善夜家のオメガ

みこと

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詩月

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「ん、んん…まって、あ、健人、」  

「詩月、かわいい。すごく良い匂い…はぁ、堪んない。」

健人は自分の部屋に入るなり詩月に抱きついてキスをする。

「あ、ちょっと、ダメ、最後まではダメだよ…」

「分かってる。キスしてイチャイチャするだけ…」

奈緒がくれたスプレーはまだ開発途中だったため、セックスした時の匂いまで消すことは出来ないようだ。ただいつもようにイチャイチャするくらいまでなら大丈夫だと奈緒に言われた。
健人は軽々と詩月を持ち上げベットに降ろす。そのままあっという間に全裸にしてしまった。

「あー、かわいい。」

健人も素早く脱いでぎゅっと抱きしめる。お互いの体温と肌を感じられるこの行為が健人は大好きだ。
しばらく抱き合って布団の中に潜り込みキスしたり触り合ったりする。こもった布団の中で二人のフェロモンが充満しイチャイチャはさらに激しくなった。
健人は詩月の身体中にキスして舐め回す。健人が吸い過ぎてぷっくりとしてしまった乳首を吸いながら詩月の性器をしごいた。

「あ、んん、あぁ、健人っ、健人っ!」

「ん?気持ちいい?すげーかわいい。」

詩月を抱きしめながら左手で乳首を、右手で性器を弄りながらねっとりと舌を絡ませる。
気持ちいいところをいっぺんに責められてあっという間にイきそうになる。

「ふっ、イク、ん、ん、あぁーっ!」

「詩月、好き、好き、大好き…。」

ビクビク痙攣しながら自分の腹に精液を吐き出す。健人はムクっと起き上がりその精液全て舐めとり、まだピクピクしている性器も口に含み残っている精液も全て吸い出した。

「あぁん、やっ、ダメ、」

「はぁ、美味しい…詩月、詩月…。」

健人は詩月の性器を離さず、何度も口で射精させ飲み込んだ。

「はぁはぁ、詩月…。」

ぐったりとしていた詩月だか、健人が膝立ちになるとゆっくり起き上がり反り返った性器を口に含む。ただ、大きすぎて先だけしか口に入れることが出来ない。
しかし丹念に舐めて口に含み手も使う。

「かわいい…はぁ、気持ちいい。あ、詩月っ、」

ビクッと震えて詩月の口の中に放つ。詩月もそれを懸命に飲み込んだ。

「詩月、もっと…。お尻こっちに向けて?」

「ん、」

健人が寝転がりその上に詩月が逆さに乗る。健人がお気に入りの体勢だ。

「あー、かわいい。すごい…」

「ん、はぁ、健人っ!」

ちゅっちゅっと尻たぶにキスをしてから尻の穴を舐める。時々甘噛みすると詩月はピクピク震えながら何度も達していた。

「詩月も…ほら、」

「うん…」

健人が腰を突き上げると詩月も必死に硬く熱り立った性器を舐り、健人が満足するまで何度も飲み干した。




「詩月、大好き。愛してる。」

「ん、知ってる。」

満足した二人はベットの中で抱き合っている。詩月は疲れて眠そうだ。健人の腕の中でうとうとと船を漕ぎ出した。

「かわいいな。」

「ふふ。」

とろんとしている詩月の顔中にキスをする。眠れないと怒られるが身体を撫でたりキスをしたりしてちょっかいを出している。

「おやすみ。」

いよいよ詩月の瞼が閉じた時だ。健人の部屋のドアが勢いよく開いた。

「おまえたち、いつまで待たせる気だ!何時間イチャイチャしてんだよ!」

大声で怒鳴りながら入ってきたのは葉月だ。
葉月は二人からの連絡をずっと待っていたのだ。

「あ、忘れてた。」

「うわっ!すごいフェロモン。早くあれを使えよ!ずっと待ってたんだからな!」

「そうだった。詩月、大丈夫か?眠い?」

「…。」

詩月はベッドの中に潜ってしまった。兄弟でもさすがに恥ずかしいようだ。

「いいから早くしろ!」

「うん。」

健人がモゾモゾとベッドから出て来る。

「ぎゃーー!!!健人おまえパンツくらい履けよ!」

「あ、葉月は見るなよ。俺は詩月にしか見せないって決めてるんだから。」

全裸の健人は手であそこを隠し、身体をよじる。

「知るかよそんなの。こっちだって見たくないよ!早くパンツ履け!」

近くに落ちてあったパンツを葉月が拾って健人に投げつけた。健人がそれを片手でキャッチする。

「あ、これ詩月のパンツだ。ふふ、かわいい。良い匂い。」

うっとりと頬擦りしてパンツに顔を埋める健人を葉月が引きながら見ていた。





「すごいな…。本当に消えた…。」

葉月が詩月に近づいてくんくん匂いを嗅いでいる。
奈緒がくれたスプレーの効果は絶大だった。

「どれ?…本当だ。」

健人も詩月に抱きついて匂いを嗅いでいる。詩月はくすぐったそうだ。

「半日だっけ?これなら母さんも騙せる。」

「うん。」

「そうだな…。」

これで詩月とイチャイチャできるのに何故か健人の表情が浮かない。

「どうした?健人。」

葉月が健人に声をかける。

「…俺の匂いがしない。」 

「そりゃそうだろ。消したんだから。」

「詩月から俺の匂いがしない…。」

健人が詩月を抱きしめて頬擦りする。自分の匂いを付けているのだ。
番いに自分の匂いを付けるということはとても大事なことなのだ。他のアルファを牽制し、自分のオメガだということをアピールするだけでなく、自分の匂いをオメガから感じることで自分のものだと安心するのだ。先ほどたっぷり付けた自分の匂いが消えてしまったことで健人は不安定になっている。

「健人、大丈夫。大好きだから…。」

詩月が健人の背中を撫でて優しく耳元で囁くと表情が和らいだ。

「うん。俺も大好き。また付けて良い?」

「今日はもう無理だよ…明日ね。」

「うん、うん。」

そう言って今度は嬉しそうに身体を擦り付ける。

「はぁ、全く。先が思いやられるよ。」

葉月は呆れたようにそんな二人を眺めていた。
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