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第六章 友人からお使いを頼まれました
ご飯の締めはグラタンで
しおりを挟む「乳製品ってハズレがないですよね~~」
チーズとマカロニたっぷりのグラタン最高!! 私的には、マカロニが入ってた方が好きなんだよね。後、温野菜にチーズを垂らして食べるのもいい。
「このチーズパンも上手いよな」
やっぱり、ライさんと私、食べ物の好みが合う。
「ええ。このクリームスープも美味しいわよ」
「隠し味にチーズを使ってて、いくらでも食べれるよな」
ライさんの台詞に私は頷く。
神獣様も口に合ったのか、凄い勢いでガツガツと食らっている。ちゃんと椅子に座って。
「フリードさん、ちゃんと食べてますか? ライさんに取られちゃいますよ」
大皿に盛られてるからね。あっ、言った側から、ライさんがおかわりしてる。勿論、私もおかわりはしたけど、ライさんほどじゃない。
「……食べてますから、心配しなくていいですよ」
若干、引き気味でフリードさんは答えた。口元、ピクピクしてるもの。
食べてるなら、いいかな。でもまぁ、普通そうなるよね……だって、このテーブルだけ、空のお皿が積まれてるんだから。もう、積む場所がなくて、隣のテーブルに置いてるし。他のお客が私たちを見て、ボソボソと囁いてるしね。これだけ食べたらそうなるわね。
「なら、いいですが。グラタンおかわりしていいですか?」
ご飯の締めはグラタンで。デザートはまた別。
「まだ、食べるのですか!?」
フリードさんが更に口元をピクピクさせながら訊いてきた。
「締めに。駄目ですか? 代金なら、私が払いますから」
「いや、代金の心配はしなくていいですよ……締めなんですね、グラタンが……」
何故か、疲れた様子のフリードさん。やや青い顔をして口元を押さえてます。
「はい。ご飯の締めで。勿論、デザートは別腹ですよ」
ニコッと微笑む。
フリードさんは苦笑い。
「じゃあ、俺はハンバーグな。チーズたっぷりなやつ」
ライさんはテンション高めで言った。
「グラタン……ハンバーグ…………」
フリードさんがブツブツと呟いている。
大丈夫かな、フリードさん。あっさり味がよかったのかな。食欲はありそうだから大丈夫だと思うけど、次の御者代わってあげよう。でも、その前に注文を。
「女将さん、グラタンとチーズたっぷりのハンバーグ、一皿ずつ追加でお願いします」
「あいよ」
景気の良い声がキッチンの奥から聞こえてきた。ざわつく、店内。
「おい、おい、まだ食うのかよ?」
締めを待っていると、背後から声がした。
もしかして、馬鹿が喧嘩を売ってきたのかな。どこにでもいるのね。この手の馬鹿。でも、声に聞き覚えが……まさかね。とりあえず、無視しよ。そう思ってたら、ライさんが反応した。
「なっ!? ジョルジュ!?」
ライさんがポカンと口を開け吃驚した顔で、私の背後を見ている。
ジョルジュ? 誰、それ?
私は振り返る。そこにいたのはーー
真っ白の毛皮に、縞模様の、猫科の獣人が立っていた。
おい!! 仕事はどうしたのよ!?
☆☆☆
最後まで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m
今日をいれて、後二日になりましたね。【第5回ほっこり・じんわり大賞】
実は、こっそりとエントリーしてます。
タイトルは【俺は妹が見ていた世界を見ることはできない】です。
異世界ものではなくて、現代が舞台となっています。
これからも頑張って書いていきますので、読んでもらえたら嬉しいです。
応援ありがとうございます!
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