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二年生になりました

俺のところまで堕ちてこい(シオン目線)

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 俺に体を預け眠っている最愛の番。

 俺のせいで眠りが浅かったのかよく寝ている。……まだ目元が赤いな。

 俺は二周り以上も小さい体を抱き締めながら、一人自己嫌悪に浸る。

 ……また、泣かしてしまった。

 泣かすつもりなんてなかった。

 そもそも俺が悪いんだ。四十を超える俺が、ガキみたいなことにいちいちショックを受け落ち込んだりしたから。それに対して、更に落ち込んで、マジ負の堂々巡りだった。

 竜人になってまだゼロ歳。でも、人間としては、もう完全なおじさんだ。これでも子供が三人いるし、逃げられたが妻もいた。

 昔の俺を知っている奴は完全に俺のことを、犯罪者扱いしてるしな。自分でも、二十六歳差の少女を性的な目で見てるのは犯罪だと思う。

 だが、それはセリアだけだ。

 セリア以外の女は、どんな美女でも少女でも範疇外だ。何にも感じない。それこそ、じゃが芋かカボチャだ。近付かれるだけで、不快だしな。香水の匂いなんて悪臭でしかない。マジ吐きそうだ。

 でも、隣にセリアがいれば、そんな不快な環境でも天国になる。

 ほんと、俺は生まれ変わったんだとつくづく思う。

 竜人になってから、番であるセリアに対しての執着が格段と上がった。そして、匂いに敏感になった。以前もそれなりに匂いには敏感だったが、今は、少しの匂いで誰と接したか分かるようになった。特に、野郎の匂いは敏感だ。

 特にここ最近、同じ野郎の匂いがセリアからした。ほんの僅かだから、少し話した程度だろう。だけど、それだけで不快で仕方なかった。それが、あの恥知らずのエルヴィン王国の、ケルヴァンだと知ってからは、セリアを閉じ込めたい衝動に駆られた。

 だが、そんなこと出来る筈もない。

 だから自然と、動物がマーキングするように、俺はセリアに自分の匂いを付ける。

 我ながら気持ち悪いと思うが、そうしないと俺の神経がもたなかった。これも竜人のさがらしいが。まぁ実際、爺さんは片時も自分の番を離さなかったしな。

 俺もセリアを離せない。この温もりが俺を癒やし、俺を殺せる。

 セリアに殺されるなら俺は幸せだ。セリアの中に俺を刻み込めれるからな。

「…………完全な異常者だな」

 自分でも分かってるさ。

 だけど、こんな俺でも愛してくれるだろ、セリア。怖いと思って逃げようとしても逃しはしない。絶対にーー

 だから、俺のところまで堕ちてこい。セリア……

 
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