運命には抗えない〜第一幕〜

みこと

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ラザウェル3

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私はリトを抱きしめてキスをした。もう長い時間こうしている。皆が見ているが離れられない。
私の愛しい番リト。なぜこんな事になってしまったのだろう。私がおまえを手放すなんて。私の半身なのに…。
痩せて髪の伸びた愛しい番を抱きしめてはキスを繰り返した。リトをこんなにしてしまったのは誰でもない私だ。あんな修道院に送ってしまった。すまない、リト。許して欲しい。こんなに愛してるのに…。何故なんだ?

その後、私に起こった事について話をした。驚いた事にレオナルドにも同じ事が起こっていた。私たちはロジェに『魅了』をかけられていたのだ。 
あの小さなオメガはルーファスという名でレオナルドの運命の番だ。私が子どもの頃に飼っていた子ウサギに似ている。……そんな事はどうでもいい。
リトが私を信じ、調べてくれてここに辿り着いた。もちろんここに居る皆も尽力してくれた。感謝してもしきれない。あの二人は王立学校の教師できちんとした人たちだった。変な格好などと思って申し訳ない。

私はベットに座り後ろからリトを抱きしめている。本当に痩せてしまった。今日の計画のために何日も食事を抜いたらしい。でもそれだけではないだろう。リトの修道院での生活を思って涙が出た。私は痩せたその体を撫でながらキスをした。 

私たちにかけらている『魅了』とやらはまだ解けていない。ロジェを捕まえて何とかしないとならない。私とリトを引き裂くなんて本当なら万死に値する罪だ。私が直接殺してやりたいがそうもいかないみたいだ。ヤツは王太子妃で『魅了』はヤツにしか解けない。

ロジェの肖像画を見ると『魅了』は発動してしまう。レオナルドの話を聞いてどこかに隠しておいてもダメかもしれないと思った。暫く本邸には帰らないでいよう。グリーンレイクにリトを連れて戻る事にした。
レオナルドたちもグリーンレイクに来る事になった。フォーゼットまでは王都から距離があるので皆で集まりやすいよう、グリーンレイクを拠点に動く事にした。

それぞれロジェや『魅了』について調べて五日後にグリーンレイクに集まる事になった。

私はそのまま馬を走らせてガタラ修道院に行きリトを出す手続きをした。正式な書類は後日届ける。もうリトを私の側から離さない。



リトが部屋のベッドに座っていた。湯浴みをしたらしく髪が濡れている。私はタオルを取って優しく拭いてやった。

「湯浴みは久しぶりでさっぱりしました。」

「そうか。グリーンレイクでまた一緒に湯浴みをしような。」

キスをしながら髪を拭いてやる。終わると空いた手でそっと抱きよせた。

リトが抱きついてきてベッド押し倒された。そのまま私の首筋に顔を埋める。

「ダメだリト。まだ体調は万全ではないのだろう?」

「こんな痩せて貧相な身体では欲情しませんか?」

リトの目が潤んでいる。私はぐるりと体勢を変えてリトの上にのしかかった。

「そんな事あるわけないだろ。」

硬くなった下半身をグリっと押し付けた。良いのか、と聞くと小さく頷いた。
噛み付くようにキスをして服を剥ぎ取る。私の服も乱暴に脱ぎ捨てた。痩せてしまってはいたが神々しいくらいに美しいリトの身体。舐め回して吸い付いて跡を残す。硬く立ち上がったリトのモノにしゃぶりついた。

「あっあっ、出ますっ!ラザウェル様、あぁん!」

リトの大量に吐き出した精液をゴクリと飲み込む。そのまま口を離さずにしゃぶり続けた。そのまま指で蕾を撫でる。固く閉じてしまっていたので丁寧に解した。

指と舌で丁寧に解した穴に、猛って痛いくらいのモノを当てがった。ヌルヌルと入り口を刺激する。

「あぁん、ラザウェル様、早く…。」

「あぁ、リト、いくぞっ!」

ずぶりと一気に奥まで入れた。気持ちいい…、堪らない。

「あーーーっ!ラザウェル様っ!」

「出るっ!リトっ!くぅーーーっ!」

入れただけで出でしまった。気持ちいい、気持ち良すぎる。
リトの腰を抱え直して何度も何度も奥を穿って中に出した。

「リト、リト、愛してる…。私の可愛いリト。」

「ラザウェル様、あぁ、あぁ、すごいっ!」

「はぁ、あぁ、いいぞっ!リトっ!はぁーーっ!」

「あぁん、はぁ、あーーーっ!」

リトの身体を思うとやめなければならない。
まだ反り返るくらいに勃っているモノを抜こうとするとリトに抜かないで欲しいと懇願された。

「ダメです。もっとして下さい。」

「リト…良いのか?」

「はい。ラザウェル様、愛してます。」

「私も愛してる。」

我を忘れてリトの中に出しまくった。リトが気を失ってもやめられなかった。


♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎



リトは体力を使い果たして寝てしまった。
『食事に行ってくる。リトの分は私が部屋に持ってくる。愛してる。』と置き手紙を残して部屋を出た。
既に皆な食堂に居た。子ウサギ…ルーファスがこちらを見て何か言いたげた。リトが居ないからか?リトは疲れて寝ている、と言うと何とも言えない顔をされた。

私は仔牛のローストとブイヤベースとパンとワインを注文した。リトにはミルク粥とテールスープ、何か果物と果実水を注文した。後で注文した物は部屋で食べるので食事が終わる頃、ここに持って来て欲しいと頼んだ。
レオナルドが何の肉を注文するか悩んでいる。子ウサギはどうかとルーファスに相談している。少し食べるかとも聞いている。なんて残酷なヤツだ!共喰…
結局チキンにするようだ。何故かほっとした。

王立学校の教師二人は見ての通りの変わり者だった。ビンセントとカナンと名乗った。学校を卒業した後に世界中を旅して回ったらしい。船に乗って海の向こうの大陸や島国まで行った事があり、それらの話はとても面白かった。
食事を終えるとちょうどリトのために注文した食べ物を持って来てくれたのでそれを持って部屋に戻った。

部屋に戻るとリトは起きていてベッドボードにもたれて本を読んでいた。ビンセントに借りた本でとても面白いと言っている。
テーブルを引き寄せて食事を置いて食べさせた。半分ほどは食べられた。果物も剥いてやって口に入れる。

「美味しい!」

「そうか。良かった。明日、市場で買って帰ろう。」

美味しいそうに食べるリトを見て癒された。
私を信じてくれてありがとう。待っていてくれてありがとう。何度もリトに伝えて抱きしめた。












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