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第六章 友人からお使いを頼まれました
どっちも嫌だったんだね
しおりを挟む否定しないってことはそうなんだよね。もしかして、フリードさんって、実は魔王様が魔王になる前からの付き合いなんじゃない?
訊きたいけど、訊けないや。なんか、訊いたら駄目オーラ出してるのよね。それに関したら、私もそうだけど。それに、私のセンサーが反応してるのよ、訊いたら、絶対面倒になるって。
だから、ここはグッと我慢する。下手な好奇心は身を滅ぼす。この場では、少し大袈裟だけど、身に沁みて実感してるからね。今までの経験上。
脳筋と魔法馬鹿は、どうやって聞き出そうかって考えてるみたいだけど、それ筒抜けだからね。私でもわかるんだから。
ここは忠告してあげた方がいいのかな? でも、なんで? って、反対に訊き返されたら返答に困るし、どうしよう? 悩んでると、
「馬鹿は言ってもわからんだろう」
神獣様が小声でアドバイスしてくれた。
もちろん、私は素直に従った。年長者からの助言は素直に聞かなきゃね。なので、ジョルジュさんとライさんはスルーということで。
えっ!? 酷いって。でもさ、こういうのって、肌で感じないといけないことだよ。これからの出世にも役に立つんじゃないかな。空気を読むって大事だよ。ほんとにね。
「女性に年齢を訊くのはマナー違反ですが、マリエールさんって何歳ですか?」
なんの脈絡もなしに、フリードさんが尋ねてきた。
魔国でも、女性に年齢を訊くのはマナー違反なんだね。どこの国も、こういった所一緒なんだ。でも、なんでわざわざ知りたがるんだろ? まぁ別に隠してないからいいかな。
「十四歳です」
「「十四!?」」
なぜ、ジョルジュさんとライさんが反応するの?
「十四歳ですか………」
反対に、フリードさんは大人しい反応。それが却って、意味深よね。
「見えませんか?」
「「見えねーよ!!」」
またしても、キレイにハモるジョルジュさんとライさん。
それって、失礼じゃない。
「どこがです!?」
なので、ついイラっとしながら尋ねた。
「どう見ても、子供じゃねーか!!」
「俺は、こんな子供に負けたのか!?」
打ちひしがれるライさんとジョルジュさん。
「はぁ!? それって、幼児体型だからってことですか!?」
返答によっては暴れるわよ。
姿形は昔の姿を模倣していても、体型は今の肉体を模倣してるからね、即、私に対しての悪口になるよね。
「体型はどうだっていいんだよ!! 問題は年齢だ!! 十四って、まだ幼児だろ!?」
えっ!? 幼児? 子供じゃなく、幼児!?
「まだ、子離れしてない幼児とタイマン張ったのか……なんてことをしたんだ…………」
ジョルジュさんがドンドン沈んでいってるよ……どこまで沈むの!? 戻って来てよ!!
「人間ですよ、私は!! 人間で、十四歳は成人前の子供です!!」
「やっぱり、子供じゃねーか!?」
吠えるライさん。まだ、落ち込んでいるジョルジュさん。
「成人前って言いましたよね!!」
どんどん収拾がつかなくなってるよ……そもそも、なんで、フリードさん、歳を訊いてきたの?
フリードさんに視線を向けると、フッと笑った。
もしかして……スルーしようとしてたから……? それとも、神獣様に年の功って言われたから? あーどっちも嫌だったんだね。だから、歳を歳で返してきたのか……なんか、ド~ンと疲れたよ。フリードさんの見方変わりそう。
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