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第二章 超ハードモードの人生を終わらせるために頑張ります

本当に私は大馬鹿者です

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 マジか……

 言葉が見付からないわ。

 何故、殿下がここにいるのかは一先ひとまず横に置いといて。インディー様も殿下とセットだから、まぁいい。

 だけど、後の二人は全く違うでしょ!!

 なんで、王国最強の騎士と最強の魔術師が一緒にいるのよ。とんでもない二人を引っ掛けて来ないでよ、殿下。

 思わず、両手と膝を地面に付け頭を垂れてしまったわ。

「…………すまない。マリエール」

 殿下が謝る。

 今更、弱々しい声で謝られてもしょうがないでしょ。声を上げて文句を言う気力もないわ。言えないし。

「マリエール嬢久し振りだな。

 真夜中に部屋を抜け出した殿下が気になって跡を付けたんだが、まさか、マリエール嬢と逢い引きとは。なかなかやりますね、殿下。

 行き先はボラン湖ですか?」 

 ……うん。完全に詰んだわ。

 向かう理由も当然バレてるわ……

 誰にも、サクヤとジークには気付かれたけど、他の人には気付かれないように抜け出したのに、何でこうなるの。

「マリエール嬢お久し振り。僕は面白そうな予感がしてね。来ちゃった。マリエールちゃん駄目だよ。法を破ろうとしたら」

 そう言われて、二人がここにいる理由が分かった。

 通行証を持たないで通ることは確かにやったら駄目なことだ。バレてもバレなくても。バレなかったらいいって話じゃないんだ。

 些細なことでも、私が罪を犯せばグリード家に迷惑が掛かる。その行為によって、足元を掬われてしまうこともあるのに。ほんとに、私は馬鹿だ。大馬鹿だ。騎士団長も師団長も忙しいのに、心配してここまで来てくれた。

「すみませんでした。騎士団長様、師団長様、ありがとうございます」

 素直に頭を下げる。

「やっぱり、僕マリエールちゃん、好きだな」

 師団長様はニコニコと笑う。

「じゃあ、そろそろ行こうか」

 私の頭をポンポンと叩きながら騎士団長様が言った。その台詞に驚いよ。

「行っていいんですか!?」

 てっきり駄目だって思ってたから、思わず声を上げてしまったよ。ていうか、一緒に来てくれるの? 心強いけど。

「あの……仕事は大丈夫なのですか?」

 騎士団長と魔術師師団長が王都を離れてもいいの? それも、私の私用だよ。一応。

「それなら大丈夫だ。副団長に伝書鳩を飛ばしたからな。使ってない有休が溜まってたから、丁度よかった」

「僕も右に同じ。ほんと、溜まりに溜まってたからね~~前から取るように、煩く言われてから丁度よかったよ。僕が休んだ分、副師団長に頑張ってもらうから。マリエールちゃん、安心して。彼、とても優秀だから大丈夫」

 国の最強コンビツートップにそう言われたら、もう何も言えないわ。

 にしても、真夜中に伝書鳩を受け取ることになった副団長様に副師団長様、本当に申し訳ありません。心の中で謝り倒したよ。




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