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第三章 超ハードモードの人生に終止符を

了承を得てからかな

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 赤っ恥をかいた道化たちは脱兎の如く逃げ出し、私もさっさとその場から移動した。

 私までも道化になりたくはないからね。

 王室専用のフロアーでお茶を飲みながら殿下を待っている。

 ジッと大人しく待ってると、ついさっき起きた出来事が頭を過った。

 正直理解を超えてる。まさか、食堂でまた騒ぎを起こすなんて考えてもいなかった。それも、日を置かずにだよ。信じられないわ。前々から愚かだと思ってたけど、愚か過ぎて言葉にもならないわ。ほんと、うんざりする。

 溜め息を吐いても怒られないよね。今側にいるのはサクヤだけだし。といっても、サクヤは王家専属だけどね。今更取り繕っても遅いって。散々素を見られてるもの。

 阿婆擦れに学習能力がないのは分かってはいたけど、残りの三人も残念過ぎるわ。先を読めないにも程があるでしょ。おそらく、同意されると信じていたでしょうね。じゃなきゃあ、あんな馬鹿げたことしでかさないわよ。

 こんな大勢の、それもランチ時間に騒ぎを起こして。全く。

 すぐに誰が起こしたか、何が起きたか知れ渡るでしょうね。それも面白おかしく。その後は、ストーン程じゃないけど、それなりに実家にも影響が出るんじゃない。

 自業自得といえばそれまでだけど。

 本人は然程大きく捉えてないかもしれない。学生のしたことぐらいでって、思うかもしれないけど、それはかなり甘いわ。甘々だわ。

 学園は学習の場。

 学生に身分は関係無い。

 一応、そう掲げられてるけど、それはあくまで理想論で表向きに過ぎない。実際学園内は、小さな社交場だ。そこには、明らかに身分制度が存在していた。

 貴族と平民。

 公爵家と伯爵家。

 その差は歴然だ。

 中には、それを完全に無視している人たちもいるようだけど。まぁ後々困るでしょうね。人脈を作れなくて。気付いて慌てて築こうとしても、その時は手遅れだって。

 それはさておき、今回の騒ぎも私のせいにされたらたまったものじゃないわね。それが極一部の人でも不快だわ。

 ほんとあの阿婆擦れ……庇護欲を抱かせるのはだけは、とても上手いのよ。天才だわ。

 今回は失敗したけど、絶対、またあの阿婆擦れが囁くと思うの。そして、第三、第四の馬鹿が出てくるのよ、きっと。ほんと、やだやだ。

 いっそうのこと、完全に排除しようかな。でもそれをするなら、殿下に了承を得ないとね。一番恨んでるのは殿下だから。あっでも、フォード様が動き出してるって話よね。それを待った方がいいのかな。殿下が来てから相談してみよう。

 考えが一段落し、少し冷めた紅茶を一口飲む。そこで、別のことに視点を向けた。

「…………ところで、今日もでしたね」

 ポツリと呟く。

 ここ十日あたり、食堂に行くと強い視線を感じていた。

 憎しみ、恨み、あらゆる負の感情が込められた視線。勿論、殺気もだ。

 当然、私はその視線の持ち主を把握している。出身地も。誰の推薦かも。これ以上酷くなるようだったら、問題を起こす前に故郷に返さないとね。考えるだけで気が重くなる。

 益々、壁は厚くなるわね……。

 
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