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24.新たな虜囚
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ナカをぐいっと押し拡げられ、大きく硬いもので圧迫された感覚は、聴覚や視覚と同様、石化しても尚残り続けている。
仮に身体の表面と同様に内部の感度が上げられていれば、この圧迫感と異物感だけでまともな思考が出来ないほどに乱れていた事だろう。だが、幸か不幸かエヴァンのナカの感度は石化前とそう変わってはいなかった。
なまじ思考することができる余地が残されているせいで、ディルドが後孔をみっちりと埋めたまま固まっているという事実が、物足りなさとなって昂った精神をじわじわと苛んでいく。
(っ……ぁ……ん、んぅっ……やだ……たりな……っ)
これなら『手入れ』でひたすら感じ喘いでいるほうが楽だと……焦れた心が、外からの刺激を求めだすまでそう時間は掛からなかった。
(んっ……ぁ、ブラッド……はやく……)
切なく喘ぐエヴァンの焦燥感とは裏腹に、エントランスを訪れるこの城の住人たちにとって『淫乱剣士』の像は愉快な玩具でしかない。
彼らの主人であるブラッドのように、同族殺しとしての罪を深く問う者は居ないものの、読心魔法でエヴァンの胸中を暴きながら戯れに石の身体を弄んでいく。
朝に入れ替わり立ち替わり『手入れ』された後も、気まぐれに薄布や羽ホウキによる刺激が敏感になった石の肌に叩き込まれる……。
(あっ、ぁあっ……そこっ……んんぅ……っ……)
室内という事もあり、時間の経過すら曖昧なままエヴァンは快楽の渦の中で悶え続ける。
エヴァンが石化魔法をかけられてから三日目。丹念な手入れにより、石の身体には塵一つ無いものの、その精神はひたすらに追い詰められていた。
(も、むり……これじゃ、もどっても、身体へんに、んぁあ……っ! やっ、ぁ、羽、はねやだ……あぅ、ぁんっ……)
陰茎と陰嚢の裏をさわさわとくすぐられ、内側に蓄積され続ける熱にただ悶える事しかできない。
そんな、もはや魔族たちには日常となった『淫乱剣士』への辱めが繰り広げられているエントランスに、絶叫が響き渡った。
「いっ、嫌だ……っ!!」
(……ぁ……にん、げん……?)
程なくして、エヴァンの視界に入ってきたのは二つの人影。
片方は、腕を縛られた人間の男。そしてもう片方は、その男の縄を引く長身の魔族。
「おいおい、暴れるなって」
「俺もあんな風にみっともなく固める気だろ!? 冗談じゃねぇ、この魔族風情が、んっ、むぐ……んんっ……」
(……っ……)
同じ人間に間抜けさを指摘され、エヴァンの胸にそれまでとは違う種類の羞恥が込み上げる。
「ああもう、それ咥えて大人しくしてろ。ったく、これだから盗賊は……。血の気が多いったらないぜ」
「んー!!んん……!!」
布を噛まされ、言葉を発する事ができなくなった男。その身体に、縄が足されていく。魔力によって簡単に拘束具を構成できる以上、抵抗すればするほど、きつく身体を戒められてしまう。そうして脚までしっかりと縄で拘束された男の身体を、魔族は軽々と抱え上げた。
「むっ、んんんんっ! んんぅ……!」
「あれも悪くは無いが、まずはここの締め付け具合を味わってからだな」
「んっ!? んんぅ……!」
魔族の指先が、服の布地越しに後孔を撫でる。すると、途端に男の身体から力が抜けた。
「っ、ん……ふざけ……んっ、く……んん……」
身体をまさぐる指先が蠢くたび、甘さを帯びていく声。
つい先ほどまで反抗的な態度だった男は、魔族に抱えられたまま感じ入ったように身を震わせている。
「んぅ……っ……んっ……」
「よしよし、俺の見立てに間違いはなかったな」
腕の中の男を見下ろしながら、魔族は満足げにそう呟いて歩き出す。そうして二人の姿は、エヴァンの視界から消えていった。
(あんな、一瞬で……)
魔族の指先一つで、あっという間に陥落してしまった男の姿。以前のエヴァンであれば、同じ人間への辱めに怒りや同情を覚えた事だろう。だが、今のエヴァンの心に湧き上がるのは、あの男のように感じ喘ぐ事への羨望だった。
(気持ちよさそう、だった……)
きっと、これからあの男は、快楽に喘ぎながら、魔族の言う「締め付け具合」を確かめられる事になるのだろう。
