信忠 ~“奇妙”と呼ばれた男~

佐倉伸哉

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一 : 黎明 - (12) 隆佐

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 それからしばらく二人は待ったものの、が傾いても隆佐が現れる気配はなかった。そもそも、来訪の約束もせずに飛び込みで来た奇妙丸達は待たされるのを覚悟していたから、文句は言えない。
 奇妙丸は待っている間も、姿勢を崩さずに座っていた。誰かが四六時中見ている筈ではないのだが、気が緩んだ瞬間を他人に目撃されるのは織田家の嫡男として恥ずべき事なので、自らを厳しく律していた。傍らに控える新左もそれにならい、背筋を正す。
 二人は隆佐が現れるまで粘る腹積もりだったが、そろそろ夕餉ゆうげの時刻が迫って来ると決意が揺らぎ始めた。流石に他人ひと様の団欒だんらんに居座るのはよろしくないと思うので、そうなった時はおいとまするつもりだ。
 そんな事を考えていると、奥から歩いてくる足音が近付いてきた。奇妙丸達がこの客間に通されてから出入りしているのは一人だけで、足音も一緒である。
「失礼致します」
 部屋へ入る前に一礼するワクサ。今回は盆ではなく火をともした手燭てしょくを持っている。
 夕暮れ時となり、室内もかなり暗くなっている。ワクサは部屋に置かれた燈明とうみょうに火を移すと、炎の柔らかな明かりが室内を照らしてくれた。
 もう、そんな時間か。奇妙丸がチラリと見ると、新左も応じるように一つ頷いた。それを合図に、奇妙丸はワクサに話し掛ける。
「ワクサ様、我々はそろそろお暇しようと思います」
「あら、それは困りましたわね……」
 奇妙丸の言葉に、ワクサは困ったような顔をする。
「実は、旦那様の帰りを長いこと待たせているお二方にせめてものおもてなしをと、夕食の用意をしていたのですが……」
 戸惑いを見せるワクサに対し、今度は奇妙丸達の方が驚く番だった。いきなり押し掛けた身でありながら夕餉までご馳走になるのは、流石に如何いかがなものかと思う。奇妙丸は慌てた様子で手を振った。
「いえいえ、そこまで甘える訳にはいきません!」
「いいえ。長い間お待たせしている客人に何も出さないのは、私共の面目が立ちませぬ」
 奇妙丸は固辞しようとするが、ワクサの方も引くつもりは無いらしい。互いに譲り合いが延々と続く内に、押し問答になった。
 その様子に新左が間に入ろうか躊躇ためらっていると、不意に割って入る声が掛けられた。
「何をしているのだ」
 声のした方に三人が顔を向けると、一人の男性が廊下に立っていた。
「これは、旦那様。お帰りなさいませ」
 ワクサがうやうやしく頭を下げる。“旦那様”とワクサが口にしたということは……。
「ご挨拶が遅れました。小西隆佐にございます」
 隆佐は奇妙丸と新左の方を向き、深々と頭を下げる。
 小西隆佐。堺で薬種やくしゅ問屋を営む商人だが、敬虔けいけんな吉利支丹として名の知れた人物だ。
 天文二十年、豪商日比野了珪りょうけいの仲介で上洛してきたフランシスコ・ザビエルの京都滞在中の世話役を務めたのをきっかけに、キリスト教と関わりを持つことになる。仲介した了珪も“ディオゴ了珪”の洗礼名を持ち、キリスト教と深い繋がりのある人物だった。
永禄八年、ガスパル・ヴィエラから洗礼を受けた隆佐は吉利支丹となった。洗礼名は“ジョウチン”。同年、足利義輝が“永禄の変”で殺害され京から宣教師が追放された際には、ルイス・フロイスやガスパル・ヴィエラ達を安全な場所まで避難する手助けをしたとされる。
「この度は奇妙丸様がたがいらっしゃるとは露とも知らず、長らくお待たせしてしまい申し訳ありません」
「いえ……こちらこそ急な訪問にも拘わらず待たせて頂き、ありがとうございます」
 隆佐が丁重に謝罪すると、奇妙丸も恐縮したように応える。まだ十三歳で世間的にはまだ子どもの奇妙丸に対する言動も、普通の大人が大切な客人と接すようような態度で隆佐は応対してくれた。
