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第1章
自我
しおりを挟む「あんた、進路どうするの」
朝、母に言われた言葉が頭をよぎった。
正直あと1年で卒業なんてまるで実感が湧かない。
そうか、もうそんな時期なのか。
あの時は忙しくて空返事で家を出てきてしまったが、いざ目線をあげて周りを見渡してみると各々が自分の進路について、将来について動き出しているのが見て取れる。
参考書とにらめっこをしている人。ああだるいと求人票を広げながら舌打ちをする人。
窓を見ればグラウンドで声を張る部活のメンバー。
私は、私は。
ラケットを構え、大きな掛け声で動く女の子のポニーテールが夕日でなんだかとても眩しく思えて、思わず目を細めた。
何気なく生きてきて、何気なく親に勧められるまま高校まで選んできた。
このまま、この先の私の人生を誰かが逐一指示してくれたらいいのに、なんておもう。
幼い頃から、自我があまり無かったからか母はいつからか私に意見を求めなくなっていた。
母の言う通りにすれば。それが当たり前のことだと思っていて、普通のことだととも思っていた。
誰かの言う通りに行動を起こせば誰かに指摘されて文句を言われることも無かった。
その分、私は色んな意味で目立たないどこにでもいる子に育った。
自我のない、つまらない子に。
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