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初めて恋をした日
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逆賊の王と悲劇の公主。
後世そう称されるふたりの馴れ初めについて、史書は沈黙を保っている。
***
食卓を彩る山海の珍味、優雅な管弦の調べ、綺羅を翻す美貌の舞姫たち。雪の中でも絶えない笑い声。
豪華な宴の末席に加わりながら、皐利州州王代理劉基は静かに杯を傾けた。視線の先にあるのは、他の参席者と談笑する姫の姿だ。
志順帝第一公主、華梛、字を藍紗。この国では珍しい藍色の瞳を持つ美姫は、御年16。新年の宴の一角は、彼女が婚約者を選ぶ為に設けられたと専らの噂だ。事実、今回の宴の参席者は、殆どが若い男である。
――私には、関係ないか。
劉基はそう思い、杯の中の酒を飲み干す。宴が始まって一週間近く、正直歌舞音曲にも飽きてきた。
「――これはこれは、宗紹殿」
「......西海州州王代理殿」
劉基の姓名を呼んだのは、皇太子の側近であり、西海州州王代理である陳亦である。同じように杯を手に持ち、にこやかに話しかけてきたが、殆ど会話を交わしたことはない。
「ご機嫌麗しく。先程からあちらに行かれていないようですが、よろしいので?」
「......私のような者が行っても、姫のお時間を無駄にするだけでしょう」
西海州州王代理は片眉を跳ね上げる。
「そのようなことはありますまい。あなたの噂は西にも聞こえてきておりますよ。先祖代々の不正を少しずつ――」
「失礼、少し酔ってしまったようだ。中座させていただく」
劉基は立ち上がり、庭園に降りた。ぼんやりしながら歩き回り、白梅と雪の舞い散る庭園で足を止めた。
――まずい。迷った。
振り返るが、ぼんやり歩いてきたせいで、あまり道順を覚えていない。劉基は白梅の木に背を預け、深々と息を吐く。
――疲れた。
父に出席してこいと脅され来はしたが、囁かれる陰口と扇の影での嘲笑に、早速劉基は疲れていた。懐から亡き母唯一の形見である笛を取り出す。篳篥、という笛は、かつて皐利州に統合された国の部族が好んで使っていた楽器らしい。母にもらったこの楽器を、他の人が吹いているのは見たことがない。
ここなら聞こえないだろうか。宴の会場からは離れ、その音曲も聞こえず、周りに奴婢や使用人の姿はない。
劉基は篳篥を構えた。目を閉じて、開く。
高い音が響いた。
***
――つまらないわ。
第一公主藍紗は心の中で溜息を吐く。好きに選んでいいと言われた婚約者候補、見目もよく、賢く、州王代理、或いは都の大貴族の子息として地位を得ている彼らとの会話は、知的で藍紗を楽しませようとするものではあった。
けれどその根底に、異民族の血を引く藍紗を蔑む色が見え隠れすることもあった。
勿論、そうでない人もいる。沙耀州州王代理などはそのいい例だが、彼はどうやら街で妹の銀蓮と会ったらしいので、そちらとくっついてほしいと思う。西海州州王代理は、年下なのと弟の側近なのとで、選びにくい。華胥31州の内12州、貴族家21、合計33名。更に異民族を蔑む人を除いて21名。それでも十分に多い。
あぁ、弟妹に会いたい。可愛い暴れん坊たちが恋しい――そんなことを思っていた藍紗の耳に、聞き慣れぬ音が届いた。周囲を窺い見るが、母譲りの耳の良さを持つ藍紗以外、聞こえていないらしい。
藍紗は父と目を合わせる。父は侍従と耳打ちした。
「公主殿下」
中身のない耳打ちをされ、まあ、と藍紗は大袈裟に頷く。
「申し訳ありません。一時退席いたしますわ。どうぞお楽しみになって」
惜しまれながら藍紗は一時退出し、外套を脱いで小走りに進み始めた。
誰が奏でているのだろう。この退屈な宴を抜け出して。
