徒然短編集

後醍醐(2代目)

文字の大きさ
上 下
2 / 26

お題『僕は平凡な高校生だが、実は魔法を使うことができる。』

しおりを挟む
  僕は平凡な高校生だが、実は魔法を使うことができる。魔力を込めて念じれば手から炎も氷も飛ばせるし、なんなら自分でそれらを纏って飛んでゆける。……まあ、魔力が乏しいこの世界では必要も無いのにそれをするメリットが無いからしないけども。そう、そもそも僕はこの世界の出身では無い。違う世界からやって来た、所謂異世界人なのだ。元の世界では魔力も潤沢で、それこそ炎やらなんやらを纏って飛んでゆくなんて事は日常茶飯事だった。それなのにいきなりこんな魔力の乏しい世界に飛ばされて、満足に魔法も使えない生活を強いられてるんだから毎日が辛くて辛くて仕方ないんだよ。そりゃあ、僕は天才だ。魔法が殆ど使えない上に見た事も無い物に溢れかえってて、オマケに常識から何から何まで違う世界だとしても、人並みの生活を手に入れる位の収入を得るのは簡単な事だったよ。ただ、元の世界には家族も友人も居て、皆と会えない悲しさや帰る目処が立たない苦しさは何をやっても解消しなかったのさ。まあ、そんな日々を乗り越えて今を必死に生きてるのがこの僕なのさ。どうだい、凄いだろう。でもね、この世界にもただ一人魔法使いが居たらしい。それはね、君さ!君はこの僕に魔法をかけた。そう、恋の魔法を……ね!どうだい、僕と付き合ってみないか?異世界人の恋人なんて素敵だろ?


「ごめんなさい」
  なんかキモかったから、私は彼の告白を断った。大体なんなんだ、魔法だの異世界だのと……頭の中がファンタジーな恋人なんて欲しくはない。あ、泣きながら炎纏って飛んでった。なんだ、本当の話だったのか。フム、燃える彼氏か……うん、やっぱり要らないかな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

後悔と快感の中で

なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私 快感に溺れてしまってる私 なつきの体験談かも知れないです もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう もっと後悔して もっと溺れてしまうかも ※感想を聞かせてもらえたらうれしいです

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

病気呼ばわりされて田舎に引っ越したら不良達と仲良くなった昔話

ライト文芸
弁護士の三国英凜は、一本の電話をきっかけに古びた週刊誌の記事に目を通す。その記事には、群青という不良チームのこと、そしてそのリーダーであった桜井昴夜が人を殺したことについて書かれていた。仕事へ向かいながら、英凜はその過去に思いを馳せる。 2006年当時、英凜は、ある障害を疑われ“療養”のために祖母の家に暮らしていた。そんな英凜は、ひょんなことから問題児2人組・桜井昴夜と雲雀侑生と仲良くなってしまい、不良の抗争に巻き込まれ、トラブルに首を突っ込まされ──”群青(ブルー・フロック)”の仲間入りをした。病気呼ばわりされて田舎に引っ越したら不良達と仲良くなった、今はもうない群青の昔話。

校長先生の話が長い、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。 学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。 とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。 寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ? なぜ女子だけが前列に集められるのか? そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。 新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。 あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。

アイ・ラぶんちゃっちゃ♪

YHQ337IC
ライト文芸
新幹線七不思議のひとつ「下田モーニングブギ」現象が沿線を騒がせている事件についてついに地元協議会が設立され対策に乗り出した。高度成長期から続く謎の騒音は生き物とも機械ともつかず界隈の不安を募らせてきた。新幹線の始発直前「ずんちゃずんちゃ♪」と閑静な住宅街に鳴り響く怪サウンド。果たしてその正体とは?

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

処理中です...