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第一章 人生、まてしても超ハードモードから始まるようです
お姉様ってずるいよね(ソフィア視点)
しおりを挟む初めて会った時思ったの。
お姉様は何でも持ってるって。
ずるいでしょ。同じ姉妹なのに。きっと、今まで苦労なんて一つもしたことないんだね。手がすっごく綺麗だもん。生まれた時から、お姉様はお姫様だったんだね。
昔から、いつもお母様は言ってた。
お姉様のお母様がいつも意地悪をしてて、お父様が私たちの所に来れないようにしてるって。本当に愛してるのは自分たちで、結婚するのも本当は自分だったんだって。
なのに、お姉様のお母様がお父様を好きになって横からお父様を奪ったんだって。
その気持ちよく分かる。お父様、格好いいもん。地位もあってお金もある。もてる要素ありありだよね。
一応、お父様に確かめたんだよ。
そしたら、「そうだ」って言ってたから、本当に意地悪してたんだね。
だとしたらさぁ。私たちの不幸の上で、お姉様は幸せを謳歌してたってことになるよね。それって腹立たない? 立つよね。
えっ、難しい言葉を知ってるって。
うん。それはね、私には前世の記憶があるからだよ。お母様にもお父様にも内緒にしてるけどね。嘘じゃないよ。別に痛い子でもないよ。
だから分かるの。ここが異世界だってね。まぁ、あるっていっても、全部覚えてる訳じゃないけど。ちょっとだけ、この世界の子供よりものを知ってるだけだよ。
だから、他の人より上手く立ち回れる自信がある。それに、自分で言うのもなんだけど、物凄く可愛いんだよね、私。これって、立派な武器だと思うんだ。
実際、武器だったよ。
目を潤ませたら、皆、面白いようにコロッと騙された。
お姉様は離れに追いやられて、お姉様の部屋は私の部屋になった。お姉様についていた侍女も私専用になった。お姉様の味方になった侍女も追い出してやった。お姉様の目の前でね。その時のお姉様の顔、最高だったわ。超胸がスカッとした。
私が不幸だった六年。お姉様も不幸にならなきゃ、不公平じゃない。私たち姉妹なんだし。
私を虐めてると勘違いした侍女が、お姉様に意地悪をしてるのも知ってる。でもね、お姉様、全然堪えてないの。ちょっと優しすぎたかな。
だから、わざと見付かるような場所で泣いてみた。すると、何にも言わないのに、お姉様が私を泣かしたことになった。これで、少しは堪えるよね。
でもね、お姉様平気そうなの。
それは婚約者がいるからだね。味方がいれば強いもん。
だから、今度はお姉様の婚約者を私のものにすることにしたの。超、簡単だったよ。それに、お姉様もカイン様のことそんなに好きじゃないでしょ。
そもそも、平凡なお姉様にはカイン様は勿体ないわ。超格好良くて、次の国王様だよ。彼の隣には、可愛くて賢い私のような人間が相応しいんだよ。
私も公爵家の人間なんだから、お姉様の代わりに私が婚約者になってもいいよね。お父様もお母様も応援してくれてる。
なのに、まだ私のものにならない。
お姉様が邪魔してるのね。
カイン様の気持ちがお姉様にないのに、縋りついてるお姉様って、超可哀そう。ドレスも贈られてないし。新年のパーティー楽しみだわ。ほんと、いい気味。
そう思ってたら、お姉様が反撃に出てきたの。カイン様が私のために用意してくれた護衛を勝手に解雇したんだよ。結構イケメンで優しくて気に入ってたのに。ほんと腹立つよね~~。お姉様のくせに。
だから、カイン様が来た時に訴えたの。ポロポロと涙を流しながら。
そしたら、物凄くカイン様怒って、お姉様に注意してやるって言ってくれた。本当は、「婚約破棄してやる」って言ってくれたら嬉しいんだけどな。でも、私の方からは言わないよ。そこらへんは、ちゃんとわきまえてるから。
お父様が仕事から戻って来たら、護衛のこと言わないとね。どんな顔見せてくれるのかな。今から超楽しみ~~。
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