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第三章 超ハードモードの人生に終止符を

狼さんは群れから追放されました

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「……それで、狼さんたちは皆退学になり、仲良く牢屋に放り込まれたのですね」

 普通に午前中の授業を終えた私は、殿下と一緒に昼ご飯を食べながら事の顛末を聞いていた。次は自習だからじっくりと話せる。レポートはキチンと提出するから問題ない。どこでやろうと自由だからね。

 昨日の今日。

 お父様は暫く学園を休むように言ってたけど登園した。へたに休むと、どんな噂が立てられるか分かったもんじゃないからね。休めないわ。

 休んでる間に、何かあったのではと邪推されて、それがまるで真実のように一度でも広まってしまったら、絶対打ち消すことはほぼ不可能。それでなくても、阿婆擦れが影でありもしない噂話をし始めているらしいし。

 まず間違いなく、裏で阿婆擦れが手を引いてるのは確実よね。タイミング良過ぎるわ。やり方も益々卑怯度増してるし。悪意に満ち満ちてるっていうか……らしいっていったら、らしいけど。

 でもまぁ……私が元気で登園していれば、噂は先行しにくいでしょ。それに、いつも以上に殿下がピッタリと私の傍にいる。仲の良さを前面に出していたら、噂は立ち消えするわね。あっても、表立って言えないでしょ。

 それに、罪状を隠さず裁いたこともよかったわね。

「当然だ。未来の国母に、俺の最愛に乱暴を働こうとしたのだからな。学生だからといって許せるものではない。きっちりと、で罪を償わせてやる」

 ニヤリと笑う口元。でも、その目は全く笑ってないわ……怖っ。だけど、当然の処置よね。大人の扱いって語句にちょっと引っ掛かるけど、突っ込むのは止めとこ。

「……狼さんたちは、皆、下級貴族の子息と平民だと聞きましたが」

「ああ、そうだ。筆頭は子爵家の子息だ。貴族が四人。残りは平民だ。ほとんどが、あの女と同じFクラス。Dも二名いたな」

 どちらも、阿婆擦れがいたクラスね。

 ところで、ストーンさんの名前を聞かないところをみると、彼は直接関与はしていないみたいね。全く関与してないとは、さすがに思ってないよ。思えないでしょ。

「影響を色濃く受けたようですね」

「惚れた女の願いで身を滅ぼしたんだ、男としては本望だろう」

 物は言いようね。

「巻き込まれた家族は災難としか言えませんが」

「確かにな。
 女に騙された馬鹿息子のせいで、二段階降格。
 男爵家は貴族籍を返上して平民落ち。
 子爵家も準男爵。当主は隠居。一代限りの籍だから、子供は平民となる。馬鹿息子の兄、その場で責任を取って騎士団を辞めたらしいな」

 身内から犯罪者を出したんだ、当然の処置よね。大人の扱いって、こういうことよ。もし、処罰された家から誰か嫁いでいたら、可哀想だけど嫁ぎ先から離婚を告げられるわね。子供がいたら、引き離されることになるでしょう。

 王家と公爵家を完全に敵に回したんだから。

 家を護るためには、そうするしかないでしょ。薄情って思うかもしれないけど。

「兄は出来た方でしたのね。
 それで、平民の方たちの親はどうなりました?」

「馬鹿息子たちと同じように牢屋に放り込んである」

 牢屋に……?

 そう。留め置いたのね。

 ストーンに連なってる可能性があるからね。上手くいけば、ストーンを退学に出来るわ。そのまま置いといても、学費が払えなくて自滅するけどね。

 公爵家が全ての取引を停止したんだから当然でしょ。今も学園に通えてることが不思議だわ。


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