「非礼のお詫び……と言っては何ですが、夕食の方を御用意致しました。よろしければ、召し上がって頂けないでしょうか?」
 本来であれば門前払いにされても文句は言えないのに、隆佐は自らに非があると述べた。そこまで言われてしまうと断る事が逆に失礼に当たるので、奇妙丸も受けざるを得なかった。あれだけ揉めていた出来事もすんなりと収まってしまい、奇妙丸は呆気に取られた。
 既に支度は整っていたようで、間を置かずワクサと下女が膳を運んできた。五分づきの玄米に汁物、焼き魚、青菜の和え物、根菜と豆腐の煮物。豪商だからもっと豪勢な献立と想像していた奇妙丸は少しだけホッとした。奇妙丸は母・吉乃と暮らしていた生駒家の屋敷で食べていた物はもう少し簡素なものか品数が少なかったので、少し懐かしくもあった。
「では、いただきます」
 奇妙丸は手を合わせてから、煮物を口に運ぶ。静かに咀嚼そしゃくする奇妙丸に、隆佐が訊ねてきた。
「……いかがですか? お口に合いましたでしょうか?」
 口の中にある物を飲み込んでから、奇妙丸はゆったりとした口調で応えた。
「とても美味しいです。美味し過ぎて、ご飯が足りないかも知れません」
「それは良かった。奇妙丸様は育ち盛りの年頃ですので、遠慮なく食べて下され」
 奇妙丸の答えに、隆佐は心の底からホッとした表情を浮かべる。その反応に奇妙丸は些[いささ]か引っ掛かる。奇妙丸は昨年の上洛から急速に影響力を拡大させつつある織田信長の嫡男ではあるが、細部に至るまで気を配らなければならない程の要人ではない。
 訳が分からず小首をかしげる奇妙丸に、隆佐は神経を使った理由を明かしてくれた。
「坪内石斎せきさい殿の一件がありましたので、京風の味付けは好まれないものかと内心ヒヤヒヤしておりました」
 坪内石斎は元々三好家の御賄頭まかないがしらを務めていたが、昨年信長が上洛すると石斎は捕らえられてしまった。当初信長は処罰しようと考えていたが、石斎の料理人としての腕を惜しんだ織田家の御賄頭の市原五右衛門ごえもんが「当家で召し抱えてはどうか?」と進言した。信長はこの進言を受け容れ、試しに石斎に料理を作らせてみることにした。だが、信長は石斎の作った料理を一口食べると激怒し、即刻処刑するよう命じた。
 一方の石斎。信長が激怒したと聞かされると、落ち着いた口調で「もう一度だけ作らせてほしい。それで気に入らなければ腹を切る」と伝えた。翌日、石斎の作った料理を口にした信長は大層気に入った様子で、その場で召し抱える事を決定した。
 後日、石斎に何があったか訊ねてみると、「初日は京風の味付け、次の日は田舎風の味付けをしたまで」と種明かしをしてくれた。尾張で生まれ育った信長は濃い味付けに舌が慣れていた為、出来るだけ素材の味を引き出すべく薄味に仕上げた料理を食べた時に「味がしない、水っぽい」と腹を立てたという。だから、今度は醤油や味噌をたっぷり使い田舎者の信長好みの味付けにした……という訳だ。
 信長も信長で、腕は確かだが京風のやり方を貫いている石斎の姿勢に“お高く止まりやがって”と苛立ちを覚えたが、信長の舌に合わせた柔軟な思考を持っていると分かると対応を改めた。新たな時代に適応しようとする有能な者に対しては寛大な姿勢をとる信長の性格を端的に表している逸話とも言える。
 ただ、石斎を巡る一連の経緯について、奇妙丸は全く知らない。隆佐から大まかに流れを説明されても「あの父ならそうだろうな」としか思わなかった。
 その後は、隆佐の家族や奇妙丸の生い立ちなど当たりさわりのない話が続いた。隆佐には四人の男子と一人の娘が居て、長男の如清じょせいは既に成人していて家業を手伝っているという。永禄元年に生まれた次男の弥九郎やくろうは奇妙丸の一つ年下になるので会いたかったが、養子に出されていると聞かされて少し残念に思った。
 食事が終わり、膳が下げられてほうじ茶が出された頃合で、不意に隆佐の方から切り出してきた。
「さて……お腹も満たされましたので、本日の用向きをお伺い致しましょうか」
 遂に、来た。奇妙丸はお茶で喉を湿しめらせると、居住まいを正してから口を開いた。