音を頼りに走ると、白梅の庭園でひとりの青年の姿を認めた。鶴が織り出された長衣に、黒貂の縁取りがされた外套。月の光を弾いて、鈍い青色に輝く髪。
うっとりと聞き惚れていた藍紗は、身動きしたときに枝を踏み抜いた。乾いた音が響き、演奏が止まる。青年は目を見開いて藍紗を見つめた。
「ごめんなさい。お邪魔してしまったかしら」
「い、え」
藍紗は笑う。抜け出した者ふたり、という意識がそうさせたのかもしれなかった。
「こうしてお会いするのは初めてですね。改めて、わたくしは第一公主華梛、字を藍紗と申します。皐利州州王代理殿、どうぞよしなに」
かくてふたりは邂逅する。
***
「わたくし、素敵な演奏が聞こえて抜け出してきたんです」
寒いのか手をこすり合わせながら、公主は言った。
「あなたが演奏されていたのね。見ない楽器だわ、なんという名前でして?」
「篳篥、といいます。亡国東頴のものです」
「あぁ、東頴の。面白い形ですね」
「......そうかもしれません」
へくしゅ、と公主は小さくくしゃみをする。頬を赤くする公主に、劉基は自分の外套を脱いで着せかけた。
「あら、気にされずともよろしいのに」
「......外套はどうされたのですか」
「脱いできてしまいました。汚れていたら怪しまれるでしょう?」
くすりと公主は笑う。
「けれど、脱いできた甲斐がありました。こんなに美しい演奏を間近に聞けたのですもの」
「拙いものです。公主殿下のお耳に入れるようなものでは」
「歌舞音曲、そろそろ飽きませんか?」
劉基は言葉に詰まった。実際、飽きていた。
「......そのようなことは」
「あら、よろしいのですよ。今回はわたくしの為に伸ばしていただきましたけれど、宴なんて一日で十分だと思いますもの」
「そうでしょうか」
「宴にお金をかけるなら、民にかけた方がいいですもの。それに、わたくし、陰口を言われるのは嫌いなんです」
「同意いたします」
くすり、と公主は笑う。
「――州王代理はどうお思いになります? 我々リヴァノフの血を引く皇族を」
「......第二公主殿下や第二皇子殿下、第三皇子殿下に会ったことがないのでわかりませんが、少なくとも公主殿下の瞳は美しいと思います」
海のようだと思った。浅瀬ではない、潜って初めて見える、深海の蒼。
劉基が愛した、海。
「――海を思わせます」
「あら、嬉しいこと」
公主は息を吐いた。白い息が細くたなびく。
「――州王代理の瞳は、まるで曇り空のようですね」
「......そうでしょうか」
「ええ。わたくし、曇りが一番好きですの」
「ぇ」
「弟妹は皇宮を抜け出さず、泥まみれになることもなく、一番平穏な時です」
「は」
しみじみと公主は言う。皇宮を脱走、泥まみれ、と頭の中で反芻し、劉基は首を傾げた。
「......皇子殿下たちが、泥まみれ?」
「ええ、筆頭は妹なのですけれど。わざわざ質素な衣装を着て、雨の中飛び出していくのだから困りものです」
「それは......活発な妹御ですね」
「お転婆と仰ってくださって構いませんのよ」
否定できない。
それから、ぽつぽつと互いの話をした。お転婆な弟妹のこと、腐りきった皐利州のこと。劉基の話は楽しくなかっただろうが、公主は真剣に耳を傾けた。
話がひと段落すると、公主は立ち上がる。
「宗紹殿。あなたとお話できてよかった。またお会いしましょう」
「――劉基と」
「?」
「劉基とお呼びください」
きょとんとしてから、公主は破顔する。
「それではわたくしのことも藍紗とお呼びくださいな、劉基」
「それは」
「あら、特別扱いというなら、字で呼んでと言った時点で明白でしょう?」
返答に窮すると、公主はまた笑う。
「わたくし、あなたのこと、かなり好きですわ」
「は」
「ごきげんよう」
弾む足取りで去って行く公主を見送り、劉基は手で口を覆った。
頭の中で警鐘が鳴っていた。これ以上近づいたら、落ちてはいけない沼に落ちてしまう予感がした。
