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また、乙女ゲームですか
第七話 特殊なケースですか
しおりを挟む「確かに、あのシスター【落ち人】ね」
そう答えると、お母様はスミスがが淹れたお茶を飲みながら、改めて教えてくれました。カフェでもそれとなく聞いていたので驚きはしません。
でも……何故、学園に集まるの? ていう疑問が付き纏います。どうやら、イベントっていうのに関係してるようですね。
「でも、エレノアとは全く違うわ。エレノアの時は魂だけがこの世界に来ていたでしょ。そして、この世界の人間の中に入り込んで自由に動いていた」
確かにそうでしたわ。私たちはそれは大変だと思い、もう一人のエレノアを元の世界に返してあげましたわ。親切心で。
「……でもね。今回はかなり特殊なケースね」
「特殊なケースですか……?」
面倒くさいことになりそうな予感がしますわね。もしそれで、シオン様との時間が短くなるようでしたら、私絶対に許しませんわよ。
「セリアも知ってるでしょう。【落ち人】はだいたい三種類に分けられるって」
「はい。
お母様のように神様が選び連れて来た者。
そして、何らかの事故でこちらの世界に来てしまった者。
最後は、何らかの事故でこちらの世界に精神だけ来てしまった者ですね」
因みに、エレノアの場合は三番目になりますわ。
「そう。だけど、今回のはそれに当てはまらないわ」
苦々しい口調でした。
ここまで、お母様が顔を顰め、険しい表情をしているのを私は見たことはありませんでした。
「というと……?」
「彼女をこの世界に連れて来たのは、この世界の人間ってことよ」
「えっ!? この世界の人間ですか!? 無理でしょう。だって、それを実現するのに、どれだけの魔力が必要だと思ってるんですか!?」
魔法陣が存在して、その魔法陣を発動させるには、何百人、何千人の魔力が必要になります。この世界と異世界に干渉するのですよ、それだけの命が必要になるのは当たり前じゃないですか。
「どうやって、それだけの魔力を用意したのは分からないけど、あの娘が人間に召喚されたのは間違いないわ」
黒の魔女に宣言されても信じられません。ですが、そこまで仰るのです。まず間違いないでしょう。
「………………ならば、彼女を召喚したのは、聖教会ですね」
暫く沈黙した後、私はそう結論付けました。
「目的が何なのか、調べる必要があるわね」
「そうですね。後、何故、この学園に来たのかも調べる必要がありますわね」
「あら。それなら、私でも分かるわよ」
またしても、お母様がとんでもないことをぶっ込んできました。
「分かるんですか!?」
思わず、大きな声が出てしまいました。
「ええ。だってこの学園、乙女ゲームの舞台になってるからね。ヒロインはそれぞれ違うけど」
カラカラと笑いながら、お母様は無情な台詞を吐くのでした。
完全に言葉を失ってしまいましたわ。
つまりこの学園は、自然と【落ち人】を集めるようです。乙女ゲームなるものを作った人間に、また殺意が湧きましたわ。
「なら、手伝うわよ」
お母様、知ってるんですか!?
☆☆☆
始まりましたね。
【第一回次世代ファンタジーカップ】
挑戦してます。
タイトルは〈何もかも全てを奪われた元勇者王子、今度は俺が貴様らから全て奪ってやる〉です。
楽しんで頂けたら嬉しいです(。•̀ᴗ-)✧
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