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神罰が一回だけとは限らない
04 どんだけ、自己評価低いの
しおりを挟むイシリス様が恵んでやった少量の生肉と水を、屑たちは我先に奪いあったらしいわ。ガリガリの体でね。
まさに、地獄絵図と思わない?
ましてや、屑たちは風呂にもろくに入ってないようで、悪臭をカバーするために大量の香水をふり掛けていたみたいよ。
帰って来たイシリス様は、鼻がもげるようだったって涙目で鼻を押さえていたわ。そのまま風呂場に直行したから、よほど堪えたみたいね。もしかして、鼻が麻痺したかもしれない。ほら、大きな音の中にいると、しばらく耳が遠くなるような、あんな感じ。
そんな報告を聞くと、見なくて正解だったってつくづく思うわ。……ほんと、イシリス様には悪いことをしちゃった。今日は念入りにブラッシングしてあげなきゃね。
ん? どうかしたの?
マナーの講義が終わったのに、リアス様は下がらずに部屋に残っている。いつもは直ぐに下がるのに。リアス様は少しの間をあけた後、言いにくそうに口を開いた。
「……ミネリア王女殿下、父から聞きました。王国から書簡が届いたと」
えっ、なんで知ってるの? 情報早くない? ああ、そういえば、空気と化したダラキューロ様がいたわね、あの場に。そっか……他所から噂で聞くよりは、実の父親から聞いた方が尾ひれが付かないからいいか。ダラキューロ様らしいわね。
「ああ、あの馬鹿げた書簡ね。リアス様が気にすることありませんわ。もう、完全にあの国とは決別しているのですから」
私はいらぬ心配をリアス様に抱かさないように、微笑みながら言った。
「しかし……」
まだ納得してない、リアス様。
「リアス様。これは、もう王国間での問題ですわ。ダラキューロ様もリアス様も、もうベルケイド王国の民なのです。我々、王族が民を護るのは当然ですわ。なので、リアス様が気になさることはないのです」
……ん?
あれ?
当たり前のことを言っただけなのに、なんで拝むように両手を組んで、涙目になってるのかな?
「私のような者に、そのようなお言葉を……」
どんだけ、自己評価低いの!?
「いやいや、何感動していますの? 当然のことではありませんか」
私がそう答えると、ますます感動にうち震えるリアス様。
「そのようなお優しいお言葉、私は聞いたことありません!!」
私は神か!!
まぁ、気持ちはわかるわよ。あの屑どもが民を気遣うことなど言うわけないしね。欠片も思ってないでしょ。そんな奴らが、元婚約者を気遣うことなんて絶対しないわね。する奴が一人でもいたなら、全員が屑にはならなかっただろうし、王国が滅びることもなかったわ。
「リアス様。私は優しくはありませんわ。至極当然なことを言っているだけです。王国を除く、周辺諸国も、形こそは違いますが、皆、自国の民を大切に思っているのです。思っていなかったのは王国ぐらい。だから、滅びることになったのです」
そこまで言って、なんとか納得してくれた。
それにしても、リアス様の自己評価の低さ、なんとかしないとね……どうしたら、いいんだろ。イシリス様がお風呂から戻って来たら、聞いてみよ。
それにしても、イシリス様遅いな~。
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