――或いはもう、落ちているのかもしれなかった。
後世そう称されるふたりの馴れ初めについて、史書は沈黙を保っている。
***
食卓を彩る山海の珍味、優雅な管弦の調べ、綺羅を翻す美貌の舞姫たち。雪の中でも絶えない笑い声。
豪華な宴の末席に加わりながら、皐利州州王代理劉基は静かに杯を傾けた。視線の先にあるのは、他の参席者と談笑する姫の姿だ。
志順帝第一公主、華梛、字を藍紗。この国では珍しい藍色の瞳を持つ美姫は、御年16。新年の宴の一角は、彼女が婚約者を選ぶ為に設けられたと専らの噂だ。事実、今回の宴の参席者は、殆どが若い男である。
――私には、関係ないか。
劉基はそう思い、杯の中の酒を飲み干す。宴が始まって一週間近く、正直歌舞音曲にも飽きてきた。
「――これはこれは、宗紹殿」
「......西海州州王代理殿」
劉基の姓名を呼んだのは、皇太子の側近であり、西海州州王代理である陳亦である。同じように杯を手に持ち、にこやかに話しかけてきたが、殆ど会話を交わしたことはない。
「ご機嫌麗しく。先程からあちらに行かれていないようですが、よろしいので?」
「......私のような者が行っても、姫のお時間を無駄にするだけでしょう」
西海州州王代理は片眉を跳ね上げる。
「そのようなことはありますまい。あなたの噂は西にも聞こえてきておりますよ。先祖代々の不正を少しずつ――」
「失礼、少し酔ってしまったようだ。中座させていただく」
劉基は立ち上がり、庭園に降りた。ぼんやりしながら歩き回り、白梅と雪の舞い散る庭園で足を止めた。
――まずい。迷った。
振り返るが、ぼんやり歩いてきたせいで、あまり道順を覚えていない。劉基は白梅の木に背を預け、深々と息を吐く。
――疲れた。
父に出席してこいと脅され来はしたが、囁かれる陰口と扇の影での嘲笑に、早速劉基は疲れていた。懐から亡き母唯一の形見である笛を取り出す。篳篥、という笛は、かつて皐利州に統合された国の部族が好んで使っていた楽器らしい。母にもらったこの楽器を、他の人が吹いているのは見たことがない。
ここなら聞こえないだろうか。宴の会場からは離れ、その音曲も聞こえず、周りに奴婢や使用人の姿はない。
劉基は篳篥を構えた。目を閉じて、開く。
高い音が響いた。
***
――つまらないわ。
第一公主藍紗は心の中で溜息を吐く。好きに選んでいいと言われた婚約者候補、見目もよく、賢く、州王代理、或いは都の大貴族の子息として地位を得ている彼らとの会話は、知的で藍紗を楽しませようとするものではあった。
けれどその根底に、異民族の血を引く藍紗を蔑む色が見え隠れすることもあった。
勿論、そうでない人もいる。沙耀州州王代理などはそのいい例だが、彼はどうやら街で妹の銀蓮と会ったらしいので、そちらとくっついてほしいと思う。西海州州王代理は、年下なのと弟の側近なのとで、選びにくい。華胥31州の内12州、貴族家21、合計33名。更に異民族を蔑む人を除いて21名。それでも十分に多い。
あぁ、弟妹に会いたい。可愛い暴れん坊たちが恋しい――そんなことを思っていた藍紗の耳に、聞き慣れぬ音が届いた。周囲を窺い見るが、母譲りの耳の良さを持つ藍紗以外、聞こえていないらしい。
藍紗は父と目を合わせる。父は侍従と耳打ちした。
「公主殿下」
中身のない耳打ちをされ、まあ、と藍紗は大袈裟に頷く。
「申し訳ありません。一時退席いたしますわ。どうぞお楽しみになって」
惜しまれながら藍紗は一時退出し、外套を脱いで小走りに進み始めた。
誰が奏でているのだろう。この退屈な宴を抜け出して。
音を頼りに走ると、白梅の庭園でひとりの青年の姿を認めた。鶴が織り出された長衣に、黒貂の縁取りがされた外套。月の光を弾いて、鈍い青色に輝く髪。
うっとりと聞き惚れていた藍紗は、身動きしたときに枝を踏み抜いた。乾いた音が響き、演奏が止まる。青年は目を見開いて藍紗を見つめた。
