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第三章 超ハードモードの人生に終止符を
そもそも、どういう関係性なの
しおりを挟む翌日学園に登校すると、中央掲示板に一枚の紙がデンと貼られていた。
当然人集りが出来ているわよね。生徒の一人が私たちに気付き、サーと掲示板から離れる。おかげで、離れた場所からでも読むことが出来た。他の生徒と一緒に混ざったりはしないわよ。ニコッと微笑んだけど。
ふ~~ん。やっぱり、停学処分になったわね。二週間か……まぁそれぐらいが妥当よね。一週間なら短過ぎるもの。でも二週間なら、実力テストは受けられないわね。停学だから、再試験は受けられないし。進級に関わるテストなのにね。他のテストでよほど良い点を出さないと進級出来ないわよ。私には関係ないけどね。そんなことを考えてると、
「…………編入そうそう停学なんて。なんでも、王家のスペースに入ろうとしたらしいわよ。これだから平民は」
「平民が全てそうではありませんわ。あの方が特殊なんですよ」
「私もそう思いますわ。
食堂のことでしたら、私も目撃しましたの。インディー様がいくら注意しても退かないで、強引に入ろうとしていましたわ。ほんと、信じられません。目を疑いましたわ」
「そうそう。グリード様だけズルいって叫んでましたわ。あまりにもはしたない姿でしたわ」
噂話の好きな女生徒たちの会話が自然と耳に入ってきた。これがこの社会の認識でルール。
「行こうか、マリエール」
耳元でやたら機嫌が良い殿下の声。
「はい」
殿下がエスコートしてくれる。慣れたけど、手を繋ぐのは恥ずかしいので止めて欲しい。でも、殿下は手を繋ぐのが好きなんだよね。はぁ~~。
そんなことを考えていたら、背後から騒がしい声と怒鳴り声が聞こえてきた。自然と私たちの足が止まる。
振り返ると、一人の男子学生が貼られていた紙を無断で剝がしていた。
「おい!! 勝手に剥がしたら駄目だろ!!」
友人かな、必死で止めてるが、完全に無視してビリビリに破ってしまった。
二年ね。あ~~あ、知らないっと。学園長の名が入った掲示物を勝手に破るんなんて、阿呆じゃない。なんて冷めた目で見てると、その阿呆に物凄い目で睨まれた。殿下がスーと私の前に立ち庇ってくれた。
殿下の背中越しに二人を観察する。
どうやら、あのピンク頭の関係者のようね。もしかしたら、義理の兄? いいえ違うわ。義理の兄は後ろで必死に止めてた方。ってことは、アレ誰? 貴族図鑑で見たことない顔よね……
「ストーン商会の息子です」
インディー様がコソッと教えてくれた。優秀過ぎて怖っ。
ということは、平民? 大商会でも平民だよね。友人だったとしても、伯爵令息にあの態度はないわ。暴れて、顔に拳当たってたよね。あ……先生が来て連れて行かれたわ。
阿呆は引っ張られながらも、私を睨み付けてるわね。友人の方は私たちに頭を下げている。
普通反対じゃない? 思わず首を傾げてしまう。
そもそも、どういう関係性なの。
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