運命には抗えない〜第一幕〜

みこと

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僕たちは応接室に戻って暫く放心していた。誰も何も話さない。
レオナルド様は僕を膝の上に乗せて抱きしめている。ふと顔を見ると泣いていた。みんなの前だがレオナルド様に何度もキスをした。レオナルド様もキスを返してくれる。
その時来客を知らせる呼び鈴が鳴ってオズベルト様とサフィーア様が来た。応接室に入ると僕たちの様子に驚いている。ロイが今あった事を説明してくれた。

「あの肖像画にそんな秘密があったのか。」

僕はビンセント先生とカナン様を二人に紹介した。僕たちが今まで調べて分かった事も話した。

「『魅了』じゃなくて『呪い』だったのか。もっとタチが悪いな。レオ、大丈夫か?」

「ああ、でもあの肖像画を見た時、またあの黒いモヤが頭の中に現れたんだ。怖かった…。一番怖いのはルーファスに触れなくなる事だ。この良い匂いを嗅げなくなる。触ったり、キスしたりセックス出来なくなる。ルーファスを失うのが怖い。」

あ、言っちゃった。何気なくセックスって…。
でも辛そうなレオナルド様を見ると僕も辛い。僕たちが触れ合える事は実はとても尊い事なんだ…。僕はレオナルド様をぎゅっと抱きしめた。

ハンナが温かいお茶を淹れてくれたのでみんなで一息ついた。
先ずはあの肖像画をどうするかだ。ハンナはとても怖がって処分しようと言っている。ロイが肖像画を外して納戸にしまうのをハンナも手伝ったのだ。確かに閉まったはずなのにまたあの部屋に飾られていた。僕も怖くなった。でもビンセント先生が『呪い』がかかっているなら無闇矢鱈に処分しない方が良いと言うのであのままあの部屋に置いておく事となった。
ロイがあの部屋の鍵を閉めてくれた。

オズベルト様たちはロジェ様について調べていた。

サーフィス家の養子でその時の当主は既に亡くなっていた。ロジェ様の義母は養子になった経過は分からないが、死んだ夫が急にロジェ様を養子にすると言って連れてきたらしい。その時ロジェは19歳だった。
平民が貴族と結婚する際に、いったんどこかの貴族の養子になってから結婚する場合がある。最初はその類かと思っていたがそうでもないので不思議に思っていた。美しいオメガだったので番の申し込みが絶えなかったみたいだ。最終的には隣国の王太子妃となりサーフィス家はかなり裕福になったのでロジェ様と亡くなった夫に感謝しているそうだ。

19歳以前のロジェ様を知っている者は誰もいなかった。





レオナルド様とロジェ様が知り合ったのは王太子様の成人の儀でのパーティーだった。
キレイな顔だな、と思ったが特に惹かれる事もなく匂いも甘ったるくて好きな匂いではなかった。でもその次の日には自分の屋敷に招待していた。そこの所の記憶が曖昧で既にその時点で『魅了』もどきにかかっていたと思われる。

「私が好きなのはルーファスだけだよ。一目見て私の番だと分かった。可愛くて堪らない。この匂いも大好きだ。」

隣に座ったまま抱きしめてくる。『キレイな顔』と言ったのを気にしているらしい。耳にキスして唇にも吸い付いてくる。可愛い人だ。

「運命の番が分かっているのはラザウェル様だけですか?」

ビンセント先生僕たちに聞いてきた。今のところは、とオズベルト様が答えた。
ラザウェル様を正気に戻して情報を集めてはどうか、と提案された。
他のアルファの運命の番を探すのは不可能に近い。レオナルド様と僕が巡り会えたのは奇跡なんだ。ただ修道院にいるオメガを外に出す事はできないのでラザウェル様をどうやって修道院まで連れて行くか。オメガを修道院に入れたのはラザウェル様だ。『魅了』もどきが邪魔をして修道院に行くことすらしないかもしれない。
みんな頭を抱えて悩んでいる。

「あっ!ひとつだけ修道院のオメガを外に出す方法があります。」

ハンナが思い出したように言った。

ハンナの妹は修道女で今でも手紙のやり取りをしている。罪を犯して修道院に入れられた者が病気や怪我をした時に付き添って病院に行くというのを聞いた事がある。そのオメガに病気のフリをしてもらって外に連れ出しラザウェル様とキスさせるのはどうか。

みんなそれに賛成した。失敗は許されないので綿密な計画を練る。先ずこの作戦を修道院にいるオメガに話すことにした。必ず協力してくれるはずだ。オズベルト様が行くと言ったが僕もそのオメガに会って話がしたい。僕が行くならレオナルド様も行くと言った。西の果ての修道院はかなり遠いので馬で行くことになった。僕は馬に乗れないのでレオナルド様の馬に一緒に乗って行く。出発は二日後になった。


♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎


「ごめんねルーファス。痛かった?」

みんなが帰った後レオナルド様が僕を突き飛ばした事を謝ってきた。あれは仕方のないことだ。怪我もなかったし気にしてないのに。お尻をぶつけたんだねと、撫でてくる。怪我をしていたら大変なので直接見たいと言ってズボンと下着を膝まで下ろされた。ソファーに膝立ちになってレオナルド様にお尻を突き出す格好になった。…恥ずかしい。

「レオナルド様、大丈夫ですから。どこも痛くありません。」

「よく見てみないと。」

レオナルド様はお尻を撫で回していたが顔を近づけてお尻にをにキスしてきた。こんな可愛いお尻に…、とか言いながらキスしたり甘噛みしたりしてくる。

「んっ、んっ。ダメですっ!」

「はぁはぁ、気持ちよくなっちゃったの?エッチだね。」

硬くなってしまった僕のアレを扱きながらお尻を舐め回してきた。

「美味しい。こっちも美味しそう。出なくなるまで吸い出していい?」

ソファーの上にくるりとひっくり返されてズボンと下着を脱がされた。レオナルド様は有言実行だ。本当に出なくなるまで弄り倒されでしまう。と思っていると口に含まれて唇で扱かれて吸われた。

「出ちゃう、出ちゃう、あぁっ!」

呆気なくイってしまった。熱っぽい目で僕を見ると今日はもう離したくないと言ってイったばかりの僕のモノをまた口に含んだ。




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