「ごめんなさい。お邪魔してしまったかしら」
「い、え」
藍紗は笑う。抜け出した者ふたり、という意識がそうさせたのかもしれなかった。
「こうしてお会いするのは初めてですね。改めて、わたくしは第一公主華梛、字を藍紗と申します。皐利州州王代理殿、どうぞよしなに」
かくてふたりは邂逅する。
***
「わたくし、素敵な演奏が聞こえて抜け出してきたんです」
寒いのか手をこすり合わせながら、公主は言った。
「あなたが演奏されていたのね。見ない楽器だわ、なんという名前でして?」
「篳篥、といいます。亡国東頴のものです」
「あぁ、東頴の。面白い形ですね」
「......そうかもしれません」
へくしゅ、と公主は小さくくしゃみをする。頬を赤くする公主に、劉基は自分の外套を脱いで着せかけた。
「あら、気にされずともよろしいのに」
「......外套はどうされたのですか」
「脱いできてしまいました。汚れていたら怪しまれるでしょう?」
くすりと公主は笑う。
「けれど、脱いできた甲斐がありました。こんなに美しい演奏を間近に聞けたのですもの」
「拙いものです。公主殿下のお耳に入れるようなものでは」
「歌舞音曲、そろそろ飽きませんか?」
劉基は言葉に詰まった。実際、飽きていた。
「......そのようなことは」
「あら、よろしいのですよ。今回はわたくしの為に伸ばしていただきましたけれど、宴なんて一日で十分だと思いますもの」
「そうでしょうか」
「宴にお金をかけるなら、民にかけた方がいいですもの。それに、わたくし、陰口を言われるのは嫌いなんです」
「同意いたします」
くすり、と公主は笑う。
「――州王代理はどうお思いになります? 我々リヴァノフの血を引く皇族を」
「......第二公主殿下や第二皇子殿下、第三皇子殿下に会ったことがないのでわかりませんが、少なくとも公主殿下の瞳は美しいと思います」
海のようだと思った。浅瀬ではない、潜って初めて見える、深海の蒼。
劉基が愛した、海。
「――海を思わせます」
「あら、嬉しいこと」
公主は息を吐いた。白い息が細くたなびく。
「――州王代理の瞳は、まるで曇り空のようですね」
「......そうでしょうか」
「ええ。わたくし、曇りが一番好きですの」
「ぇ」
「弟妹は皇宮を抜け出さず、泥まみれになることもなく、一番平穏な時です」
「は」
しみじみと公主は言う。皇宮を脱走、泥まみれ、と頭の中で反芻し、劉基は首を傾げた。
「......皇子殿下たちが、泥まみれ?」
「ええ、筆頭は妹なのですけれど。わざわざ質素な衣装を着て、雨の中飛び出していくのだから困りものです」
「それは......活発な妹御ですね」
「お転婆と仰ってくださって構いませんのよ」
否定できない。
それから、ぽつぽつと互いの話をした。お転婆な弟妹のこと、腐りきった皐利州のこと。劉基の話は楽しくなかっただろうが、公主は真剣に耳を傾けた。
話がひと段落すると、公主は立ち上がる。
「宗紹殿。あなたとお話できてよかった。またお会いしましょう」
「――劉基と」
「?」
「劉基とお呼びください」
きょとんとしてから、公主は破顔する。
「それではわたくしのことも藍紗とお呼びくださいな、劉基」
「それは」
「あら、特別扱いというなら、字で呼んでと言った時点で明白でしょう?」
返答に窮すると、公主はまた笑う。
「わたくし、あなたのこと、かなり好きですわ」
「は」
「ごきげんよう」
弾む足取りで去って行く公主を見送り、劉基は手で口を覆った。
頭の中で警鐘が鳴っていた。これ以上近づいたら、落ちてはいけない沼に落ちてしまう予感がした。
――或いはもう、落ちているのかもしれなかった。
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