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第1章 はじまり

基本ルール1

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……

気がつくとそこは見知らぬ空間だった。
最初は足元さえ見えぬ程に
辺り一面が暗く感じられたが
周囲の地形や構造を把握出来る程度に目が慣れて来ると
そこは通路のような場で
壁には等間隔で開けられた窪があり、そこに申し訳程度の微かな明かりらしきものが灯されているのが見て取れた。

直前まで自分が何をどうしていたのか
頭に霞みがかかったようにはっきりと思い出せない。

酷く恐ろしい夢を見ていたような得体の知れない感覚だけが残っていた。


周囲に音は無く人の気配も無かった。

頼りない壁の灯りを頼みに廊下のような場所を歩いて行くと
やがて広い空間に出た。
空間は縦に吹き抜けのような構造で遥か上方に見える天井から壁一面に
やはり廊下と同じ明かりらしきものが灯っていたがそれは広大な空間全体を十分に照らす程では無かったため
ひと昔前の映画に出てくる写真の現像室のような不気味な印象を受けた。

巨大で底の見えない程の吹き抜けの周囲の壁には自分が出て来たのと同じようないくつもの穴のような通路の入り口があり
その入り口を繋ぐ通路と階段が壁にへばりつくように続いているのが辛うじて見て取れる。
自分の足音と動悸以外に音の無い空間で私の全身は鉛のように重く感じられた。
この空間に満ちている閉塞感に耐えきれず
焦燥感に突き動かされるまま下へ続く階段へと向かう。

自分が置かれたこの不可解な状況を見極め、一刻も早くここから抜け出したかった。
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