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第一章 人生、まてしても超ハードモードから始まるようです
完無視されてます
しおりを挟む私がプレゼントをその場で返してから、殿下とは一度も会っていない。もう半年は会ってないかな。完全に避けられてるし、無視されている。
その間に、殿下の誕生日が来たから、ちゃんとプレゼントを贈ったわ。メッセージカードを添えて。私のポケットマネーでね。あの毒親がくれるわけないでしょ。ソフィアには渡したようだけどね。プレゼントを買いに同伴したそうよ。ほんと、痛かったわ~~。なのに、返事は全く来なかった。プレゼントも捨てられてるんじゃないかな。別に構わないけど。贈ったことが大事だから。
私と殿下は不仲だけど、この半年間、殿下が公爵家に遊びに来なかった訳じゃないんだよね。事実、めっちゃ遊びに来てる。
王妃教育のために王宮に来ている時を狙って、殿下はソフィアに会いに行ってるみたい。プレゼント持参で。
何で知ってるかって?
わざわざ見せに来るのよ。
今日は何処に連れて行って貰ったとか、今日はこれを貰ったとか……上から目線でね。マジウザい。
で最後には、「お姉様、相手にされなくてかわいそう」で終わる。とことん、自分が優位に立ちたいんでしょ。たぶん、食堂でも屑や糞女にも同じことを話してるんでしょうね。それを屑と糞女は楽しそうに聞いてるんだろう。目に浮かぶわ。
私? 一緒に食べてはないよ。一度も一緒のテーブルについたことはないわね。冷めた食事が更に不味くなるわ。
何度も言うけどさ、そのお金は勿論王太子妃の諸費から出ている。本来、私に使われるべきお金よね。そもそも、いくら王族とはいえ、十三歳の子供がそんなにお金を持ってる訳ないもん。そこから出すしかないよね。
護衛付きで、王都に二人で何度も遊びに行っているし。当然、仲良さそうな姿を貴族に目撃されてるでしょうね。まだパーティーに参加出来ないから確かめられないけど、まず間違いなく絶対噂になってるよ。隠そうともしてないんだもん。
なので、婚約者は私でなくソフィアと噂されてるみたい。正式に発表されてないから仕方ないよね。様子見の貴族も多いんじゃないかな。屑と糞女は当然、その噂を否定しない。反対にこぞって流してるようだけどね。外堀を埋めた気でもいるのかもしれないわね。
同じ公爵家の娘だから、入れ替わっても特に問題はないって考えてるみたいだけど、そう上手くいくかな。だって、私のお母様は今は亡き亡国の王女だよ。方や、糞女は男爵出だし。男爵といっても養女だからね。正直、簡単には行かないんじゃない。私が退場した後もね。
それにそもそも、国王陛下に対して不敬だって思わないのかな。だってそうでしょ。この婚約を決めたのは国王陛下だよ。その国王陛下に異義を申してることと同じなのにね。馬鹿な屑と糞女はこれっぽっちも気付かない。当然、ソフィアは論外。三人とも夢の中の住人だからしょうがないか。
まぁ、あの三人がどうなろうと私には関係ないんだけどね。自分で自分の首を締めてても。自業自得なんだから諦めて。
ただね……気になることが一つあるんだよね。
国王陛下と王妃様が、何もこれといって手を打っていないことが、却って不自然に感じるんだよね。
国王陛下と王妃様が、うちの所の毒親と同じタイプならまだ分かるんだけど、全く違うから気になるんだよ。
注意ぐらいはしているみたいだけどね。でも、それ以上何もしていない。だけど、相変わらず、私の王妃教育はいつも通り続いている。ソフィアが呼ばれたこともないわ。
傍観にしては長過ぎるような気がするんだよね。何かを待ってるような、そんな気がしてならない。考え過ぎかもしれないけど。
胸騒ぎがする。
ゾワッとするんだよね。鳥肌がたつ前のような感じが近いかな。こういう時の私の勘はよく当たる。よくね……。
一か月後、新年を祝うパーティーが開催される。
昼の部は未成年も参加しなくちゃいけない。高位貴族の令息、令嬢は全員参加するでしょうね。
当然私もソフィアもね……。
場合によったら、逃亡計画の日取り見直さなきゃいけないかもしれない。いつでも出て行けるように、最低限用意しとかないといけないわね。一応、魔法バックがあるから荷造りはしてるけど。
あっでも、その前にドレスどうしよう。殿下がくれるとは思わないし、あの毒親がくれるとも思わない。もう二度と着ないんだし、今着ているものをリメイクすればいいかな。もし笑われたら、その時は素直に答えればいいだけよね……素直にね。
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