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第二章 超ハードモードの人生を終わらせるために頑張ります

完全な消化不良だわ

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「おはようございます。マリエール様」

 相変わらず、名前呼びしてくるわね。

「おはようございます。ポーター様」

 少し警戒しつつも、それを表に出さずに挨拶を返す。

 ……あれ?

 何も言って来ないわね。そのまま席に戻っちゃった。ちょっと拍子抜けしちゃったよ。大袈裟に喜んで自慢してくるか、大したものじゃなくて怒るか、そのどちらかと思ってたんたけどな。いつもと変わらないままっていうのは想像してなかったわね。なんか、不気味。

 とはいえ、ディア様が何も言ってこないのに、こっちから聞く訳にもいかないしね。モヤモヤした気分だわ。消化不良って感じ。

 結局、授業が終わってからも、ディア様は何も言っては来なかった。なので、そのまま退室するしかない。

「……貰って嬉しいかは別として、絶対何か言ってくるって思っていたのに、残念だわ。そう思わない? サクヤ」

 Sクラスに戻る途中、隣を歩くサクヤについボヤいてしまう。

「使ってましたよ」

「えっ!?」

 思わず、サクヤの顔をマジマジと見てしまったよ。

「ポーター様は、ランス王子から贈られたプレゼントを使用しておりました」

 ということは、インディー様が何を送ったのか知ってるのね。

「へぇ~~何を贈ったのかしら?」

 とても興味があるわ。まぁ、アクセサリー類じゃないから、文具だと思いけど。

「ペンですよ」

「やっぱり、文具でしたのね」

「それが一番妥当でしょう。さすがに、親しい間柄でもないのにアクセサリー類を贈ることは出来ませんから。とはいえ、一応王家から贈るものなので、それなりの物を贈っております」

 でしょうね。オーダーメイドとはいかなくても、それなりの物を贈っているでしょうね。

「使うってるのは、貰って嬉しかったからなの?」

「それはどうでしょう。ただたんに気に入ったからかもしれませんよ」

「まぁそれでも、早速使用しているということは、かなり気に入ったと考えてもいいわね」

 公爵家の令嬢だもの。物には不自由してないでしょ。

「公爵様の命令かもしれませんよ」

 確かにその線は考えられるわね。でも、親の目が届かない学園で、使うかどうかは本人の気持ち次第。まぁ、本人がランス殿下に対して乗り気かどうかは分かんないけど、かなり好印象を持っているような気が……でも…………

「……どうかしましたか?」

 黙ってしまった私を心配して、サクヤは問い掛けてきた。

「いえ、別に……殿下のストレスが溜まりそうだなと考えていただけですわ」

「確かに」

 サクヤの声を聞きながら別のことを考える。

 何かが引っ掛かる。それが何なのか分かんないけど、感覚的に引っ掛かった。ほんと、消化不良で胃に食べ物が残ってる感じ。気持ち悪いわ。たぶん、ディア様の不自然な態度が一番の原因だと思うけど。まぁ取り敢えず、暫く用心をすることにこしたことはないわね。

 そんなことを考えながら、殿下がいる教室へと戻った。

 


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