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12.注ぎ込まれる魔力

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 ずっと性具で慣らされていたそこは、さほど弄らずともぐずぐずに蕩けている。
 指でナカに触れていたのは、魔力吸収率を上げるローションを塗り込むためだ。人の身には少々強めの媚薬作用もあるが、精神保護の魔法をかけておいた事でそう簡単に気をやる事も無いだろう。

「そろそろ、だな」
「ん、くっ……」
 たっぷりとローションを注ぎ、腸壁に馴染ませた後、俺は指を引き抜いた。
「はぁっ……は、ぁ……」
 物寂しげに収縮する後孔に、俺は自分の剛直をぴたりと宛がう。
 何かと制約の多い人間とは違い、高位の魔族は己の身体を自在に変化させることが出来る。
 相手に欲情せずとも性器を硬くすることができるし、太さや長さも思い通りだ。

「んぁっ!? っ、ひっ……」
 突然訪れた熱量と質量に、エヴァンが息を呑む気配がしたが……この男から望んできた以上、止めてやるつもりなど毛頭ない。
「ぃうっ……!? ぁっ、あぁっ! やぁっ……」
 ずぷりと一気に奥まで穿てば、嬌声と共に性器がきゅっと締め付けられる感覚が返ってくる。
「……これは、なかなか悪くない」
 エヴァンに挿れていた性具。それを構成する魔法の一つに、内部の筋肉を緩すぎず、硬すぎず、ちょうどいい具合に留めておくという効果がある。それ故に、淫魔化前でも肉壺としては必要最低限の品質にはなっているだろうと考えていたが……、この仕上がりは予想以上だ。

「名器の資質がある、なっ……」
「んっ、んっ、んぁっ、んぅっ」
 腰を進めるたび、柔らかな内壁が早く欲しいとばかりに剛直に絡みつく。歓迎するかのようにきゅんきゅんと吸い付いてくるのを感じながら、俺は何度もエヴァンの後孔を貫いた。
「んぁっ、ゃっ……んんっ……」
 あれだけ拒んでいたエヴァンも、ローションの作用なのかすっかり蕩けきった表情になっている。
「ほう、随分と悦さそうにしている……ッ」
「ちがっ……あっ、あああ!? ……ナカっ、熱……なんだ、これ……んんぅ……」
 無防備な両胸の先端をきゅっと摘まみ、刺激に悶える身体を組み敷きながら精液と共に魔力を注ぎ込む。

「しっかり受け止めろ、淫乱剣士……!」
「~~~~っ!? あ、ぁあ……っ!」
 どぷっ、と精を放つと同時に、エヴァンの体がびくんと跳ねた。そのまま、ぎゅっと締まる内壁に擦り付けるようにして残滓まで注ぎ込む。
「ひぅっ、ぁ、やだ、この感じ、身体が、変にっ……んぅぅっ!」
「ああ、さっそく淫魔化が進んでいるな。下腹部にもしっかりと淫紋が出ている」
「へ……いんま……? っ、ぁああっ!? なんだ、これっ……」
 淡い桃色の光で刻まれた、ハート型の紋様。下腹部に浮かび上がるそれを見て、エヴァンは悲鳴を上げる。

「これは俺が注いだ魔力が、お前の身体を変質させている証だ。人間から、精を貪る魔族……淫魔にな」
「え……あ……」
 精神保護の魔法は、こういったときに残酷性を発揮する。快楽漬けにされても、なお守られている理性のせいで、今この瞬間、エヴァンは己の目論見が完全に瓦解した事を悟ったのだろう。
 俺の魔力を注ぎ込まれて魔族の身になるということは、完全に俺の手駒と化すことを意味する。そうなってしまえば、篭絡はおろか、人間の世界に戻る事など不可能だ。

「ぬ、抜いてくれ、こんな、俺はまだ……!」
「物欲しそうに締め付けておいて良く言う」
 未だナカに入ったままのそれを、ずんっと奥に突き入れる。
「んっ、く、ぁあっ! ゃ、だぁっ!」
「確かに今すぐに魔力を浄化すれば、淫魔化は止まるだろう。だが、俺がそれを許すとでも?」
 拒絶する言動とは裏腹に、温かな内壁は程よい締め付けで剛直を包み込んでくる。

「ああ、いいな……同胞殺しの淫乱剣士も、ここだけは役に立つ」
 性欲処理の道具としてとはいえ、人間を捕らえて側に置く同族の気が知れなかったが、これをずっと愉しめると思うとなかなか良いものだと思える。
「ぁ、もっ、や、ぁっ、んんっ……!」
 どぷどぷと魔力と精液を注ぎながら、嬌声を上げるエヴァンの身体を揺さぶる。

(……頃合いだな)
 一際強くなった淫紋の光を感じながら、俺は最奥を抉り、淫魔化の仕上げとばかりに精液と魔力を同時に放つ。
「ぁ、ひっ!? ~~~~っ!!」
 射精無しで達したのだろう。仰け反ったかと思えばたちまちに力が抜けた身体から、ちゅぽんと音を立てて屹立を引き抜く。
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