんと下がる腕。唇を噛む信忠へ、穏やかな表情で久通は語り掛ける。
「私は父に感謝しています。私一人だけなら松永の家はここまで大きく出来ませんでしたし、今日まで家名を保たせる事は出来なかったでしょう。父が上様の要求を呑めないならば、私もそれに従うまでです。松永家も小なれど意地があります故」
「……父君と袂を分かって、松永家を残そうとはお考えになられなかったのですか?」
信忠の提案に、久通は黙って首を振る。
「上様に刃向かったのは父ですが、それに従うと決めたのは私です。謀叛の起こした段階で行動を共にした時点で、上様は私も敵と認識しておられるでしょう。それに、父より才で劣る私を、上様がお認め下さるとは思えません」
淡々と答える久通。それに反論したい信忠だが、喉から言葉が出なかった。
久通の言う通りだ。父が欲しているのは“久秀が居る松永家”であり、“久通の居る松永家”ではない。松永家は大和国の北部を領有する程度で、今の織田家に同じくらいの規模の国人は数多存在する。久秀という稀有な存在が居たからこそ特別扱いを受けていたのであり、悲しいが久秀の居ない松永家を存続させるだけの魅力が無いのだ。
何も言い返せず俯く信忠の肩に手を置いた久通は、優しい笑みを浮かべながら言った。
「父の所為で巻き込まれたとは、これっぽっちも思っておりません。父のお蔭で良い思いをさせてもらいました。私の人生に悔いはありません」
真っ直ぐに語る久通。その姿は、信忠の目には久秀と瓜二つに映った。
悔いはありませんと言い切られた以上、久通を説得しようという気持ちは信忠の中から消えていた。「自分の力で何とかなるかも」と考えていた自分を、今は烏滸がましいと思えた。
「ささ、参りましょう。宗久殿がお待ちです」
「……はい」
内からこみ上げてくる涙をグッと堪えながら、信忠は一歩を踏み出した。先を行く久通の背中が、先程よりも大きく感じた。
茶室の周りを散策していた宗久と合流した後、来た時と同じように久通の先導で正門まで案内された。無事に城外へ送り出した久通は、門が完全に閉まるその時まで宗久一行に頭を下げ続けた。
極秘任務を終えた三人は信忠の本陣へ戻り、宗久を粗茶で持て成した。陣中なので近習が煎れた煎茶という簡素な形だったが、一服した事でひと心地ついた感じだ。
信忠は今回の件で多大な貢献をしてくれた宗久にまず感謝を伝え、会談が不首尾に終わった事を報告し、自らの力不足を詫びた。
宗久は黙って話を聞いていたが、事の顛末を知るとポツリと漏らした。
「……上様も酷なことを仰られましたなぁ」
誰に言うでもない言葉が、ふわふわと宙を漂う。信忠は茶碗の中の水面をじっと見つめる。宗久が茶を啜る音が、思いの外大きく響いた。
さらに、宗久は独り言を呟くように続ける。
「弾正様も、古天明平蜘蛛以外でしたら喜んで差し出したでしょうに。その点では、上様も読み違われたのかも知れません」
一つ間違えれば天下人である信長批判とも捉えられかねない発言だが、この場には共に行動した三人しか居ない。本来であれば咎めるべき立場にある信忠も、宗久と同意見だったので何も言えなかった。
ふと湧いた疑問を、信忠は宗久にぶつけてみる。
「……宗久殿も、命と同等の価値を持つ逸品はありますか?」
「そうですなぁ。私でしたら師匠・紹鴎から譲り受けた茶器ですかねぇ。価値だけでなく想い出も詰まっておりますから、幾ら大金を積まれても他人に渡したくありませんな」
宗久は紹鴎の娘婿という間柄から、師である紹鴎の死後は家財茶器等を全て引き取っている(尚、紹鴎の遺産については所有権を巡って紹鴎の息子・宗瓦と裁判で争っていたが、信長の裁定で宗久の勝利となっている)。天下の名品と名高い紹鴎茄子茶入を始めとした品々は茶人達から垂涎の的となっているが、宗久に譲る気は更々無かった。
「そういった意味では、弾正様の御気持ちが分からなくもありません。されど……如何なる脅しにも屈せずに自らの矜持を貫き通すのは生半な覚悟がないと出来ません。誰だって命の危険が差し迫っていれば、我が身可愛さで転ぶものです」
久秀の心境に同調しながら、自分には無理だと言わんばかりに深い溜め息を吐く宗久。
平蜘蛛の釜を“某の命同然”と公言していた久秀にとって、それを失う事は魂を奪われるに等しい扱いだっただろう。生命や財産が脅かされれば泣く泣く手放す選択をする者が大多数の中、久秀は意地を貫く事を決めた。宗久の指摘した通り、生半な覚悟では出来ない。信忠が同じ立場に立たされた時、潔く命を差し出す決断をしただろうか。……否、無理だ。
「弾正様をよく存じない人からすれば『たかが茶釜一つで命を捨てるとは愚かだ、狂ってる』と仰るでしょうが……私は、あの御方がとても羨ましい」
宗久は漆黒に染まる天を仰ぎながら、呟いた。信忠もこれから対峙しなければならない敵である久秀に、同じような思いを抱いていた。
十月五日の攻防では勝利を収めた松永方だったが、翌日に再開された戦では数で大きく上回る織田方が徐々に押し始めた。『多聞山日記』の十月九日付で“夕六ツ過ヨリ信貴山城猛火天ニ耀テ見了”とする記載があり、城が燃えているのが見られるなどかなり追い詰められた状況となっているのが推察出来る。あと一押しだと判断した信忠は翌十日に全軍で総攻めを命じた。
松永勢も弓や鉄砲を放つなど必死の抵抗を見せるも、衆寡敵にせず。信貴山城は火に包まれた。久秀・久通は自害。久秀、享年六十八。久通、享年三十五。奇しくも、十年前に東大寺を焼き討ちにした日と重なった。
信長が欲していた平蜘蛛の釜は、落城後の捜索でも見つからなかった。一説では久秀が自害直前に叩き割ったとも、火薬を詰めた釜を抱えた久秀が自ら火を放ち爆発四散したともされるが、真相は定かでない。
勝ち鬨を挙げる中、炎上する信貴山城を信忠は寂し気に見つめていた。何を思っていたかまでは、誰にも分からなかった。
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(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
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