「隆佐様はフロイス殿の側についている、伝兵衛という御仁ごじんを知っていますか?」
「……はい。多少は」
 奇妙丸の問いに、落ち着いた様子で答える隆佐。少し間があったのは、奇妙丸の口から伝兵衛の名前が出てきた事に驚いたからだろう。
 それから奇妙丸は、先日フロイスと会った時の事を簡潔に説明する。去り際に伝兵衛がささやいた内容も伝える。
「……成る程、そのような事がありましたか」
 何の繋がりも無い織田家の嫡男が訪ねて来た顛末てんまつを把握した隆佐。しかし、すぐに表情が曇る。
「されど、伝兵衛の忠告とも取れる言葉の真意につきましては、皆目かいもく見当けんとうもつきませぬ」
「私もフロイス殿から聞いた耶蘇教の話を最初に疑いましたが、他の伴天連の話と大きな食い違いはありませんでした。ですから、フロイス殿が嘘偽りを言ってないと思います」
「確かに。私も多くの伴天連から耶蘇教について話を聞く機会がありましたが、奇妙丸様が話された内容とほぼ一緒だったように記憶しています」
 奇妙丸の見立てに、隆佐も頷く。自らも敬虔な吉利支丹で耶蘇教に詳しい隆佐がそう言うのなら間違いないだろう。
 堺に来て初めて耶蘇教の存在を知った奇妙丸だが、悪い印象を抱いていなかった。貧しい者でも庶民でも分け隔てなく接する姿勢や言葉も文化も全く異なる国で教えを広めようとする気概きがい見倣みならうべきだと思う。少なくとも、権力や金ばかり求める仏僧よりはるかに良い。
 ただ、伝兵衛の『あまり鵜呑みにされませんように』という言葉が、何の意味も無いとは奇妙丸も思えなかった。フロイスを始めとした耶蘇教関係者が知らない事実を掴んでいるのか、それとも隆佐などの信者達の見えない所で隠しておきたい不都合な真実があるのか。どちらにせよ、伝兵衛は何か知っている事に変わりはない。
「隆佐様は伝兵衛について何か知っている事はありませんか?」
 奇妙丸が訊ねるが、隆佐は「うーん……」と唸る。
「正直なところ、あまりよく知らないのです。本人はあまり自分の事を語らないし、元々口数も少ない。フロイス殿は『九州で生まれ育ち、平戸で会った』と仰っておられましたが、それ以外の事は……」
「隆佐様。これは私の推測になりますが、伝兵衛は武家の生まれでは……?」
 脇に控えていた新左の指摘に、隆佐は「あぁ」と思い出したように膝を打った。
「毛利様の指摘された通りです。伝兵衛は元々武家の者だったと明かしてくれました」
「凄いな、新左! よく分かったな」
 驚きを見せる奇妙丸。率直に凄いと賞賛され、照れたのか新左は頭を掻く。
「大した事ではありません。身のこなしや歩き方などの立ち居振る舞いが武家の者特有の整った仕草のように見えただけです」
 そう言って謙遜する新左だが、伝兵衛を目にした僅かな時間で特徴を見抜く洞察[どうさつ]力は奇妙丸からすれば素晴らしいと絶賛したくなるくらいだ。
 だが、伝兵衛が武家の者と分かったからといって、謎を解く道筋が開けた訳ではない。
「……いずれにしましても、当人から真意を訊ねなければなりませんな」
 息を吐きながら、隆佐はポツリと漏らす。それに同意するように奇妙丸も黙って頷く。
 この場であれこれ推論を重ねていても、伝兵衛の真意に辿り着ける気がしない。ここは一つ、本人に確かめるしかないだろう。
「確か、伝兵衛はフロイス殿に同行して京に居るんですよね」
「はい。布教の為に、二三日滞在すると伺っております」
 熱心な吉利支丹である隆佐は、日本に伝来してまだ年月が経ってない耶蘇教の関係者を経済的で支えている。金銭面だけでなく、政情不安定な畿内で不穏な動きがあれば宣教師達を安全な場所にかくまうなど、フロイスやヴィエラ達から信任の厚い人物だった。そうした関係性もあり、フロイス達の行動も把握していた。
「されど、伝兵衛という御仁に真正面から『先日の言葉、あれはどういう意味で発せられたのですか?』とただしても、果たして素直に答えてくれるでしょうか……」
 新左が懸念を示すと、奇妙丸も思わず言葉に詰まった。見ず知らずの人間がいきなり自分の前に現れて「この前言っていた事について教えて!」と訊ねてきたら、絶対に身構えてしまう。怪しく感じて逃げ出されてもおかしくない。
