魔族に捕らえられた剣士、淫らに拘束され弄ばれる

たつしろ虎見

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20.綻ぶ矜持

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 先ほどまでの緩やかな動きとは違う、奥を穿つ激しい律動。突き上げられるたびに身体が震え、ほんの僅かに残っていた反抗心すら消し飛んでいく。
「ふ、ぁっ……んっあ、奥っ……も、こんな……ああっ……!」
「っ、く……」
 どぷんっ、と魔力と精液が内壁に放たれる感覚に、視界が一瞬白く染まった。
「ぁ……ぁあ……あ……っ」
 以前に射精を受け止めた時は、淫魔化の途中だったという事もあり訳が分からないまま意識を飛ばしてしまった。
 だが、完全に淫魔となった今、身体は素直にブラッドから注がれる濃厚なそれらを悦び受け入れていく。
「っ、ぁ……あつ……い……」
 最奥に出された精液が、内壁を伝って全身に染み渡っていくような感覚。淫魔となった以上、決して錯覚ではないそれに、エヴァンはただ表情を蕩かせる事しかできない。

「あれだけ淫魔化を嫌がっていたというのに、身体を弄られれば気持ち良さげに喘ぎ、挿入されれば腰を揺らして締め付ける……。つくづく救いようのない淫乱だ」
「ん、ぁっ……」
 蔑むような視線を向けながら、ブラッドが腰を引く。たちまち後孔からとろりと溢れ出した精液の感覚に、エヴァンはふるりと身を震わせた。
「……は、ぅ……っ……ぁ、ぁっ……」
 高位の魔族から注がれた濃厚な精液。受け止めきれず溢れるそれを、勿体ないと……そう、思ってしまう。
(っ、そんな……)
 精を餌にする淫魔であれば、ごく自然な感情。だが、以前の自分であれば到底ありえない思考に、エヴァンは後孔をひくつかせつつも羞恥に頬を染めた。

 己の心の変化に戸惑う間もなく、ブラッドの手によって両の腿が割り開かれる。くぱぁっと開いたままの後孔に視線が注がれ、エヴァンは涙を浮かべたまま身を捩る。
「あ、ぅ……見、るの、やめっ……」
「孔をひくひくと震わせておいて、よく言う。……簡易魔法陣を確認しているだけだ。終わるまでその格好のまま力を抜いていろ」
「っ……!」
 簡易魔法陣。その言葉に、収まっていたはずの痒みがじくじくと内壁で疼きだす。
「っ、ぁ……ああっ! い、いやだ、またっ……んんーー!!」
「……予想通りの反応だな」
「えっ、あっ、なにもしないのやだ、かゆい、かいて、掻いて……っ、またアナルのなか、ごりごりってぇ……!」
 脚を開いたまま腰を前に突き出してくねらせながら、挿入をねだる。そうしている間にも掻痒感は消えず、内壁の熱はますます増していく。

「痒い……か。不可解な事を。俺がお前のナカに精を放った時点で、その効果は消し去っておいたはずだが」
「え……っ、でも、さっき……ぁ……」
 焦れておかしくなりそうにながらも、何とか記憶を辿る。
(あ……簡易魔法陣を確かめるとは言ってた、けど……それがどうなっているのかは一言も……)
 つまり、今感じている痒みは魔法陣の効果ではなく、連想によって身体が反応してしまった事によるもの。
 自分で自分を追い詰め、挙句目の前の魔族に懇願してしまった事実が気恥ずかしいのに、以前として収まらない痒みをどうにかしてほしくて、ねだるように腰が揺れてしまう。
「っ、ふ……ぅ、んんっ……」

「どうやら、すっかり内壁をこれで掻かれるのが癖になったようだな」
「ち、ちがっ……ぁぁ……っ」
 否定の言葉を言い終わる前に、ぐちゅん、と再び貫かれる後孔。
「んぁあっ……! ぁ……ぁぁ……」
 内壁がびくびくと震え、突き立てられた屹立がナカで動くたびに、痒みが甘い快楽に変わっていく。
「ぁ……すご、い……や、もっとぉ……っ!」
「そうだ、取り繕うのをやめろ、淫乱剣士、お前は浅ましく精をねだり腰を揺らす肉壺だ……っ」
「んぁっ、ぁあっ! あぁあぁ……っ!」
 ごりゅっと最奥を突かれると同時に、張りつめた乳首をぴんっと指で弾かれる。その刺激すらも気持ちよくて、エヴァンは背を反らして甘い声で喘いだ。
「ぁ、んぁっ……ちくびもナカも、きもちい……っ」
 内壁を締め付けながら、もっと、とねだるように腰を揺らす。そんな淫らな懇願に応えるように抽挿のペースが速まり……エヴァンは蕩けた顔でブラッドを見上げた。

「んぁっ! ……ぁ、あぁあ……っ」
 敏感にひくつく内壁をごりゅっと擦られるたびにに真っ白に染まる視界。もはや射精無しで達することに対する違和感は無く、それどころか全身に染みわたる果ての無い甘い快感に夢中で溺れてしまう。
(んっ、ぁ、だめだ、これ、きもちよくて、心の中がいっぱいで……あっ、せーし、また、なかにっ、ん……)


「は、ぁっ……」
 翌日、見回りのために鎧を纏わされたエヴァンは一人熱っぽい息を吐きだす。
(ん、だめだ……、こうやって、立ち止まると、また思い出して……ぁっ、やだ、また右胸だけくにくにって……んっ、ぁ、足りなっ……)
 昨晩ブラッドの激しい抽挿を受け止めた後孔は、痒みこそないものの、未だじんわりと疼き続けている。
 鎧の中の触手はぽっかりと開いてひくつくそこを気まぐれに掠めるものの、求める刺激には全く足りない。……それどころか、半端に触れられるせいで余計に身体が熱くなってしまう。
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