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第二章 超ハードモードの人生を終わらせるために頑張ります
新たなところで敵認定されてます
しおりを挟む「……これって、一応宣戦布告されたことになるのよね。カイン殿下」
素晴らしい健脚を披露しながら走って行くディア様を見送りながら、私はすぐ後ろにいる殿下に尋ねた。
救い出すって、どう考えてもそういう意味だよね。何故か、オルガ様の名前も出てたのが気になるけど。思ってたより、オルガ様の位置はディア様の中で大きかったのかな。それにしても、
「言葉での宣言は初めてだな。行動だけなら、当の昔に宣言し実行してたけどな」
ですよね。ちょっと呆れてしまう。殿下も呆れてるようだ。
「今更感満載ですわ」
あまり詳しいことを知らないクラスメートも頷いているし。本当に今更だわ。そんな私の隣で、
「でも、これで分かりましたね。グリード様の休学の件、ポーター様が色々ご存知のようですわね」
と、レーア様がフフフと微笑しながら言った。扇で口元を隠しながら。
うん。様になってる。さすがレーアお姉様。迫力ありますね。扇の使い方が様になってます。
「グリード様は体を壊して、領地にて療養中なのに」
さすが姉妹。ユーリ様も笑みを浮かべながら告げる。笑み怖い。
そう。表向きには、オルガ様は療養中になっている。勿論、そう届け出も出している。だから一般の生徒は、「元気だったのに何で?」と思いながらも、詳しいことは知らない筈。
当事者と関係者でない限りね。
それを知ってるディア様って……となるわね。
そうそう。
Sクラスって、自然と高位貴族で固められてるのよね。まぁ中には、商会の長男もいるけど。ほぼ高位貴族。大臣や宰相の子供ばかりなんだよね。つまり将来、国を背負う立場の人間たちってこと。ディア様は違うけど。
そんな人たちの中での、この宣言。
正直ないわ。側で聞いていたクラスメートが、家族に報告するって考えないの。学生だから問題にならないって考えてる? なら、ありえないわ。甘過ぎる。自分の発言一つ一つが、間接的に自分の首を締めることになるって気付かないの。今も、徐々に締められてるのに。鈍感過ぎるわ。だから、平気で言っているんだろうけど。
残念だって、ケーキ屋さんに行った時お母様が言ってたけど、本当に残念だわ。考える力と想像力が欠如してるのね。それとも、自分は特別な存在だって思ってるのかな。どちらにせよ、馬鹿じゃないの。
「……アレで、私たちのマリエール様を陥れようとするなんて、潰してしまおうかしら」
レーア様が力を込めて扇を握る。するとユーリ様がすかさず言った。
「簡単に潰したら面白くありませんわ。レーアお姉様」
その発言。問題アリアリです。本当にやりそうで怖いです。そして、冗談抜きで出来るあたりが、とても怖いです。なので、
「冗談でも、お止め下さい。レーアお姉様、ユーリお姉様。
私を気遣って、お姉様方が矢面に立つのは嫌ですわ。それに、これは私の問題です。私がキチンと対処しますわ。だから、安心なさって」
必死で止めた。
だってこれは、私とディア様の戦いだよ。レーア様たちに荒らされたくないじゃない。私自身の手で潰すわ。でもその前に、自滅しそうだけどね。
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