 どうしたものか……と内心頭を抱える奇妙丸に、「その点は心配ありません」と隆佐があっさりとした口調で言う。
「私に考えがございます。必ず引き合わせて差し上げますので、お任せ下され」
「ありがとうございます」
 隆佐の言葉に、奇妙丸は深々と頭を下げた。側で控える新左も頭を下げる。
「しかし……数々のご厚意を受けている身でこう言うのも憚られるのですが、隆佐様はどうして私達にここまで協力して下されるのですか? 手助けしても隆佐様にあまり得はない話だと思うのですが……」
 おずおずと奇妙丸が訊ねると、「そうでもありませんよ」と返す隆佐。
「公方様の庇護ひご者で今や日の出の勢いにある織田様と繋がりを持てたのは、かなり大きいです。私共は薬も取り扱っておりますので、新たな大口の取引先が出来るのは大歓迎です」
 隆佐の商いである薬種商は国内で栽培された薬草や国外から輸入した薬草を取引しているが、薬をおろしているのは個人で営む医者や薬師ばかりではない。最も消費が期待出来る、大名家も含まれている。特に、戦となれば刀や鉄砲による負傷の治療で大量の薬が必要となるし、行軍時でも食事による腹下しや風邪など薬が求められる機会は多々あり、薬種商からすれば大口の得意先と言える。
 織田家は上洛前後から動員出来る兵力が格段に増え、薬の需要も高まっている。そんな中で偶然にも織田信長の子息と繋がりを持てたのは、織田家に伝手を持たない隆佐にとって渡りに船と言ってもいい。
「されど、商売抜きにして、私は奇妙丸様を応援してあげたい気持ちの方が強いです」
 隆佐から思いがけない言葉が出てきて、目をパチクリする奇妙丸。その反応に微笑みを浮かべながら、隆佐は続ける。
「お武家様は得てして居丈高いけんだかな態度で接する事が珍しくありません。商売の世界では売る側も買う側も対等が原則、私共も人間ですので最初から偉そうな雰囲気を出されていたら快く思いません。しかし……奇妙丸様は偉ぶらず、それでいて卑屈にもならず、同じ目線で話をされる。些末さまつなことかも知れませんが、そういう所にかれたのです」
 飾り気のない言葉で手放しに褒められ、モジモジとする奇妙丸。一方、側に控える新左は我が意を得たりと言わんばかりに力強く頷いている。
 隆佐はお茶で喉を潤すと、背筋を伸ばして言った。
「伝兵衛に会う段取りは全て私にお任せ下さい。ですが、私が出来るのはそこまでです。あとは奇妙丸様が発言の真意を引き出せるかどうか……になります」
 それだけしてくれれば十分だ。奇妙丸は隆佐の厚意に感謝を示すように、深く頭を下げた。隆佐の言う通り、あの発言の真意を聞けるかどうかは自分自身にかっている。
 何としても、やってやる。奇妙丸の心に炎が灯った瞬間だった。

 小西隆佐と約束を交わしてから、三日。今井宗久の屋敷に滞在する奇妙丸に動きは無かった。元々フロイス達が帰ってくる日時は決まってなかったので、対面の場が分かり次第遣いを送るとのことだった。それまでの間、市中をブラブラと散策しているのも勿体無いので、宗久の許しを得て屋敷の中庭で新左と共に武芸の鍛錬に精を出していた。ここ暫くは鍛える事がなかなか出来なかったせいか、体がなまっているように感じた。
 久し振りに汗を流して清々すがすがしさを感じていた奇妙丸に、末吉がやってきた。
「奇妙丸様。たった今、小西様の遣いが参られました。『支度が整いましたので、屋敷へお越し下さい』とのことです」
「承知しました。遣いの方には『すぐに向かいます』とお伝え願えますか?」
うけたまわりました」
 一礼した末吉は玄関の方へ歩いていく。稽古の相手を務めていた新左が声を掛ける。
「……いよいよですな」
「うむ」
 やや硬い声で短く応える奇妙丸。遂に訪れた機会に、失敗は許されないという重圧を感じているのだろう。
 これから今すぐにでも向かいたい気持ちの奇妙丸だが、汗臭い体で行くのは流石によろしくない。まずは身形みなりを整える事が先だった。
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