そんな想像を巡らせながら、エヴァンは行き場の無い熱をただ持て余し続けた。
仮に身体の表面と同様に内部の感度が上げられていれば、この圧迫感と異物感だけでまともな思考が出来ないほどに乱れていた事だろう。だが、幸か不幸かエヴァンのナカの感度は石化前とそう変わってはいなかった。
なまじ思考することができる余地が残されているせいで、ディルドが後孔をみっちりと埋めたまま固まっているという事実が、物足りなさとなって昂った精神をじわじわと苛んでいく。
(っ……ぁ……ん、んぅっ……やだ……たりな……っ)
これなら『手入れ』でひたすら感じ喘いでいるほうが楽だと……焦れた心が、外からの刺激を求めだすまでそう時間は掛からなかった。
(んっ……ぁ、ブラッド……はやく……)
切なく喘ぐエヴァンの焦燥感とは裏腹に、エントランスを訪れるこの城の住人たちにとって『淫乱剣士』の像は愉快な玩具でしかない。
彼らの主人であるブラッドのように、同族殺しとしての罪を深く問う者は居ないものの、読心魔法でエヴァンの胸中を暴きながら戯れに石の身体を弄んでいく。
朝に入れ替わり立ち替わり『手入れ』された後も、気まぐれに薄布や羽ホウキによる刺激が敏感になった石の肌に叩き込まれる……。
(あっ、ぁあっ……そこっ……んんぅ……っ……)
室内という事もあり、時間の経過すら曖昧なままエヴァンは快楽の渦の中で悶え続ける。
エヴァンが石化魔法をかけられてから三日目。丹念な手入れにより、石の身体には塵一つ無いものの、その精神はひたすらに追い詰められていた。
(も、むり……これじゃ、もどっても、身体へんに、んぁあ……っ! やっ、ぁ、羽、はねやだ……あぅ、ぁんっ……)
陰茎と陰嚢の裏をさわさわとくすぐられ、内側に蓄積され続ける熱にただ悶える事しかできない。
そんな、もはや魔族たちには日常となった『淫乱剣士』への辱めが繰り広げられているエントランスに、絶叫が響き渡った。
「いっ、嫌だ……っ!!」
(……ぁ……にん、げん……?)
程なくして、エヴァンの視界に入ってきたのは二つの人影。
片方は、腕を縛られた人間の男。そしてもう片方は、その男の縄を引く長身の魔族。
「おいおい、暴れるなって」
「俺もあんな風にみっともなく固める気だろ!? 冗談じゃねぇ、この魔族風情が、んっ、むぐ……んんっ……」
(……っ……)
同じ人間に間抜けさを指摘され、エヴァンの胸にそれまでとは違う種類の羞恥が込み上げる。
「ああもう、それ咥えて大人しくしてろ。ったく、これだから盗賊は……。血の気が多いったらないぜ」
「んー!!んん……!!」
布を噛まされ、言葉を発する事ができなくなった男。その身体に、縄が足されていく。魔力によって簡単に拘束具を構成できる以上、抵抗すればするほど、きつく身体を戒められてしまう。そうして脚までしっかりと縄で拘束された男の身体を、魔族は軽々と抱え上げた。
「むっ、んんんんっ! んんぅ……!」
「あれも悪くは無いが、まずはここの締め付け具合を味わってからだな」
「んっ!? んんぅ……!」
魔族の指先が、服の布地越しに後孔を撫でる。すると、途端に男の身体から力が抜けた。
「っ、ん……ふざけ……んっ、く……んん……」
身体をまさぐる指先が蠢くたび、甘さを帯びていく声。
つい先ほどまで反抗的な態度だった男は、魔族に抱えられたまま感じ入ったように身を震わせている。
「んぅ……っ……んっ……」
「よしよし、俺の見立てに間違いはなかったな」
腕の中の男を見下ろしながら、魔族は満足げにそう呟いて歩き出す。そうして二人の姿は、エヴァンの視界から消えていった。
(あんな、一瞬で……)
魔族の指先一つで、あっという間に陥落してしまった男の姿。以前のエヴァンであれば、同じ人間への辱めに怒りや同情を覚えた事だろう。だが、今のエヴァンの心に湧き上がるのは、あの男のように感じ喘ぐ事への羨望だった。
(気持ちよさそう、だった……)
きっと、これからあの男は、快楽に喘ぎながら、魔族の言う「締め付け具合」を確かめられる事になるのだろう。
そんな想像を巡らせながら、エヴァンは行き場の無い熱をただ持て余し続けた。
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