190 / 354
第三章 超ハードモードの人生に終止符を
狼さんは群れから追放されました
しおりを挟む「……それで、狼さんたちは皆退学になり、仲良く牢屋に放り込まれたのですね」
普通に午前中の授業を終えた私は、殿下と一緒に昼ご飯を食べながら事の顛末を聞いていた。次は自習だからじっくりと話せる。レポートはキチンと提出するから問題ない。どこでやろうと自由だからね。
昨日の今日。
お父様は暫く学園を休むように言ってたけど登園した。へたに休むと、どんな噂が立てられるか分かったもんじゃないからね。休めないわ。
休んでる間に、何かあったのではと邪推されて、それがまるで真実のように一度でも広まってしまったら、絶対打ち消すことはほぼ不可能。それでなくても、阿婆擦れが影でありもしない噂話をし始めているらしいし。
まず間違いなく、裏で阿婆擦れが手を引いてるのは確実よね。タイミング良過ぎるわ。やり方も益々卑怯度増してるし。悪意に満ち満ちてるっていうか……らしいっていったら、らしいけど。
でもまぁ……私が元気で登園していれば、噂は先行しにくいでしょ。それに、いつも以上に殿下がピッタリと私の傍にいる。仲の良さを前面に出していたら、噂は立ち消えするわね。あっても、表立って言えないでしょ。
それに、罪状を隠さず裁いたこともよかったわね。
「当然だ。未来の国母に、俺の最愛に乱暴を働こうとしたのだからな。学生だからといって許せるものではない。きっちりと、大人の扱いで罪を償わせてやる」
ニヤリと笑う口元。でも、その目は全く笑ってないわ……怖っ。だけど、当然の処置よね。大人の扱いって語句にちょっと引っ掛かるけど、突っ込むのは止めとこ。
「……狼さんたちは、皆、下級貴族の子息と平民だと聞きましたが」
「ああ、そうだ。筆頭は子爵家の子息だ。貴族が四人。残りは平民だ。ほとんどが、あの女と同じFクラス。Dも二名いたな」
どちらも、阿婆擦れがいたクラスね。
ところで、ストーンさんの名前を聞かないところをみると、彼は直接関与はしていないみたいね。全く関与してないとは、さすがに思ってないよ。思えないでしょ。
「影響を色濃く受けたようですね」
「惚れた女の願いで身を滅ぼしたんだ、男としては本望だろう」
物は言いようね。
「巻き込まれた家族は災難としか言えませんが」
「確かにな。
女に騙された馬鹿息子のせいで、二段階降格。
男爵家は貴族籍を返上して平民落ち。
子爵家も準男爵。当主は隠居。一代限りの籍だから、子供は平民となる。馬鹿息子の兄、その場で責任を取って騎士団を辞めたらしいな」
身内から犯罪者を出したんだ、当然の処置よね。大人の扱いって、こういうことよ。もし、処罰された家から誰か嫁いでいたら、可哀想だけど嫁ぎ先から離婚を告げられるわね。子供がいたら、引き離されることになるでしょう。
王家と公爵家を完全に敵に回したんだから。
家を護るためには、そうするしかないでしょ。薄情って思うかもしれないけど。
「兄は出来た方でしたのね。
それで、平民の方たちの親はどうなりました?」
「馬鹿息子たちと同じように牢屋に放り込んである」
牢屋に……?
そう。留め置いたのね。
ストーンに連なってる可能性があるからね。上手くいけば、ストーンを退学に出来るわ。そのまま置いといても、学費が払えなくて自滅するけどね。
公爵家が全ての取引を停止したんだから当然でしょ。今も学園に通えてることが不思議だわ。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
5,406
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる