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第二章 超ハードモードの人生を終わらせるために頑張ります
牢屋に打ち込まれたならず者
しおりを挟むこの世界から消えた筈の魔法の復活。
その裏にいる糞女神の存在。
禁忌魔法の復活だけでも、とんでもない事が起きているのに、その禁忌魔法【奴隷化】を封じたとされる魔法具まで出現する始末。
私のスキルであのブレスレットを【鑑定】したら、確かに【隷属】の付加が付いていた。
それに気付いたのは私だけ。
他の誰も気付いていなかった。暗部も含めて。殿下も。
子供のスキルだから、間違いがあるかもしれない。信憑性がないのも分かる。疑われても仕方ないと思うし、文句を言うつもりも更々ないわ。
でも、騎士団長様も師団長様も、インディー様もサクヤも、そして殿下も……皆、私のことを信じてくれた。学園長もね。だから、この計画を立てれることか出来たの。
オルガ義兄様の身柄を安全に保ちつつ、ポーター家を嵌める計画をねーー。
但し、オルガ義兄様にはかなりの負荷が精神にも肉体にも掛かるけど。それは仕方ないわね。身から出た錆だと思って耐えてほしい。
決行したのは、私たちが到着した日の夕方だった。つまり、お母様とアル義兄様たちと打ち合わせをして直ぐだ。
ちょうど、タイミングがよかったんだよね。例の人も到着してるし。騎士団長様も師団長様もいる。誘拐犯がいつ誘拐するかも分かんない状態だし。まぁ……誘拐されないように、オルガ義兄様が一人にならないようにしてたけどね。そうじゃなければ、直ぐに誘拐されてたと思うよ。
早速私たちは行動に移った。
といっても、見ているだけ。既に大事な所は終わってた。
私たちが物影から見ていたのは、見回り途中だったオルガ義兄様が、ならず者をたまたま一人で捕らえたシーン。
当然、ならず者は激しく抵抗した。まぁそうよね。なので、オルガ義兄様がならず者の首に手刀を落とす。途端に静かになるならず者。
そしてそのまま、オルガ義兄様はならず者を牢屋にぶち込んだ。それも、わざわざ屋敷の地下にある牢屋にだ。それも、牢屋の中で一番厳重な牢屋に。まぁ、罪なんてどうとでも作れるからね。
気を失っているうちに、さっさと準備する。
まず、ならず者が目を覚まして怒鳴り声を上げないように、師団長はまず声を封じた。声を覚えている使用人もいるからね。まぁでも、顔が違えば、いくら声が似ててもオルガ義兄様とは思わないだろうけど。
次に、魔力も封じた。結構酷いことをしていると、自分でも思うよ。でも、奴隷になるよりはマシでしょ。
私たちがここまでするのは、逃げ出されたら困るからだ。ここは念をいれて厳重にしないといけない。ここでもし失敗したら、全てが水の泡になるのだから。
ならず者さんには悪いけどね。ニ十日程我慢して。
一応、ならず者に接触出来るのはアル義兄様とお母様だけ。執事でさえ接触は出来ない。当然、使用人もね。
ならず者さん、頑張って耐えてね。
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