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二年生になりました
第十八話 排除されますよ
しおりを挟むおそらくお父様は、関税を更に引き上げ、もし文句を言ってこようなら国交自体をなかったことにするつもりでしょう。会談の座につくつもりなんて更々ありませんわ。まぁあれだけ、我が国を馬鹿にしたのですもの、当然ですわね。
それに、エルヴァン王国と国交がなくなったからといって、我が国が困ることなど一切ありませんからね。困るのはエルヴァン王国側ですから。
確かに、エルヴァン王国は裕福な国ですわ。なので、それなりに力がある国です。発言権も。あんな交渉術でも成り立つ程です。
そもそも、力の源になっているのは技術力です。加工技術と言った方がいいかしら。魔石や魔物の皮や牙、鉱物などを加工すル技術が優れています。なので、エルヴァン産の商品はかなり高値で販売されていますわ。
でもそれは、あくまで原料が手に入ればの話です。
なんせ、エルヴァン王国は魔の森に面してませんからね。魔石と魔物から採れるものの大半は、元グリフィード王国から仕入れていたのでしょう。
ならば、我が国の重要性は重々承知していた筈。まぁ考えてみれば、それなりに承知していたようですけど。理解し難い程、かなり斜め上の考えでしたが。
我が国としての考えは決まりましたわ。となれば、問題はケルヴァン殿下ですね。
かなり斜め上の思考をお持ちの方ばかりですから、引き上げられた時、彼らがケルヴァン殿下と従者に対し、何を命令してくるか……とても気になりますわ。
なのでここ暫くは、ケルヴァン殿下の周囲の監視を更に厳しくする必要がありますね。
そこはプロがいますから、完全に彼らに任せますわ。複製した親書を見せたら、俄然やる気になりましたよ。皆、本当にいい笑顔でしたわ。
さて、今日はいつもよりも早くに仕事が一段落したので、早めに砦に来ました。
勿論、影から仕事をしているシオン様を観察するためです。速攻にバレますけどね。
認識阻害の魔法を強めに掛け、その上、自分の周りに結界を張って、音と匂いが漏れないようにしているのに気付かれてしまいます。不思議でなりませんわ。竜人の番に対する察知能力恐るべしですね。
「セリア!!」
今日も速攻に見付かりましたわ。
声と同時に抱き付かれ、一通り匂いを嗅がれた後抱っこされます。いつもと変わりませんね。周囲に目をやると、皆さん通常運転ですね。もう慣れたものです。
でも、若干一人違うようですけど。
忌々しい目で睨み付けられてますね。私が。そんな目で私を見てると、シオン様に排除されますよ。どんなに魔法を屈指しても気付かれるのです。私に対して悪意を持ってる人間なんて、直ぐに気付くに決まっているじゃないですか。
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